同じ型番でもなぜ査定額が数百万円違うのか?
外装だけでなく「内部キャリバー」まで精査する
一般的な査定では、外装の状態(傷・汚れ・磨耗)や付属品の有無を中心に確認します。しかし私が行う鑑定では、それだけでは不十分です。重要なのは、時計の心臓部である「キャリバー(内部機械)」まで精査することです。
特定の年代に、本来とは異なるブランドのムーブメントが搭載されているケースがあります。こうした歴史的経緯を知らないと、外装だけを見て価値を判断してしまい、大きな誤りを犯すことになります。私は内部構造と流通相場の相関性を体感的に学んできた経験から、こうしたポイントを見落とさず価値を正確に把握することができます。
19歳で時計の販売会社に入社し、1日200〜300本ペースで時計を扱うこともありました。真贋の見極め、状態の評価、売買価格の判断――この積み重ねが、現在の鑑定眼の土台になっています。また、修理工房にも出入りし、技術者の仕事を間近で学んだことで、「外観」と「内部構造」の両面から時計を評価できる知見を身につけました。



