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進歩を遂げる 音声自動認識の限界と可能性とは

2017年11月18日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:研修・セミナー

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

11月18日土曜午後、東京速記士会研修会第Ⅰ部「裁判所速記官の仕事と『はやとくん』について」第Ⅱ部「ユニバーサル対応アプリUDトーク~音声自動認識によるリアルタイム字幕~」の講演があり、現役プロとしての関心の高さからほぼ満席状態、内容もマニアックで質問も活発でした。

「はやとくん」は、1995年名古屋地裁元速記官・遠藤基資氏が完成させた日本語変換ソフトで、全国の裁判所速記官の98%が使用し、入力機器は米国ステノグラフ社製電子速記タイプライター「ディアマンテ」です。左右対称の20のキーを打鍵する特殊なもので、多くの字幕スーパーのリアルタイム入力もしています。
 一方UDトークアプリは、筆者もiPhoneとiPadにダウンロードして講演をリアルタイム字幕で見ることができました。開発のきっかけは、音声自動認識の第一人者で開発者Shamrock Records株式会社代表取締役青木秀仁氏が、聴覚障害者からの問い合わせで必要を満たすために研究開発に至ったとのことです。さらに、UDトークアプリの5つの特徴を語って下さいました。 ↓はやとくんとUDトークによるリアルタイム字幕
1.音声認識と音声合成で (目や耳の不自由な方との)バリアフリーコミュニケーション
2.多言語翻訳と音声認識でグローバルコミュニケーション (双方向にリアルタイム多言語翻訳と音声認識)
3.ひらがな変換で世代間コミュニケーション (読みがな、ジョークで大阪弁も表示する機能も実装)
4.ウェアラブルデバイスとの連携 様々なイベントへの参加 (メガネ、時計型デバイスのディスプレイ表示)
5.無料アプリ 普段のコミュニケーションで手軽に活用し、初対面から仲良くなるまでを補完

日本語変換は漢字かな混じりで複雑なので日本のソフトやアプリが断然有利とのことです。また人工知能ではなく人工知能技術であること。実際に誤変換も多く、人間による修正がどうしても必要で、仕事がなくなるどころか、むしろ業務は増えるとの予想です。実際に現場取材、録音速記、校閲者が慢性的に不足しており、採用試験がありますが、真剣にお仕事を望まれる方は筆者までご連絡ください。(ただFacebookへのコメントやメッセージ等は予想以上に大量のため、どなたにもお返しできておらず、対応したくてもできかねますので予めご理解頂き、こころからの感謝とともに、深くお詫びいたします。)

コミュニケーションは、動植物も生物も、神経も細胞も内臓も、目的と意図をもってしています。コミュニケーション能力の最たる言語能力をもつのが人間で、言語能力やコミュニケーションの益や価値を認識する者ほど、言葉がよくも悪くも自分や周りに大きな影響を与えることをわきまえています。直接の会話やアプリやツールを通してもその事実は変わりません。それで多くの信頼できるメディアがしているように、UDトークも刺激が強く悪影響を与えるNG的なワードリストを登録して、フィルターをかけているそうです。
 今は野放しにみえる、無責任で悪意あるフェイクニュースや事実をねじ曲げた中傷やネット私刑なども、いずれは法規制や名誉毀損などで刑事告発されてゆくことでしょう。

『 腐ったことばをあなた方の口から出さないようにしなさい。むしろ、必要に応じ、どんなことにせよ築き上げるのに良いことばを出して、聞く人たちに恵みとなるようにしなさい。 』 ーエフェソス人への手紙 4:29

ふだん発信する言葉、字幕、反訳、態度もできる限りNGワードリスト化してこころにフィルターをかけ、周囲の人を不快にさせたり偽ったり尊厳を傷つけることなく、癒やし励まし元気づけるものとなりますように。 

この記事を書いたプロ

星河愛子

女性の心のケアと目標達成を後押しする健康心理士

星河愛子(サテライト合同会社)

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