ピラティスとヨガの違いを比較(初心者向け)
「ピラティスは体幹を鍛える運動ですよね?」
初めてお会いする方から、よくこのような言葉をかけられます。
確かに、ピラティスには筋肉を使う動きも含まれています。
しかし専門家の立場から見ると、ピラティスを単なる「筋力トレーニングの一種」として捉えてしまうのは、本質とは少し異なると感じています。
実際、2026年に入ってから当スタジオ(ピラティススタジオBB)にも多くの体験の方がいらっしゃっていますが、その多くが「ジムで頑張ったけれど改善しなかった」「ただ鍛えるのではなく、身体を整えたい」という動機をお持ちです。
皆さん、薄々と「筋力だけが問題ではない」と気づき始めているのかもしれません。
結論から申し上げると、本来のピラティスは「脳と神経のトレーニング」、いわば「動きの学習」です。
今回は、なぜピラティスが単なる筋トレではないのか、その理由を専門家の視点で解説します。
ピラティスが誤解されやすい理由
現在、運動や健康に関する情報は非常に多く、
- 体幹を鍛える
- インナーマッスルを強くする
- 姿勢を良くする
といった言葉が、日常的に使われています。
ピラティスも、その流れの中で「鍛える運動」「強くなるためのエクササイズ」として紹介されることが少なくありません。
しかし、本来のピラティスは、筋力そのものを増やすことを第一の目的としたメソッドではありません。
ピラティスの本質は「動きの学習」
ピラティスが目指しているのは、身体を「強くする」ことよりも、「うまく使えるようにする」ことです。
私たちは、
- 立つ
- 座る
- 歩く
- 手を伸ばす
といった日常動作を、無意識のうちに繰り返しています。
ところが、その無意識の動きの中に偏りや癖が積み重なっていくことで、不調や違和感が生じるケースは少なくありません。
例えば、片足に体重をかけて立つ癖や、スマートフォンを見るときの首の角度なども、その一例です。
ピラティスでは、「どの筋肉を、どの順序で、どの程度使っているのか」といった動きの質や協調性に目を向けていきます。
強さよりも「再現性」を大切にする
ピラティスの動きは、一見すると地味に感じられるかもしれません。
大きな負荷をかけたり、限界まで追い込んだりすることは多くありません。
それでも重要なのは、
- 毎回同じように動けるか
- 力まずにコントロールできているか
- 呼吸と動きが連動しているか
といった「再現性」です。
これは、スポーツだけでなく日常生活においても非常に重要な要素です。
一度だけうまくできる動きよりも、無理なく繰り返せる動きのほうが、身体には定着しやすいと考えられています。
日常生活とピラティスの関係
肩こりや腰の違和感を感じたとき、「運動不足だから」「筋力が足りないから」と考える方は多いかもしれません。
しかし実際には、
- 座り方
- 立ち上がり方
- 歩き方
- 呼吸の浅さ
といった、日常の動作や習慣が影響している場合も多く見られます。
ピラティスは、こうした日常動作の土台”を見直すための手段として活用されています。
ピラティスは「何かを足す」運動ではない
私がピラティスを指導する中で感じているのは、ピラティスは「新しい力を足す」運動ではなく、「余計な力を減らす」ための身体教育だということです。
力を入れすぎている部分に気づき、
本来あまり使わなくてよいところを休ませる。
その結果として、動きや姿勢が自然に整っていく。
それが、ピラティスの持つ本来の役割だと考えています。
おわりに
ピラティスは、年齢や運動経験を問わず取り組めるメソッドです。
そしてそれは、「頑張って鍛える」ためではなく、自分の身体を理解し、無理なく使えるようになるための時間でもあります。
もし、運動を続けているのに違和感が残る、あるいは何から始めてよいかわからないと感じている場合、一度「動きそのもの」を見直してみることも、ひとつの選択肢かもしれません。
■ こんな方に知っていただきたい視点
- 筋力トレーニングを続けているのに、腰痛や肩こりが改善しない
- 「力を抜く」という感覚がよく分からない
- 自分の身体の使い方に癖がある気がする




