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「自分史」を書き換えることによって自分を変える

村田晃

村田晃

テーマ:心理相談・カウンセリング

「自分史」を書き換えることによって自分を変える~について、エフエムいみず(79.3MHz) の
私の番組、「心に元気を!大人のメンタルヘルス」(4月18日水曜)で話しています。

皆さんは自分の過去はもう変えられないとお考えでしょうか。
私の考えは、「変えられない」と「変えられる」の両方です。

まず、「自分の過去は変えられない」というのは、既に起きてしまった出来事自体は、タイム・
マシーンでも出来て過去にさかのぼれない限りどうしようもないということです。

しかし一方で、「自分の過去は変えられる」とも考えます。というのは、既に起きてしまった
出来事そのものは変えられなくても、それをどう「意味づけるかは変えられる」からです。

この考え方は、現実(reality)は予め客観的に存在するのではなく、各人が意味を与えて
初めて存在するという、心理学でいういわゆる構成/構築主義(constructivism)に基づいて
います。

言い換えれば、現実(reality)は一つではなく、それぞれの人が各々の価値観に基づいて
作り上げるだけのものが存在するということです(一つの出来事に対して、人それぞれの
たくさんの現実)。

このような考え方に基づく心理技法が、物語療法(ナラティブ・セラピー)というものです。

物語療法では、過去に起きた事柄で現在も尾を引く心理的な問題に対して、その意味づけや
解釈を変えることによってそれを「実際的/実質的に変えられる」という立場から、心理的な
問題をいろいろな視点から見直すことをします。

例えば、他人や世間の期待ばかりから自分を見ていないか、心理的な問題に囚われその中で
しか自分を見ていないか、などです。

そして、自分の問題が、何あるいは誰に最も影響されて起きているかを自覚します。

次は、心理的問題に関わる今までの解釈・意味づけに代わる新しい自分の物語(ストーリー)を
自分で書く番です。

その際には、既にある古い陳腐な自分の物語(ストーリー)と決別するために、使い古された
言葉でなく新鮮で豊かな言葉で物語(ストーリー)を書くことで対応します。

自分が、自分史(過去に起きた出来事)の「著者」であるという自覚を常に持ち、何時でも
どのようにでもそれを書き換えられるという意識を持つことが大事です。

ちなみに私は、この物語療法の考え方が好きです。なぜなら、自分の過去をその意味づけや
解釈を変えることによって変えられるというのは、過去の束縛から自分を解放することになる
からです。

皆さんはどうお考えですか。

なお、更に詳しい内容はエフエムいみずのインターネットラジオで聴くことができます。
インターネットで聴くには、次にアクセスしてください。
http://www.voiceblog.jp/fmimizu/ バックナンバー第47回

また、この5月・6月に「自分を知るエンカウンター・グループ」を富山県民共生センター サンフォルテで
開催しますので、興味のある方は下記セミナー・イベント情報をご覧ください。
http://mbp-japan.com/toyama/kokorosodan/seminar/346/

心理学博士 (PhD University of Denver USA)
村田 晃




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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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