故郷の海で海洋散骨 お母さんの遺言 メモリアルクルージング
コロナ禍の中どちら様も大変では御座いますが、ありがたい事に当社の海洋散骨について県内外からのお問い合わせが増えてきました。
何件かは既に執り行わせて頂き、他数件は粉骨加工を施しご自宅で供養頂いてる最中、折を見てご家族乗船しての海洋散骨葬をご計画されているご依頼も御座います。
先月末、山形のご実家で暮らしていた亡きお父様の海洋散骨葬を執り行わせて頂きました。
年初めよりご相談を頂いておりましたが無事に行う事ができ一安心しているところです。
また、あるご家族は親子で亡き妻のご遺骨を抱きしめ来社。当社で粉骨加工を施しご自宅で供養した後、自らの手で自然に還してやりたいとのご意向。ご依頼者様が管理所有する山畑への散骨「山林散骨・樹木葬」を計画されているとの事でした。
「生前、妻が好きでよく通い詰めた裏庭や田畑へ」
「ここが最善かと・・・」
現行の埋葬法に触れるでもない色々な葬送形態がございます。
また、あるご相談者は数年前に墓所へ埋葬も済んでおりました亡きご主人のご遺骨でしたが、生前夫の言葉が心に引っ掛かり、ずっと気になっていたようです。
「ふるさとの海に還してほしい」
亡き旦那様のご希望だったようでしたが、当時は海洋葬の方法など分からずそのままになっておりましたが、最近叔母が亡くなられ埋葬する際、この機会にと決心されて夫のご遺骨の一部を分骨し、粉骨の為に当社へ送骨頂きました。
現在、当社での粉骨作業を終え、コロナ情勢を見ながらゴールデンウィーク頃を目途に奥さんが乗船して自らの手で郷土の海へ旦那様を送り還す予定です。
親の葬儀とご遺骨の行方
私共が提供している海洋散骨葬(野山にご遺骨を散布する樹木葬などは行ってません)にお問合せされるのは、親の海洋葬の場合は息子さんより娘さん、姉妹など女性からのお問合せが多いように感じます。一人娘が都会に嫁ぎ実家の墓守をする人がいないなど、それぞれ家庭事情もあるかと思いますが、墓所も無く自宅に仏壇もない独立家庭の息子さん娘さん達には、ご両親が元気なうちに親子間で「親の死後のあり方」について話し合いの場を持つ事が必要と感じます。
一昔前までは「不謹慎だ」「縁起でもない」などタブーとされていた内容ですが、最近では里帰りの折に親が話すようになったとか、冗談交じりで聞いてみたとか、色々なパターンでそれとなく話題になっているようです。
事何かが起きれば親戚の長老が率先して指示役となり、何となくですが事が済んだ時代もありました。近年は長老もその伴侶から袖を引っ張られ口を閉ざすダンマリ縁者が多いようです。口を出せば金も出る・・・そんな場面がイメージできます。
親の死後の話しですが、先日まで親がお世話になっていた介護施設の部屋には既に新たな入居者が居住しており、仕方のない事ですが親の荷物は別室に退避された状態。死後の処理を終えたご遺体は病院から施設に戻ることも出来ず病院手配のセレモニー会館へ運び入れる事になります。
ご遺体も一泊40,000円~60,000円が相場、遠方から駆け付けたご遺族も葬儀までホテル住まいとなり、その間の宿泊費もけっこう掛かります。
よく言われる事ですが実家が無いと何かと困ります。
実家が無いので火葬後のご遺骨の持って行く場所も無いので、まずは自分達ご遺族の泊まっているホテルに持ち帰る事となります。こういった事は年々増えており決して珍しいケースではないのです。
そのような場合にご遺族よりご相談を受けた時は「本家の菩提寺にお願い出来ないでしょうか?」とアドバイスさせて頂いてますが、そこにもそれぞれのご家庭の事情があり、親族との関わり合い、本家と分家の親族関係などで相談しにくい、頼めない等の声も聞かれます。
実家を出て長い間都会暮らしをしておりますと、親戚付き合いや従弟間などの繋がりも薄れ希薄な関係になりがち。実家にも帰らないご自身の責任と言えばそれまでですが、ちょっと可哀そうな相談者もおりました。
親戚、叔父や叔母、従弟など年賀状だけでのお付き合いではなく、たまには電話してみる、親の元気なうちに帰省してお顔を突き合わせるのも大事なように思います。
困ったときの親戚付き合い、今ではあまり聞き慣れない言葉となりましたが、親の死後を考えれば実家近隣にお住まいされている親戚のサポートは必要になります。今からでも実家、親戚などとの関係を見直してみてはいかがでしょうか?
そのうちご自身も還暦も過ぎ、病気など患った時に考えるのがご自身の死後の事です。子供達に今の自分のように親の葬儀で困らないようにエンディングノートなどを活用して自身の描く葬送のあり方を考えてはいかがでしょうか。
代理海洋散骨葬
海洋状況を気にしながらその時を待っておりました。
低気圧の谷間、暫くぶりの晴れ間です。早々に生花を加工して花籠に整え車中で準備しながらマリーナへ向かいます。
平日という事もあり辺りに僚船が見えない中いつもの海域へ向かいます。先日来の長雨により海流に濁りが入っており、もう少し澄み切った海面を目指して沖に出ますが、なかなか綺麗な澄んだ青色とはいえません。
少し薄まった流れを見つけてエンジンを停めて海洋散骨セレモニーを始めます。
故人様のお名前を読み上げ合掌!
ご依頼人様になり代わり私どもクルーで執り行わせて頂きました。
前日からのウネリは残りますが風も無く静かな海洋葬となりました。残念ながら雲が張り込んで鳥海山を望み見る事は出来ませんでしたが時々アフトデッキいっぱいに陽も差して来ます。
薄茶色の海面ではありましたが、それだけに花びらや乳白色に衣替えした故人様が入道雲のごとく勢いよく広がり花びらと共に今日は一段と際立って見えました。
大海原へ新たな旅立ちです。揺れる波間に見え隠れしながらもしっかりと一筋の花道が見えます。
この時ばかりはクルー皆で手を合わせ航海の安全をご祈念申し上げました。
合掌!
帰社早々に報告書を作成してご依頼者様へのご報告となりました。
この度は当社の代理海洋葬をご利用いただき有難う御座いました。
海洋散骨についてのお問合せは・・・こちら