瓦を再利用して、外観装飾のアクセントに!
瓦は素材にもよりますが、ものによっては50年、100年と使い続けることができます。しかし、それは定期的なメンテナンスを行っている場合で、何もせずに放置していると、経年劣化や瓦の割れなどによる雨漏りが起きてしまうこともあります。
今回は瓦の補修が必要となる主な症状や原因、そして実際に瓦に問題が起きた際の補修方法についてご説明します。
瓦の補修が必要となる主な症状と原因-1-軒天の雨染み
瓦の補修が必要かどうかは、基本的には屋根の上に登って確認します。しかし、何もせずに放置していた場合、屋根に登らなくても、いくつかの症状が出ることで確認が可能です。ここでは、そのなかでも特にわかりやすい症状を2つ紹介します。
1つめの症状は軒天の雨染みです。
軒天とは、屋根の真下部分にある壁(外部天井)のことです。日本家屋の場合、下から屋根を見上げた際に外壁から飛び出している部分がありますが、下から見えるその飛び出した部分が軒天です。ほかにも軒裏や軒天井などとも呼ばれています。
屋根に問題がある場合は、この軒天に雨染みができます。本来、雨水は屋根から雨どいに入り、排水されます。しかし、瓦や屋根に何かしらの問題があることで、雨水が途中で屋根の中に侵入し、軒天に入ってしまうことでこういった症状が出ます。
軒天に雨水が入ってしまう最大の原因は、瓦の割れや瓦のズレによる隙間が生じてしまうことです。隙間に入り込んだ雨水が、本来であれば防水材の上を流れ排水されるはずが、防水剤に亀裂等があるとそこから屋根裏や軒天内に流れる構造になってしまいっているのです。
また、雪国では、雨樋に溜まった雪が鼻隠しという瓦の下の箇所やそのつなぎ目より雪溶け水を吸い上げて軒天に染みを作る場合もあるので、その周辺を点検する必要があります。
瓦の補修が必要となる主な症状と原因-2-天井の雨染み
瓦の補修が必要になる2つ目の症状は、天井の雨染み、いわゆる雨漏りです。
軒天の雨染みは屋外に出なければわからない症状ですが、天井の雨染みは屋内で起こる症状のため、より素早い原因の究明と対策が欠かせません。
屋内の雨染みは、天井のほか壁にできる場合もあります。ただ壁にできる雨染みは、瓦や屋根に問題がない場合も多いため、ここでは天井の雨染みに絞って、その主な3つの原因について見ていきます。
【1:谷部、板金の穴あき】
天井に雨染みができる原因は屋根であることがほとんどですが、屋根のなかでも瓦に問題がある場合と、瓦以外に問題がある場合の大きく2つに分けられます。
谷部・板金の穴あきによる雨染みは、瓦以外の部分が問題で起こるものです。
谷部とは、屋根と屋根が交わる部分です。「谷」の名がついているように、この部分はほかと比べ雨水が流れていくようになっています。そして、谷部は一般的に金属板でできていることが多く、経年劣化による腐食で穴があいてしまうと、そこから漏水し、雨染みにつながっていきます。
【2:流れ壁の劣化】
瓦以外の問題で起こる天井の雨染みのもう1つの原因が、流れ壁の劣化です。
谷部とは屋根と屋根が交わる部分ですが、流れ壁とは屋根と壁が交わる部分です。ここも谷部と同様、谷のように雨水が流れていく部分になっています。
屋根と壁を接続している部分の劣化により、漏水、雨染みにつながってしまうのです。
谷部、流れ壁ともに屋根や壁の接続部分になっているため、経年劣化により腐食やサビなどにより穴があいてしまう可能性が高い場所です。その結果、その部分から漏水し、天井に伝わっていくことで、雨染みとなってしまいます。
【3:瓦の割れ、ズレ】
瓦はその種類にもよりますが、20年から長いものでは100年は持つといわれています。しかし、それは定期的なメンテナンスをしていることが前提であり、ズレや割れのある状態で何もせずに放置していると、10年もしないで劣化することもありえます。
また、台風、嵐による強風や地震などにより割れてしまったり、ズレてしまったりすると、そこから雨水が侵入し、天井の雨染みにつながってしまいます。
瓦の補修方法
ここまで、軒下、天井の雨染みが起こる原因についてご説明してきました。最後にこれらの補修方法についてご説明します。
まず軒下の雨染みですが、これは正しい工法で施行し直す必要があります。そのため、必ず専門家に依頼することをおすすめします。
次に天井の雨染みですが、これは谷部、流れ壁の場合は、穴があいた部分を補修します。瓦の割れ、ズレの場合は瓦の交換をします。
ただし、これらのことが原因で雨染みができるのは、その下にある防水材が機能しなくなったことが最大の原因です。そのため、穴埋めをしたり、瓦の交換をしたりしても「これで解決」とはなりません。必ず防水材の敷き直しが必要となりますので、これも専門家に依頼するようにしましょう。
軒下や天井の雨染みは、基本的には家を建てて数年で起こることはありません。長年チェックを怠り、放置してしまうことで経年劣化が進み起こるものです。
補修方法を知ることはもちろん重要ですが、それ以前にこうした問題が起きないように定期的なチェック、メンテナンスを欠かさないようにしましょう。