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入澤和志郎プロは山形新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

遺品整理・孤独死現場で作業

入澤和志郎

入澤和志郎

テーマ:遺品整理

5月中頃、地元の方から遺品整理と特殊清掃についてお問い合わせを頂きました。

「義理の弟が亡くなりました」
「一人暮らしでしたが、警察から家の中で倒れている可能性があるのではと連絡が入り・・・」
「その結果、遺体で見つかりました・・・」
「急で申し訳ありませんがお時間は如何でしょうか?」

この様な内容で70代と思われる女性からご相談の一報が入りました。

早々にお問い合わせ下さった女性宅にお邪魔して親族交えながら詳細を伺いますと、ご遺体を発見されたのは4月末。当局での解剖検体結果、事件性は無く病死、持病をかかえながらの衰弱死との事でした。
重篤な状態でも生活を共にされている方も居なく、近隣住民とのお付き合いも積極的では無かったようでこの様なご遺体の発見となったようです。
故人はこの地にお住まいされてから30年程、町内会や自治会とも無縁で、なぜか町内に設置してますゴミステーションも利用しなかったのか、出来なかったのかは不明ですが、現場はいわゆるゴミ屋敷状態。長年この作業をしています私共もこれほどの現場は初めて体験する事になります。
足を悪くされてからの数年間、溜めに溜め込んだ生活の不要品。玄関先からもあふれ出ております。室内は食べ残しからペットボトルに空き瓶、排便の始末もビニール袋で・・・新聞紙などに包み山のように積んであります。不思議なことに屋外外周りには一切のゴミも出ておりません。

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

孤独死された方の実家のお兄さん(ご相談された方の旦那さん)も十年ほど前に若くして病に倒れ他界。他のご兄弟もおらずその後はあまり行き来が無かった。生活ぶりも把握出来なった。そのようなご様子でした。
実家から車で10分程の距離ではありますが・・・。

今年の春先は全国異常気象続きで、気温も高い日が続き4月中頃からご近所では異臭に気付き色々と噂が出始め、最寄りの派出所に相談され、親族立ち会いの元、道路沿いの風呂場の窓を割り警察官が室内に入りご遺体を発見されたとの事でした。

ご遺体の引き取り、親族での家族葬も終えた頃に遺品整理孤独死現場の見積り依頼を受けました。完全防備の状態で私共が現場に入りましたが、初めて現場室内を拝見した時は本当にビックリしました。この様な状態でどこで寝起きしていたのか不思議なくらいでした。
トイレ、台所、浴室も押し入れまでもがゴミで溢れかえり区別がつかない有様、生活雑貨やゴミ、趣味の雑貨(ビデオテープやDVDや雑誌)で埋もれております。防毒マスクを一瞬外してみますと強烈な異臭が鼻を突きます。警察の現場検証や遺体回収時の作業も加わり現場は更に荒れており、かろうじてここが最後の居場所かと・・・
1時間程掛けくまなく物量調査、見積書を作成してご遺族代表者に提出させて頂きました。
室内の家具も、家電、全てが埋もれて何も見えない状態。
鴨居や照明器具近くまでゴミで重ね埋っております。

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

ざっと目算しても廃棄物品を運び出すには2トントラックパネル車で6~7台分はあります。
大変な廃棄量想定、分別作業、作業人数、作業環境もまた厳しい・・・
室内に充満した異臭のために窓を開けての作業も出来ず、防護服の中は汗でびっしょり・・
見積り内容に付いても詳しく説明させて頂きましたが金額もそれなりの額となり親族での話し合いが必要との事、少し検討する時間を頂きたいとの事でその日は帰社しました。

それから数日してご連絡があり正式な契約締結とさせて頂きました。
現場見積り時のビデオ撮り、その内容を見ていた親族皆さん・・・、余りにも荒れた生活ぶりを目の当たりにして涙ぐむ人、亡くなった方を呆れかえり叱る人といろいろな声がありました。
悲惨な現場は和室2部屋、洋室1部屋の平屋のお宅ではありましたが延べにして10日ほどの作業で終了致しました。その間、近隣住民が入れ替わり立ち替わりいつも数人の方が作業を覗き見来ます。市のクリーンセンター職員も毎日のように大量のゴミ袋を搬入する私どもに同情の声を掛ける方もおりました。

消臭作業により異臭も少し薄まった頃、最後の畳撤去、体液など染みこんだいまだ強烈な異臭のする畳2枚を業務用ラップ巻きにして最後の搬出作業となりました。
最後は花瓶に焚いた線香束を半日ほど灯し、故人のご冥福をお祈りさせて頂きました。
作業員皆で合掌!

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

遺品整理・特殊清掃現場

今回の遺品整理、特殊清掃作業現場の写真は・・・こちら

遺品整理士・特殊清掃士のご用命は・・・こちら

想い出の港を周回 海洋散骨葬

数ヶ月前に海洋散骨のご相談のためご家族3人で来社頂きました。
都会で暮らす娘夫婦と、地元で一人暮らす80代の母親との三名です。事前に打ち合わせなどすませており当日はお骨を持参して頂き契約締結後にすぐご遺族の前で粉骨作業をさせて頂きました。

真っ白い粉骨に衣替えした亡きお父さん。経年の供養や保管状態がもよく変色することも無く綺麗に仕上がりました。
その日はご遺骨を一旦お持ち帰りとなり海洋散骨の日が来るまでご自宅で引続きの供養となります。今回はご依頼者様がご高齢という事もあり代行海洋散骨でのご契約、予定日の前日にお骨のお預かりにとお母様のお住まいにお邪魔しました。
初めて訪問させて頂いたご依頼者のお宅は、純和風の落ち着いた邸宅に綺麗に整備された広いお庭。季節毎に庭師を入れ手入れ作業を行っているとか、羨ましい限りの見事なお庭で、亡き旦那様がお気に入りのお庭だそうです。
お母様自身も時々は剪定ばさみを手に頑張るそうです。

玄関先でご挨拶をすませてお骨のお預かりとなりましたが玄関奥壁に大きな魚拓が飾られております。

「主人が釣り上げたの!」
自慢げに笑顔一杯でその時のお話しをされました。 

長年連れそったご夫婦、
「休みの日は私も一緒に酒田北港に良く釣りに行ってたの!」

「主人は退職後も暇をみては酒田北港に本当によく出掛けておりました」
「どうか許されましたら散骨前に北港の周回などして頂くと亡き主人も大変喜ぶのでは・・」

亡き夫を想いやり、最後まで尽くそうとする奥様、幸せな旦那様です。
「足が悪くなければ私も一緒に船に乗り主人を送りたいのですが・・・」

私共もご家族のその想いはよく理解しております。
散骨当日は亡き旦那様の誕生日。朝早く出港、あいにくの雲空で時々は小雨まじりの中、太公望が集まる前にと北港へ向かいます。朝の早い時間、さほど釣り人の姿も見えません。港内に入りゆっくりと周回、最後の港風景を見て頂き花びらと少しのお骨も・・・。
お母様とのお約束も無事に終え、沖合の海洋散骨ポイントへ向かいます。

外海はやはり低気圧の影響で波風が強く吹き、途中波しぶきを受けながらの航海となりました。
それでも風向きや潮流れを観ながら静かなポイントを探します。船上に般若心経が流れる中で海洋散骨葬を執り行いました。本日は大潮、やはり潮流れが速い!
乳白色に衣替えのお父さん、中々花びらと一緒の写真を撮ることが出来ず少し苦労致しましたが無事に全行程を終える事が出来ました。
曇り空の中、今回惜しくも乗船の叶わなかった奥様に代り社員皆で潮に乗り船縁を花びらと共に静かに離れ行くご主人をお見送りさせて頂きました。
                
ご冥福をお祈り申し上げます・・ 合掌!

代行散骨

代行散骨

代行散骨

代行散骨

今回も当社海洋散骨船 yamahiro号 をご用命頂き有り難うございました。

海洋散骨についての詳細は・・・こちら

                 

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入澤和志郎
専門家

入澤和志郎(葬儀)

有限会社 風車

・故人、ご遺族の状況や希望などに誠実に向き合い、最善を尽くした遺品整理を行います。ご遺品を供養しながら焼却する「お焚き上げ」や買い取りも可能です。故人とご遺族が安心できる整理を心掛けています。

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