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いわゆる「産後うつ」の実態と予防・対処法について

村田晃

村田晃

テーマ:時事解説サイト (JIJICO) 掲載最新記事

- 「産後うつ」の実態と予防・対処法について - と題する私の解説記事が、このたび時事解説サイト
(JIJICO) に掲載されました。

これは、最近の読売新聞に妊産婦の自殺者についての東京23区での調査結果が紹介され、それが
出血などによる死亡数の2倍以上であったなどから、JIJICO編集部からいわゆる「産後うつ」について
の解説を依頼されたものです。

わたしはこの「産後うつ」の問題を、国際的な心理学研究を基に解説しています。
要点は次のとおりです。

➀「産後うつ」を「周産期うつ」ととらえる
まず「産後うつ」という言葉ですが、国際的に広く使用されている診断基準の一つであるDSM-5 
(アメリカ精神医学会)では、妊娠・出産にまたがる「周産期」に発現するうつ(以後「周産期うつ」
と略称)ととらえています。というのはDSM-5によると、いわゆる「産後うつ」の50%はその症状が
妊娠中から発現しているからです。

➁「周産期うつ」とは、うつ病のうち周産期に発現したもの
「周産期うつ」とは普通のうつ病と違う何か特別のうつ病というのではなく、うつ病が時期的に妊娠・
出産にまたがる「周産期」に発現したと、その発現時期に着目したとらえ方がDSM-5の見方です。
したがってその基本症状自体は、「落ち込んだ気分」や「興味・楽しみ感の喪失」を中心とする
一般のうつ病と同様です。ただし、「周産期うつ」には強い不安(不安障害)が伴いやすいことも認め
られています。

➂「周産期うつ」は男性(父親)にも起きる
「周産期うつ」は必ずしも女性(母親)だけでなく、男性(父親)にも起きることが研究で知られています。

➃「周産期うつ」の原因及び危険因子
「周産期うつ」の原因については、出産前後のホルモンの変化の影響など種々の要因が考えられて
いるものの、決定的なことが分からないというのが現在の定説です。

一方、「周産期うつ」に至りやすい危険因子は特定されています。
その中で、特に社会的・心理的要因(人生でのストレスの高い出来事や、妊娠に対する否定的な態度
など) の重要さが挙げられています。

➄「周産期うつ」の予防・対処法
危険因子に対処するものとして、研究は一貫して「周囲のサポートの重要性」を指摘しています。
その前提として、まず当事者である母親・父親が妊娠と出産についてよく知ることが大事と思います。
そして、それに伴い受けられる各種公的サービスや社会資源を知ることで無用な不安が減少する
でしょう。

以下、記事の全文は次のJIJICOのサイトで読めます。
http://jijico.mbp-japan.com/2017/02/23/articles22599.html

村田 晃(心理学博士 PhD University of Denver USA)
      (臨床心理士・富山県スクールカウンセラー)

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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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