火災保険を適用される屋根のトラブル
新築時はきれいな外観、内装です。しかし、年数を経ていくうちに経年劣化により、汚れやキズが目立つようになります。
美しい住まいを維持するために、多くの場合、数年ごとに外壁塗装を行うなどメンテナンスをしますが、瓦はどのタイミングで行えばいいのでしょう?
瓦は種類にもよりますが、20年、50年、さらに100年持つものもあります。また使い終わった瓦も工夫次第で再利用することも可能です。今回は瓦の再利用方法や実際に再利用された事例も併せてご紹介します。
再利用が可能な瓦とは?
瓦は質の良いものであれば50年以上も持つため、リフォームのたびに交換する必要はありません。しかし、ものによっては20年でダメになってしまうものもあるため、瓦を再利用しようとしても、その時点ですでに使いものにならなくなっている場合もあります。
自分の家の瓦が再利用可能かどうか、気になるところでしょう。
再利用の方法によっても変わりますが、瓦の形のまま、もしくは分割して再利用するのであれば、再利用時以降も問題なく使える耐久性があることが最低条件となります。瓦の素材でもっとも耐久性があるのは、粘土を主成分にしたものですが、セメント瓦であっても定期的な塗装をしていれば一般的には20~30年の耐久性があるため、それ以前であれば、再利用は可能です。
では、再利用の時点ですでに割れていたり、耐久性がなかったりする瓦はもう使うことはできないのでしょうか?
そんなことはありません。瓦の形を残さないもの、例えば砂利やチップなどに加工して庭石として再利用することは可能です。そのため、リフォームをする前の時点で何に使うかを決めるのではなく、リフォームをする時点の瓦の状況を見て、状況に応じた再利用方法を考えることで、古い瓦でも無駄にすることなく活用することができます。
ガーデニングのアクセントとして再利用事例
では、実際に瓦を再利用した事例をいくつかご紹介します。1つめは、ガーデニングのアクセントとしての例です。
ガーデニングで瓦を再利用するときに最も多いのは、瓦を外構として使う方法です。瓦は波を打った形をしているので、その一部、もしくはすべてを使うことで、ユニークな形状の外構をつくることができます。瓦を縦に積んでいくことでレンガや植物では生まれない独特の雰囲気を持った垣根をつくってみてもおもしろいでしょう。
瓦というと、純和風の庭でしか使えないと思うかもしれません。しかし、実際には純和風の庭だけではなく、工夫次第では和モダンと呼ばれるような庭に活用することも可能です。洋風の庭であっても、ヨーロッパで使われているようなオレンジやグリーンといった色がついた瓦であれば、全体のイメージを損なうことなく利用することが可能です。
瓦を使ったガーデニングで有名な場所といえば、中部国際空港(セントレア)が挙げられます。この空港のバス発着場の近くには、約4万5,000枚を使った広い庭があります。
庭石として再利用事例
瓦の再利用事例、2つめは庭石としての活用方法です。先述したように、すでに瓦の形状を保つことができない場合も含め、瓦を砕き砂利の状態にして庭石として再利用します。
瓦を庭石として再利用することのメリットは少なくありません。特に粘土を主成分としてつくられた瓦であれば、高い吸水性、吸湿性があり、雨が降っても庭のぬかるみをある程度は防ぐことができます。また防犯専用の砂利ほどではありませんが、一般的な砂利に比べると踏んだ時の音が大きく、防犯用としても活用可能です。
瓦を再利用する際の注意点
最後に瓦を再利用する際の注意点についてですが、瓦を使うことのメリットの1つとして、処分費の低減があります。
一般的に古い瓦を処分するには、20坪程度の瓦の量で約10万円はかかります。また、新たに砂利を敷こうとした場合でも、1㎡あたりで約4,000円かかります。しかし、ガーデニングや庭石などに再利用することで、処分費や砂利代を節約することができます。
ただ、メリットばかりではありません。例えば、古い瓦を再利用するには清掃、選別、破砕するなど手間がかかります。またすべてをDIYでやるのもかなりの時間と労力が必要です。
そのため、限りある資源を再利用することで環境負荷を低減したいといった場合や、古くから使っていた瓦に愛着があり、そのまま処分してしまうのは惜しいなどといった理由ではなく、単純に費用を節約したいといった理由で再利用を考えているのであれば、一度、専門業者に相談してから決めることをおすすめします。
瓦の可能性
今回は瓦の再利用としてガーデニングの飾りや、瓦チップとしてのお庭廻りの使用方法としてお話しさせて頂きましたが、リサイクルに関しては瓦の破砕したときに出るパウダーを使用し、山形県には駐車場の色分けや、壁や土間などに使用している住宅もあります。
現在、瓦は家の屋根を守る材料としてだけでなく、インテリアやキッチン廻りのプレートやコースター、アクセサリーとして皆さんの生活の中に溶け込んでいます。
今後もどのように進化していくかお楽しみ下さい。そして日本の瓦文化を次世代にのこし、大切にしていきたいものです。