マイベストプロ富山

コラム

高岡短大学長さんの驚き/共通テストを読み解く

2022年1月17日

コラムカテゴリ:スクール・習い事

        
当館が大手予備校に勤務していた時代の話です。呉西方面で大学進路系の会合がありました。時期は2月末頃だったと思います。当時、当館は予備校長でしたので招かれて出席していました。会合後に国立高岡短大(当時、今は国立富山大学芸術文化学部)の学長先生が当館に話しかけて来られました。「今年、本学への受験志望者が激増したのですが何故ですか?」「あー、それは簡単なことです。」と以下のような説明をしました。

本年2022年の大学入試共通テストは平均点が50点~60点もの下落となるようです。大幅な難化です。この点について生徒さんや親御さんは大きな誤解をします。

平均が上がった年、つまり簡単になった年は浪人が増えます。
逆に今年のように難化して平均が下がった年は浪人が減ります。

逆に感じませんか?

生徒さんや保護者の方の心理は次のように動きます。
平均が下がった年:
「思ったより取れなかった、もう駄目だ、あきらめて志望校を下げて安全校を受けよう」
平均が上がった年:
「おー やった!こんなに取れたから思い切ってハイレベルの大学を受けてやれ!」

しかし日本中の全員が皆「思ったより悪かった、良かった」のです。自分だけではありません。結果として、皆が安全パイを目指した前者は浪人が減り、皆が無理した後者はボロボロ浪人が出ます。

冒頭の話に戻りますが当時の国立高岡短大は国公立系では最も偏差値の低い大学でした。丁度、その年のセンター試験は平均点が大暴落し騒ぎになっていました。点数の悪化に自信を無くした多くの受験生が安全パイを求めて殺到したのです。ちなみにその年の高岡短大の倍率は史上最高だったやに記憶しています。学長先生は「なーんだ、そういうことか、よく分かりました。本学の取り組みが評価されたわけではないのですね・・」と苦笑なさっていました。

本年のように平均が大幅下落した年は(皆が敬遠しがちな)レベルの高い大学がねらい目です。ことほど左様に入試にはカラクリがあります。素人考えで一喜一憂しないことが大切です。いずれにせよ間もなく詳細なデータが出ますので一件一件、丁寧に数値を当てはめて確認することが肝要です。




道半ば・・
 

この記事を書いたプロ

上野伸彦

英語個別指導のプロ

上野伸彦(英語の以学館)

Share

コラムのテーマ一覧

上野伸彦プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ富山
  3. 富山のスクール・習い事
  4. 富山の英会話教室・スクール・レッスン
  5. 上野伸彦
  6. コラム一覧
  7. 高岡短大学長さんの驚き/共通テストを読み解く

© My Best Pro