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【商売のヒント】十割そば

西村恒男

西村恒男

テーマ:商売のヒント

十割そばビジネス


30年近く店舗コーディネーターとして店舗経営に関するアドバイスや
立地開発を行っておりますが、
飲食業、小売業、サービス業など、いろいろな方のご依頼を受けます。
ライブハウスを出店した、仏壇、仏具のお店を出店したい等、
世の中にはいろいろな商売があるわけですが、
私の立場としては店舗の出店に関するご相談ですと
何業であってもリアルな店舗を開いて商売をすることに変わりありませんので
依頼者の業界の事をよく調べたうえでコーディネート業務を行っております。
(社会的な規範に触れる業種を除く)
そんな中でもユニークなご商売をされてる方々をシリーズでご紹介します。

十割そばマシーン

少し昔の話ですが、
通信会社に勤めておられた方が、定年退職だったか、早期退職だったかは覚えていませんが、
転勤先で面白い機械を発見されて
その機械を使った商売をスタートされるというご相談でした。

それは「十割そば」のお店を開くという話でした。
その方は東北地方のある街に転勤した際に十割そばのビジネスを発案されました、
東北地区では盛岡冷麺に代表される歯ごたえのある、弾力のある麵料理が有名です。
元々は朝鮮半島から伝わった麺料理ですが、
その麵の製法に特徴があったのです。

ある厨房メーカーが製作していた麵の成形の機械なのですが、
上部に麵を成型する部分があり、その下に麺のゆで釜が設置されてました。
私が実際、実演を見たのが蕎麦の成形だったのですが、
100%のそば粉を野球のボールぐらいのサイズに練った塊をその機械を投入すると
押し出された麵が下の茹で釜に向かっておりてきて、
それを適当な長さで切り落として麺をゆでるという方式ですが、
生めんをゆでるのでゆで時間が1分とかからないクイックさで
ササっと水で絞めればわずかな時間で提供ができるわけです。
しかも歯ごたえと弾力のある100%そば粉の十割そばがクイックに簡単にできるわけです。
蕎麦打ちはかなり修業を積まないと難しいと聞いてます。
ましてやつなぎの小麦粉を使わない十割そばはかなり熟練の技が必要と聞いてます。
この機械で作った十割そばがどのようなレベルの商品になっているのか判断するために
有名な十割そばのそば打ち名人に試食してもらったそうです。
名人はそば粉に檀両区をつけるために何か混ぜているのではと思い
名人のお店で使っているそば粉を持ち込んで
その機械でそばを作ったのですが、
名人は首をかしげながらも食感には納得して帰られたそうです。

通常、よく見る麺打ちの機械は麺を薄く伸ばして裁断する機会がほとんどですが、
自家製面を作る場合は裁断された麺を1人前ずつ粉を振ってくっつかないようにして
番重に並べていくという仕込み作業が必要なのですが、
この機械(※以後十割そばマシンと表記)はミキサーを使って粉を練る作業は必要なのですが、
1人前ずつのそば粉の塊を作っておくと
注文を受けた段階で十割そばマシンにそば粉の塊を通すと
間違いなく3分以内に“打ち立て”、“ゆでたて“の十割そばがお客様に提供されるわけです。
実際にクイックサービスで鮮度の高い、本格的な十割そばが提供できるので
個人で経営してるような立ち食いそば屋には向いてます。
同じ立ち食いソバでも商品のレベルが高いのであれば、
100%そば粉ですと蕎麦の香りも引き立ちますし、
歯ごたえも違います。(二八蕎麦が良いなど好みによって様々な意見があることは承知してます)
実際に私がよく利用していた立ち食いそば屋も十割そばマシンを使ってまして、
厨房が丸見えのそのお店では十割そばマシンで作っているのが見えますので
注文した商品がどのような工程で出来上がるのかが見えて、ライブ感がありました。
現在はこの十割そばマシンはかなり普及して
蕎麦以外にもうどんやパスタなどにも応用されているようです。

ビジネスヒントに工夫を加える

さて、話を戻しますが、
クイックサービスでライブ感のある蕎麦作りを見せれば、立ち食いそばに向いているのですが、
こちらのオーナーは十割そばの価値を生かした店づくりを行いました。
店舗のロケーションはターミナル駅の駅前商業施設の
レストラン街にコーディネートいたしました。

まず、投資コストを下げるということで
☆天ぷら屋さんの居ぬき店舗に出店しました。
そばはうどんなどに比べて高級感が出せるということで

☆蕎麦居酒屋にいたしました。
100%そば粉の十割そばがワンランク格上にできました。
店舗の周りには国産そば粉の袋を並べ得ました。

☆十割そばを強調
厨房は客席から見えないのでお客様には納得のいく十割そばを提供することによって
熟練のそば職人が蕎麦を売っているイメージを持ってもらいました。
蕎麦作りは当日の気温と湿度によってそば粉と水の配合を表にして厨房に掲示して
アルバイトでも簡単に十割そばを提供できるようにしました。

☆簡単なオペレーションで本格的な十割そばを提供
蕎麦打ちに熟練の技術のいる十割そばの店の場合、高級店が多いがリーズナブルな価格に設定。

☆立ち食いソバより利益率が高く、リピーターが付きやすい。
☆立ち食いソバの立地よりはるかに家賃が安い。

このような工夫をすることによって
この十割そばのお店はランチタイムは勿論のことですが、
ディナータイムも午後5時になると毎日行列ができるような状態でした。
一つのビジネスヒントに
ひとひねりの工夫を凝らすことによって商売は大きく広がっていきます。

ご商売にあったロケーションをリサーチして
最良の形で開業できるように総合的にコーディネーターとしてサポートいたします。
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西村恒男
専門家

西村恒男(店舗開発コンサルタント)

合同会社ネオ・フロンティア

路面店から商業施設まで店舗開発38年の経験をもとに、SC、駅ビルなどの商業施設への出店をサポート。約360店の開発実績あり。エリアマーケティング、出店戦略、店舗デザイン、業態開発など、トータルで対応。

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