いじめ・ネットトラブル防止策と バリアフリーの好事例とは
■目覚ましい進化を遂げている人工知能
昨年若手ベンチャー企業から、「ロボットにカウンセリングをさせたいのでお話を伺いたい」とヒアリングを受けました。筆者は「カウンセリングではまだまだ人工知能には負けませんよ」と、簡単なワークを通して、頭脳がもつイメージする力の可能性の一端を体験して頂き、驚かれました。とはいうものの、ここに来ての人工知能の進化には目を見張るものがあります。ここでは、「人工知能(AI)の現状と未来」について、東京速記士会下期研修会での電気通信大学名誉教授本多中二博士による講演から、許可を頂いて解説してみたいと思います。(後日、短いながらよくまとまっているとコメントを頂きました)
■意外に古い人工知能開発の歴史
人工知能(AI)とは人間がもつ知的機能、すなわち推論、連想、学習、認識、判断等の機能をコンピュータなどの機械によって実現しようとする学術的、技術的研究分野で、ダートマス会議で研究の目標や方向性が定められた1956年がAI元年といわれてから進歩を重ね、2012年にはプロ棋士と戦い勝利し、2016年には囲碁で「アルファ碁」が圧勝するまでになりました。
2011年米国の有名なクイズ番組の賞金100万$を獲得し全額慈善事業に寄付した「IBMワトソン」の医療分野での治療・診断システムはがん細胞の発見や遺伝子レベルで貢献し、「シェフ・ワトソン」システムでは味覚に進出し、NHK2015年放映のネクストワールドでは、全く新しい未知のメニューも開発していました。
東大合格をめざして、当面の目標を偏差値60とし、画像理解や英語のリスニングの音声認識を学ぶ国立情報研究所のプロジェクト「東ロボくん」、SoftBank社と仏アルデバラン・ロボット社共同開発の対話ロボット「pepper」は感情認識ヒューマノイドロボットといわれています。発売され、店頭でもよくみかけますね。
他にもはこだて未来大学松原仁教授らによる「作家ですのよ」プロジェクトは、SF作家星新一賞に応募し、第一次審査を通過、受賞はできませんでしたが、2030年には芥川賞・直木賞をめざしています。
Microsoft社と蘭デルフト工科大学共同研究では、「レンブラントの絵画」の特徴を学習させ、3Dプリンターでみごとに再現しました。米AF通信の「企業の決算報告記事」等、AIによる成果が世界中で報道されるにつれ、その進歩に関心が高まっています。
■人工知能は全てにおいて人間を上回るのか
ディープラーニングという、単調でも超速で膨大な回数の非常に優れた学習法で進歩するエキスパート・システムなどに人間が仕事への脅威を感じても不思議ではありません。
ただ、人工知能の研究者ジョーダン・B・ポラック氏自身が、「自然がいかに優れたプログラマーであるか過小評価していた」と認めていますし、科学著述家アイザック・アシモフ氏自身も、「コンピューターが、人間のすばらしい知力に備わっている、直観と創造性に匹敵するようになるとは信じがたい」と述べています。
(オーロラ/国立極地研究所)
筆者自身、人間のこころや脳と知力の関係はとても複雑なので、知れば知るほど頭脳のもつ可能性には限りがなく、人間は地球で最高の生命体と確信し、学びを深めています。
人工知能を開発し学習させる英知や努力が賞賛されるとすれば、頭脳や人体を設計し、愛・知恵・能力・公正という特質や感情、問題解決能力や良心や直観を付与、命そのものを吹き込んだ創造者は存在するし、最も賞賛され感謝に値すると考えています。実際に、専門的に深く学べば学ぶほど神の存在を認め、謙虚にさせられる学者や専門家達は数多くいます。
『 神は人をご自分の像に創造してゆき、神の像にこれを創造された 』 -創世記1章27節-
懸念は、エデンの園で「善悪の知識の木からは食べてはならない」と、善と悪を決める神の権利を侵さないようにとの創造者の命令に背き、人間自ら善悪を判断する道を選んだという聖書の記述です。
神の特質や属性に倣うか、罪深い欲望や誘惑に屈するかは、私達次第です。
2029年には意識をもつといわれる人工知能に、何を学習させ判断させ実行させるのか。人間すら不確かな知力の用い方や、善悪の判断基準を誤って学習させたりしませんように。
2016.12.5 以下メディアでも 同時公開
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