リスニングの真実/苦手が満点に
◆ショッキングなニュースがマスコミ各社を賑わせています。富山市の現役建設部長が発注公共事業系の犯罪で逮捕された件であります。聞いた瞬間に頭をよぎった言葉は「おぉぉ二課、やったぁ凄い・・」でありました。当館は大卒後の7年間、富山県警本部刑事部に勤務していました。鑑識でありますがお隣は捜査2課、そのお隣が捜査1課であります。何かと行き来、関連はあったのであります。捜査1課は分かりやすい部署であります。強行犯や窃盗でありますので日々忙しそうにしておられます。◆一方、2課は何してんの?て感じでありました。選挙違反や詐欺を取り締まる担当でありますが、そもそも華々しくないではありませぬか(笑)。ちなみに捜1課長は叩き上げのこわもて警視、年の頃は45歳~55歳くらいであります。いかにも脂の乗り切ったという感じでありますが、捜2課長は本庁出向(東京の警察庁から派遣されるキャリア警視)の27歳とかであります。◆はっきり申し上げて見た目は頼りなさ満載であります。たまにニュースに出ると言えば「片田舎の村議会選挙で候補者が有権者に現金を配った件を検挙した」とかであります。昭和における村の選挙なんて無茶苦茶でありました。現金配って捕まらないと思っている方が頭がおかしいです(笑)。◆しかしであります。今回は桁が3桁くらい違います。民間企業で言えば売り上げ300%増レベルの大金星であります。現役公務員の「さんずい」事件であります。(警察用語で汚職系事件を「さんずい」と呼びます)しかも、村役場の担当係長とかではなく県庁所在地の部長であります。おまけに相手は東京の2社であります。村議会選挙の出納担当とは大違いなのであります。加えて一人だけを引っ張って、芋づるで手繰る方式ではなく一挙に3者を同時逮捕であります。◆これらは大変なことなのであります。全ての証拠を揃えて書類を完備しなければなりません。毎日、深夜に及ぶまで捜査会議や打ち合わせや書類の擦り合わせ、書き直しが繰り返されたことは想像に難くありません。無事、逮捕まで漕ぎつけた際には歓喜の叫びや感極まって落涙する捜査員がいても不思議ではありません。それくらいハードルが高いのであります。◆もちろんこれからの取り調べや公判維持へ向けての多くの課題は山積しているのでありましょうが「陽の当たらない2課」の壮挙に元県警本部員として拍手をお送りします~(笑)