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「花開く」

2018年8月20日

コラムカテゴリ:スクール・習い事

  
今般は、ある中学生お二人のことを記してみたいと思います。

1.
当時、中2生だったAさんとの出会いは、お父さんからのメールがきっかけでした。
「読書と歴史は好きだが勉強は大嫌い」
「英語は藁にもすがる気持ちで以学館の門を叩いた」

丁寧にしたためられた御文からは、お子様への暖かな愛情と、間もなく受験学年を迎える我が子への御心配がしひしと伝わってきました。

こうして始まった彼女との学習ですが、すぐに彼女の並々ならぬ才能に気付きました。
現状の達成度と持っている豊かな才能の間に大きな乖離があります。
いわゆるアンダーアチーバー(能力に対する達成度が低い)なのです。

以下は、ひと月後にお父さんにお送りしましたメール(抜粋)です。

持って生まれた豊かな知力に加え、素直に感動する豊かな感受性や前向きに学び取ろうとする姿勢をお持ちです。
理解力も応用力も全く申し分ありません。
また、私の言葉の端々の機微を感じ取って、感心したり笑ったりされていました。
そういう捉え方ができる方はレベルが高いのです。
作業も丁寧で、かつ迅速です。
受験は正確さと作業量の両方を求められますので、その点でも高い対応力をお持ちです。
今までは余り良い思い出のなかった英語かもしれませんが、これからはきっと変わります。
一等最初の基礎からやり直しておりますので一朝一夕に結果が出ることはありません。
しかし、徐々に世界が変わっていきますので、自信と信念を持って頑張って下さい。
ご家庭でも暖かく励まし続けてくださればと思います。

お父さんは戸惑っておられました。にわかには信じられないご様子でした。
しかし同時に、「娘の可能性を信じ、励まし続けようと思っている」とのご返信をいただきました。

それから1年が経ちました。
受験も押し迫った2月に頂いたメールです。
「2学期の通知表では英語の成績がオールA、評定5ということで、ただただ驚くばかりでした。」
そして続く受験でも、高倍率をものともせず、見事、第1志望校に合格されたのです。

逆な見方をすれば、彼女ほどの才能を持った生徒さんが「埋もれてしまっていた」ことが勿体ないことです。
彼女の才能や頑張りもお父さんの細やかな愛情やご配慮も、どちらもが素晴らしい結果への原動力でした。

2.
現在、中2生のB君は本年の2月に入校された新しい生徒さんです。

お母さんからお問い合わせを頂いたのですが、そのメールからはお辛い様子が伝わってきました。
先日の試験では16点しかとれなかったこと、こうなるまで放っておいた親の責任を感じていることなどが記されていました。
私も二人の子の親としてご同情を禁じ得ない思いでした。

こうして彼との学習が始まりました。
彼はゆったりと構えてマイペースです。
一見とらえどころがないようにも見えます。
しかし実際はそうではなく、学問への向学心も興味も持っており、ただ、自省型にじっくりと消化しているだけです。
才能がないのではなく、現状の学習法やペースと合わないのが苦労の要因です。

以下は、しばらくのちにお母さんにお送りしましたメールです。

B君は中々賢いです。
ただ、ペースがゆっくりなだけです。
学問に対する興味も向学心もお持ちです。
人間的な鷹揚さ、懐の深さ、幅広さもあります。
大器晩成型ではありますが、将来楽しみな人材と思います。

こつこつと基礎の基礎からやり直しました。
驚くことが起きました。
4月の休み明けテストで40点を取られたのです。
以前は16点だったのですから大進歩です。
そしてさらに、今般の中間テストは63点でした。
大躍進です。

彼はまだまだこれから先があります。
全ての道のりが順風満帆ということは決してありません。
このあとも、伸びるばかりではなく苦しむ時期も必ず訪れます。
しかしそれでも、「やればできた」という自信を取り戻せたことはかけがえの無い財産です。

AさんやB君のように、せっかく才能がありながらそれを活かす術が分からず苦悶なさっておられる方は少なくないと思います。

諦めてはいけません。
人生はまだ始まったばかりです。





トンネルの向こうには光


   

この記事を書いたプロ

上野伸彦

英語個別指導のプロ

上野伸彦(英語の以学館)

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