今年最後?
先日の続き?
熊野勧進十界曼荼羅の上部のアーチは人が生まれて成長しそして老いてその命を終えるまでの過程を表しています。ここで注目していただきたいのは、老いて行く過程で男性がいなくなり最後の方は老婆だけになってしまうという事、そのころから女性の方が長生きであったということでしょうか?またその下の方は死後の世界、六道、四声道などが描かれています。先日述べたように、十界を表しているという事です。
熊野比丘尼はこの図を携えて熊野信仰の布教、民間への布教に寄与した人としてその歴史に刻まれています。
まだまだ記述は足りないのですが、熊野信仰に関してはこれまでにします、興味をもたれた方は、東北大学教養教育院、総長特命教授である、鈴木岩弓の下においでください。
また、最近は納骨の際にもあまりこだわりがなくなってきたように感じてはいますが、地元山形では、歯骨納めなる習慣がありましたよね、これも鈴木先生の受け売りなんですが、浄土真宗の本山納骨は別格として、歯骨納めは限られた地域にしか広まっていなかったという事でした、例えば地元山寺立石寺、庄内の三つ森山、置たま地方のホトケ山、そして青森の恐山などだけのようです、これは山中他界観という考えなどと、人々の信仰が元になってきたようですが、実はこの歯骨納めをしている場所には一つの共通点がありました、それは慈覚大師、円仁の遺骨を納めた場所、もしくは関連する場所という事です、慈覚大師の徳にあやかり、そこに歯骨を納めると成仏できるという信仰が生まれたという事なのかと思われます。
「死」の学び、ラテン語でメメント・モリ、様々な要素を秘めた学びが数限りなく存在する学びだと思います、奥が深い学びです。
また、東日本大震災の後、たくさんの犠牲者が出ましたが、残された遺族、家族の悲しみをいやす助けとして、「臨床宗教師」なる資格が誕生しています。東北大学をはじめ、龍谷大学、鶴見大学、高野山大学、武蔵野大学、種智院大学、大正大学、愛知学院大学、大正大学、上智大学、日本スピリチュアルケアワーカー協会等の諸大学機関において養成が始まっています。