古い額の修理
伝「藤原定家 1162年-1241年」修復記録
先日1年越しの修復が完了しました。
藤原定家と言い伝えられる作品の修復に携わらせていただきました。
時代としては800年以上前。
鑑賞できる状態ではない
作品部分だけでなく周りの裂地も傷み掛けて鑑賞できる状態ではありませんでした。
本紙の修復前
裏打紙除去後
以前に施された裏打紙を除去することで以前の修復箇所や欠損部があらわになりました。
欠損箇所には新たに本紙の紙質と近い和紙を埋め馴染むように着色を行います。(補彩)
修復完了
別の古い掛軸に使用されていた裂地を今回の掛軸に使用することで
新しくなりすぎず、作品の時代に合った仕上がりになったと思います。
黒い裂地は数十年前に入手した貴重な古い帯を使用。
軸先は時代が経ち飴色に変化した象牙の軸先。
大変やりがいのあるお仕事をいただき感謝の気持ちでいっぱいです。
引き続き精進して参ります。
同じように古く助かるかわからないというような作品などお持ちでしたら
ぜひ一度ご相談いただければ幸いです。