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原田誠

伝統に新しい風を吹き込む「屋根瓦」のプロ

原田誠(はらだまこと) / 職人

株式会社 原田瓦工業

コラム

瓦屋根の工事は、他の屋根工事と比べて高いのか?

2020年1月12日

テーマ:快適な生活送れる瓦屋根住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 屋根修理

日本の伝統的な美しさや耐久性など、さまざまな特徴を持つ瓦屋根ですが、瓦屋根の工事費用はどれくらいかかるのでしょうか?
今回は瓦屋根の工事費用相場についてお話ししていきましょう。

瓦の種類と値段について

瓦にはさまざまな種類があり、その特徴も値段も異なります。

瓦1枚の単価はというと、その平均を考えると約300円~500円だと言えます。高級な瓦になればそれだけ単価も高くなり、工事費用もかかることになります。

そして瓦屋根の工事費の見積もりは、一般的には1㎡単位で、屋根材などの材料費と施工費を合わせて計算されてお客さまに提示されています。

では、各瓦の特徴と費用について見ていきましょう。

【粘土系】
<釉薬瓦>
・価格(1㎡)/約5500円~1万8000円
・耐用年数/約50年~60年
粘土に釉薬を塗って焼き上げた瓦で、瓦の表面にガラス質の層が形成されることで耐水性に優れています。量産性と色の管理が容易なこともポイントです。

<素焼き瓦>
・価格(1㎡)/約5500円~2万円
・耐用年数/約40年~50年
釉薬を塗っていない無釉瓦の種類のひとつです。焼き物本来の自然な風合いを生かした赤瓦で見た目の美しさが特徴です。釉薬を塗っていない分、釉薬瓦と比べると、表面に苔など付きやすく耐久性に劣ります。

<いぶし瓦>
・価格(1㎡)/約8000円~2万3000円
・耐用年数/約50年~60年
素焼き瓦同様に釉薬を塗っていない無釉瓦です。焼き上げた後、さらに燻すことで瓦の表面に炭素の膜を施していて、光沢のある渋い銀色が特徴です。

瓦には形状があり、価格も異なる

瓦には数種類の形状があって、これによっても価格が異なってきます。瓦の形状は屋根瓦の種類や屋根の形などにより、それにいちばん見合った形を選ぶことが多いです。

参考までに形状による価格の違いをご紹介しましょう。

<J形(和瓦)>
・価格(1㎡)/約7000円~1万5000円

<F形(平板瓦)>
・価格(1㎡)/約7000円~1万2000円

<S形(スパニッシュ瓦)>
・価格(1㎡)/約1万円~1万5000円

瓦屋根工事の費用の相場

瓦屋根がいくら耐久性に優れているからといって、全く何もしないでいいわけではありません。瓦屋根は定期的な点検を行い、不具合箇所をいち早く修繕することで、家全体を長持ちさせることができます。

これは、瓦の下に敷くルーフィング(屋根の防水シート)の種類や谷などの板金部分の劣化により、瓦に問題がなくても、雨水等が家の中にまで入り家本体に影響を及ぼす可能性が出てきます。

瓦屋根の耐用年数と屋根全体の耐用年数はイコールではなく異なるもの、ということは覚えておきましょう。

瓦屋根のメリットは1枚ずつの補修ができること

瓦屋根の場合、他の屋根材と違って瓦1枚単位での補修ができます。これによって、修繕費用も安くすることができます。

瓦の修復や交換などで、瓦を数枚交換するだけであれば数万円で済むこともあります。

葺き替えの場合の工事相場

屋根のリフォーム工事は、基本的に「葺き替え」と「葺き直し」があります。

「葺き替え」はすでに敷いてある屋根材などを全面的に取り替える工事で、「葺き直し」は現状の瓦を使用し瓦以外のルーフィングや棟を取り替える工事をすることを言います。

ここでは「葺き替え」を基にした工事相場をご紹介しましょう。
以下は、「葺き替え」の際の単価相場ですが、これは屋根の形状や使用する屋根材などによって変動する、ということを念頭に参考にしてください。

<既存屋根材の撤去と処理>
価格(1㎡)/約1500円~2500円
新しい屋根材を敷くための、古い屋根材の撤去です。撤去した屋根材の処理も価格に含まれることが大半です。

<下地の補修>
価格(1㎡)/約1500円~2500円
3層からなる屋根構造の下地となる部分に破損や傷みがある場合に補修します。

<ルーフィング(屋根の防水シート)>
価格(1㎡)/約500円~1000円
ルーフィングシートの種類によって価格は変わってきますが、あまり低価格のルーフィングシートだと、耐用年数に差が出てくる場合もあります。

<新たに敷く屋根材>
価格/屋根材によって変動
屋根材によって大きく変わります。瓦の場合には、先に紹介した各瓦の価格がかかってきます。

<その他工事費>
価格/内容によって変動
屋根材などだけではなく、棟などが破損していると、修復が必要となります。

<足場の設置>
価格(1㎡)/約500円~1500円
工事内容や屋根材などに関わらず、職人が作業するための足場は必ず必要となります。そのための設置費用は、いわゆる作業費と言えます。

<工事の際の管理費と諸経費>
価格/全体の工事費用の5%~10%
工事全体の諸経費は、施工会社によって変わってきます。
そのために、後からトラブルにならないように、工事前の見積もり段階でしっかりと相談しておくと安心できます。

他屋根材の種類と比較(耐用年数・費用相場)

最後にその他の代表的な屋根材の特徴と費用相場をご紹介しておきましょう。

【スレート】
価格(1㎡)/約3500円~1万6000円
耐用年数/約10年~30年
ごく一般的なシンプルな屋根材です。防火性に優れていて軽量ですが、強度が弱いので約10年~15年を目安に再塗装の必要があります。

【アスファルトシングル】
価格(1㎡)/約3500円~1万2000円
耐用年数/約10年~30年
厚さ約6mmと軽量で、防水シートが仕上げ材なので防水性に優れている屋根材です。メンテナンスは約10年が目安です。

【金属(ガルバリウム・ジンカリウム鋼板)】
価格(1㎡)/約3000円~1万2000円
耐用年数/約10年~30年
ガルバリウムとジンカリウム鋼板は、基本的な素材構成は同じで、耐食性、防食性でサビに強い特徴を持っています。

ジンカリウム鋼板はそれに加えて、自然石のコーティングが程子だれているため防音性、断熱性に優れています。

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