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原田誠

伝統に新しい風を吹き込む「屋根瓦」のプロ

原田誠(はらだまこと) / 職人

株式会社 原田瓦工業

コラム

瓦屋根から雨漏りするときは、これが原因!

2020年1月18日

テーマ:瓦屋根トラブルは、これで回避!

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 屋根修理

日本各地で猛威を振るう台風。屋根などがダメージを受けて雨漏りが発生すると、台風が過ぎた後も雨が降るたびに被害が広がり住まいを傷めてしまうので、できるだけ早い段階で補修をする必要があります。

特に瓦屋根の家に住んでいる方は、原因や補修方法を事前に知っておけば被害を最小限に抑えることも可能です。今回は瓦屋根の家で起こる雨漏りの原因と補修方法をご紹介します。

雨漏りする原因-1-棟瓦と瓦の隙間から

瓦屋根で雨漏りが起こる原因として、もっとも多いのが棟瓦と瓦とのつなぎである漆喰・モルタルの劣化によりその隙間から雨が入り込むものです。瓦は耐久性が高い屋根材ですが、瓦以外は住んでいる環境や使われている素材によって劣化速度が違います。

漆喰・モルタルの劣化が進むとそこから雨が入り込み、瓦の下にある下葺材へと流れていきます。一般的にこの下葺材が防水材になっているため、仮にここまで雨が流れてきても、室内に侵入することはありません。

しかし、経年劣化や頻繁に雨水が侵入してくれば、いずれは腐食して穴があいてしまいます。そして、一カ所でも穴があいてしまえば、そこから室内へと流れ、天井から雨漏りが起こるという流れになります。

屋根の形状によっては谷という雨水を集めて軒側に流す為の板金があります。
こちらも棟と同様、経年劣化により穴が空いてしまうと下地部分に雨水が浸入してしまいます。

棟瓦と瓦の隙間から起こる雨漏りの補修方法

ご説明したように、漆喰・モルタルの劣化で起こる雨漏りは、その隙間を埋めるだけでは解決しないことが多く見られます。

新たな雨の侵入は防げますが、防水材が劣化したりダメージを受けている限り、いずれまた別の場所で瓦がズレるなどして大きな隙間ができれば、今度は時間を待たずにすぐ雨漏りにつながります。

そこで、補修方法ですが、まず雨漏り箇所を見つけ、その部分の瓦を外します。そして、その下にある下葺材(防水材)の問題部分を確認し、新しく下葺材を施工します。

その後、瓦を葺き直し、棟を積み直せば補修は完了です。この際、瓦自体に問題がなければ新しい瓦に交換する必要はありません。ただし、棟に使うのし瓦や冠瓦に漆喰・モルタルが残る場合は新しいものに交換することをおすすめします。

雨漏りする原因-2-瓦の割れ・破損と補修方法

瓦屋根で雨漏りが起こるほかの原因として、瓦の割れ、破損があります。瓦は耐久性が高い屋根材ですが、台風、嵐などの強風で瓦が浮き上がってしまうことや、飛来物によって、瓦がズレたり割れたりします。

また、それ以外には屋根に設置したアンテナの移動や飛来物の処理などで、瓦職人以外の人が屋根に上った際に踏み割ってしまうケースも少なくないようです。

瓦がズレるなどした場合も同様、すぐに家の中に雨漏りが起こるといったことはありませんが、放置しておけば雨漏りを引き起こす要因となります。

瓦の割れ、破損時の補修方法は、棟瓦と瓦との隙間から雨が入り込むものと同様、雨漏り箇所を見つけ、その部分の瓦を外します。そして、その下にある下葺材(防水材)の問題部分を確認し、新しく下葺材を施工します。ただし、割れ、破損時は、新たな防水材の施工に加え、瓦自体も新しいものへと交換する必要があります。

瓦屋根の雨漏り補修は必ず専門家に依頼を

今回、ご紹介したように瓦屋根の雨漏りは瓦のズレや破損などが雨漏りの原因になることがおわかりいただけたと思います。

しかし、だからといって瓦屋根はデメリットが多いというわけではありません。瓦は専門家であれば、簡単に取り外しが可能なため、万が一の際には手早く補修ができます。これはほかの屋根に比べ、工期が短くて済む以外にコストを抑えることもできるなど、瓦ならではのメンテナンス性の良さということになります。

また、基本的に瓦の下には防水材が敷いてあるため、瓦の割れやズレができたとしてもそれがすぐに雨漏りにつながるわけではありません。一般的には築20年以上で防水材の劣化が進んでいなければ、簡単に雨漏りすることはないでしょう。

ただし、瓦に割れやズレができれば、はがれやすくなるため、強風が来た際には瓦が飛ばされてしまい、それが周囲の家に当たれば、さらなる被害を生み出してしまう恐れがあります。そのため、仮に雨漏りがしてなかったとしても、定期的にチェックを行い、問題がある場合は早めに対応することをおすすめします。

すでにお話ししましたが、屋根に上がる際は十分に注意をしたとしても、瓦を踏んで割ってしまうリスクがあります。そのため、チェックをする際は、必ず専門家に依頼して、自分では行わないようにしましょう。

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