騒音計の指示値と測定値は違う
前回までの簡易騒音計のレビューに続き、今回からは簡易騒音計を使った測定方法と騒音の評価方法についてご紹介します。
簡易騒音計の中には演算機能やデータログ機能がない製品も多いですが、そのような機能がなくても騒音を評価することは可能です。
私たち測定業者が使用する騒音計には、演算機能やデータログ機能など様々な機能が搭載されていますが、これは近年のデジタル技術の進歩によるものです。 かつてアナログ騒音計が主流だった時代には、そのような機能はありませんでした。
その当時は「五秒五十回法」と呼ばれ、変動する騒音計の指示値を 5秒間隔で 50回記録する方法を行っていたそうです。
私は当時の経験はありませんが、恩師から聞いた話によると、一人がストップウォッチを見ながら 5秒ごとに相方の肩を叩き、肩を叩かれた人はその瞬間の指示値を読み取っていたそうです。 そのため、「肩たたき法」とも呼ばれていたようです。 揺れる針を読み取り続ける集中力も必要ですが、これを一定間隔に数時間連続して行うのは大変な労力だったと思います。
現在は、スマートフォンなどの動画撮影機能を利用することで、比較的簡単に記録を取ることができます。 この方法であれば、騒音計の指示値を記録しながら同時に音も録音できるので、証拠としても重要な記録になります。
まず大切なのは、記録を取ることです。
次回は、記録のための騒音測定について解説します。