家族について考えたい 日本特有の課題とは
ゴールデンウィーク、帰省して親孝行をする方が多いことと思います。
超高齢化社会を迎え、自ら「終活」を考え、身辺を簡素にしたり必要な手続きをされる方もおられますが、まだまだ先のことと考えたり、うちはたいした資産もないと考えたり、感情面や誤解される恐れなどが妨げとなって、なかなか家族からは言い出しにくいのが現状ではないでしょうか。
そうこうしているうち、もし遺産計画や法的手続きのため、関係機関や金融機関に自ら出向く体力や、契約書や委任状などを読んで十分理解し、署名捺印する判断能力や意思決定能力や意欲が失われてしまった場合、財産や預貯金、借金やローン等の把握も調査も困難を極め、相続がらみの想定外の問題やトラブル、法的手続きの重要性を知らないために多額の課税や損失を被る場合も少なくありません。特に日本では「夫婦のお金」「親子のお金」「家族のお金」とくくり境界線があいまいになった結果、特殊詐欺の被害や高齢者に対する経済的虐待に気づかないまま、何年もの間にかなりの額になっているケースも年々増えているとのことです。たとえ法律を知らなかったとしても違法行為につながってしまう可能性なども考えると、十分前もって遺産計画を立てることには意義も益もあり、家族の認識と協力が欠かせません。
『 あなた方のうちのだれが、塔を建てようと思う場合、まず座って費用を計算し、自分がそれを完成するだけのものを持っているかどうかを調べないでしょうか。 』 -ルカによる福音書 14:28-
五反田 池田山公園
筆者は法律の専門家ではありませんが、父が亡くなった後様々な手続きに苦労した経験から、サンプルを参考に「委任状」や「任意後見契約証書」を作成して(私署証書の認証など詳細は法律の専門家にご相談ください)、いつから誰が何を行い、誰が補佐するか、また管理状況の報告義務や代理権目録を付記し住所氏名日付を明記した上、判断能力も意思決定能力もあるうちから母子で署名捺印しております。また後見人や代理人、受託者は委託者の意思を尊重し、合法的良心的に煩雑な事務処理能力があり、信頼できる人であることが望ましいとされています。(一部説明不足がありましたので、お詫びの上訂正いたします)
後見契約は、事理を弁識する能力が失われた場合に備えますが、判断力や理解力、事理を弁識する能力はあるものの、関係機関や金融機関に出向くことが困難な場合は「委任契約書」や「家族信託契約書」を作成し、本人と家族の意向を取り決め書面にできると知り、親の意向や状況を踏まえ話し合い、各分野の専門家に相談しつつ、有効な書類を段階的に最善のものにするよう心がけています。
みなさまご家族が、ご両親の意向を尊重した上で、介護や資産管理に愛と平和と知恵をもって備え、それぞれの立場でできる最善の親孝行をしてゆけますように。