【複数の借入を一本化するメリット】

中野裕哲

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今回のテーマは、【複数の借入を一本化するメリット】です。前回は、貸出条件変更(リスケジュール)についてでした。基本的にはリスケジュールにより返済額の軽減が図れるものの、リスケジュール期間は新規融資を受けられないといったデメリットもあります。しかし、リスケジュールをしなくても同じように返済額の軽減が図れる方法がありますので紹介します。

通常、以前に借りた融資の返済が残っているうちに、新たに借入をすると返済口数と返済金額がどんどん増えることになってしまいます。そのような状況が続いていくといつかは返済に追われるような資金繰りになってしまいます。ただし、既存の融資を一本化することができると、新規融資を受けながらも返済額を軽減できる方法があります。

例えば、借入残金2,000万円で毎月50万円ずつ返済しているのが一口、借入残金が1,000万円でやはり50万円ずつ返済しているものがもう一口として、両方合わせて月々100万円の返済になっているとします。ここに新たに1,000万円を借入しようとする際に、申込を4,000万円とすることで、以前から借入している3,000万円を新たな借入の4,000万円からいったん返済し、1つの借入とすることができます。
返済は4,000万円÷60回とすると約66万円の返済額になります。あるいは、7年返済の84回返済とすると約48万円まで返済額を減らすことができます。

例)新規融資1,000万円を受けようとした場合

① 2,000万円 毎月返済50万円       (一本化)
② 1,000万円 毎月返済50万円         →  4,000万円 毎月返済約66万円(期間5年)
③ 1,000万円 毎月返済50万円 合計150万円

借入金を一本化したことにより、約84万円の返済額軽減が図れます。また、返済期間をより長くすると大きな効果があります。
※すべてが行えるものではなく、制度上や、設備資金を運転資金に一本化など原則できないものもありますので注意が必要です。

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