成年後見制度の法改正に向けての最新情報

三枝秀行

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テーマ:相続に関する法改正情報



 成年後見制度は認知症等で判断能力が低下した人を法的に支援する仕組みで判断能力が低下した人の財産管理や契約行為をサポートする制度です。
 後見制度は法定後見と任意後見の2種類があり、法定後見は既に判断能力が低下している場合に家庭裁判所が弁護士や司法書士等の後見人を選任するもので、任意後見は将来に備えて元気なうちに親族等と契約しておいて判断能力が低下した時に親族等がサポートするという違いがあります。
 後見制度を利用するメリットとして財産の使い込みや詐欺被害の防止をすることや法律行為を安全に行なうことができますが、デメリットは一度開始すると原則として止めることができないことや後見人への報酬が継続的にかかることになり柔軟な資産運用ができないことが挙げられます。
 法務省の法制審議会の部会では令和6年4月の発足以降、現行の成年後見制度の問題点をピック
アップして使いやすい成年後見制度を検討してきましたが、令和8年1月27日の法務省の法制審議
会(成年後見制度等関係)部会において民法(成年後見等関係)等の改正に関する要綱案が取り纏められたのです。
 法制審議会の部会で取り纏めた法定後見制度の見直しの概要は以下の図表の通りですが、法定
後見が必要な時に必要なことだけを利用する制度改正になれば後見制度は利用しやすくなること
でしょう。



 後見制度は認知症等で判断能力が低下した人を支援する制度ですが、現行の制度では利用を開始すると原則として途中で止めることができないので、後見制度を利用したいと考えても躊躇してしまうのではないでしょうか。
 改正される後見制度は必要性がなくなったと家庭裁判所が判断すれば終了することができることからも後見制度が使いやすくなると期待されます。
 また、現行の法定後見での弁護士や司法書士の専門職への報酬は月額20,000円~50,000円で平均は約32,000円ですが、1年で384,000円、5年で1,920,000円、10年では3,840,000円もの費用が発生します。
法定後見は平均で7~8年間は続きますので、7年間の報酬を単純に計算しても2,700,000円前後の費用がかかることになります。
法定後見の利用が伸びない主な理由は後見人報酬が継続的に発生するために一度開始するとやめられないことは法制審議会でも「現行法の制度の利用者において法定後見制度の利用をやめたいという希望があればやめられるようにすることが必要である」とする意見が出ているようにこのことが問題視されているのは間違いありません。
 なお、その一方で認知症等の対策として後見制度と比較・検討されるのが家族信託(民事信託)です。
 家族信託は認知症等で判断能力が低下した場合に備えて信頼できる家族に不動産や現預金の財産管理を託すことです。
何も対策をしないまま認知症になると預金の引き出しができないことや 自分の所有の不動産の売却等の法律行為ができなくなりさらには相続や贈与の対策をすることも難しくなります。
家族信託は公正証書で信託契約書を作成し、分別した銀行口座で管理する ことにより初期費用は後見制度に比較すると高額になるかもしれませんが、後見人の報酬のようなランニングコストもかかりませんので、信頼できるご家族にご自身の財産管理を任せることができます。
 弊社では一般社団法人家族信託普及協会で家族信託コーディネーターとして家族信託のご相談を承っておりますが、最近では高齢の親御様の認知症等による財産管理をご子息の方が心配してのご相談が増えています。
 一概に後見制度と家族信託を比較してどちらが良いかの判断は難しいですが、ご家族で認知症等による財産管理を懸念されている場合には家族信託の初回相談も無料で行っておりますので、弊社へお気軽にご相談ください。
弊社へのお問い合わせは一般社団法人家族信託普及協会のウェブサイト又はマイベストプロ東京の仕事の依頼・相談からアクセスできますので、ご連絡をお待ちしております。

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三枝秀行
専門家

三枝秀行(相続コンサルタント)

株式会社三枝エステート

相続に備えての事前対策と相続発生後の相続手続をサポートします認知症等のリスクによる家族信託、遺言書の作成、不動産の有効活用と賃貸経営全般をサポートします

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