東森資明プロのご紹介
目利き歴40年「審美眼」で古陶磁との出合いをお手伝い(2/3)
「本物だけを見よ」師匠のシンプルな教え
東森さんは祖父の代から続く古美術商の家に生まれました。地元の富山商業高校を卒業後、大阪の大手古美術商に修業に行きました。いわゆる「丁稚奉公」です。父は「偽物は売らない」という人で、「値段が2割以上高くても間違いない物を売る」という商売で信用を得ていきました。東森さんにすぐに跡を継がせず、大阪に修業に行かせたのも、レベルの高い品が集まる広い世界で「審美眼」を鍛えてほしいとの思いからでした。
大阪での修業時代、師匠に連れられ、市場や交換会に毎日のように足を運んだ東森さん。陶磁器だけでなく、書などもたくさん見て勉強しました。師匠の教えはシンプルで「いい物だけを見なさい。本物を見なさい」だけ。住み込みの世界は厳しく、目利きについて手取り足取り教えてくれる世界ではありませんでした。東森さんは「物を見る目は自分で養うしかない」と思い立ち、本物に触れ、書物を読み、先輩に教わるなどして、文字通り、自分で自分の目を磨きました。
修業時代にはある「特技」を身に付けました。師匠が買い付けたものは当時、風呂敷で包んで持ち帰りました。数点の品物をそのまま包んでも、動いて崩れてしまう可能性があったので、風呂敷の上からしっかりと紐を掛けました。今でも風呂敷包みで品物を運べる技術はその時に学んだものです。「今の若い人にはできないでしょうね」と東森さんは笑います。同じ住み込みの仲間や市場で顔見知りになった人とは今でも仕事をする機会があります。情報収集やネットワーク構築などに若かったころの人脈が生きることも少なくありません。
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