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相続・贈与に関する税制改正の最新動向・・・・・Vol.4

三枝秀行

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テーマ:相続税・贈与税関連

前回の9月22日のコラムで政府の税制調査会が相続税や贈与税のあり方を
議論する専門家会合を設置した経緯をお伝えしましたが、去る10月21日に
第2回目の税制調査会の専門家会合が開催されました。
専門家会合では財務省から72ページに及ぶ説明資料が提出されましたが、
資料は次の3つの内容に分類されています。
① 相続時精算課税制度
② 暦年課税による相続前の贈与の加算
③ 贈与税の非課税措置
10月21日の専門家会合では説明資料を基に活発な議論があったことが想定
されますが、現段階では意見交換の場で最終的な結論には至っていないと
思われます。
というのも税制改正のポイントが生前贈与にかかる税制の見直しであること
に間違いないので、暦年課税で死亡前3年以内の贈与が相続税の対象として
加算されることや贈与の精算課税制度の運用についても変更される可能性が
高いのではないかと説明資料から読み取ることができます。
これは令和3年度の税制改正大綱で「資産移転の時期の選択に中立的な相続税・
贈与税に向けた検討」との観点から現状の日本の暦年課税の制度を諸外国と
比較した場合、イギリスが過去7年、ドイツが過去10年、フランスが過去15年、
アメリカは一生に亘って相続財産としていることに対し、現行の日本の制度が
過去3年では期間が短く資産の移転が難しいのも事実です。
諸外国と足並みを合わせるならば日本の制度も過去5年から過去10年程度に
遡って暦年贈与を相続財産に加算する可能性は極めて高いでしょう。
また、相続時精算課税制度は平成15年に創設されましたが、暦年課税と比較
して利用されていないことが問題となっています。
近年の利用実績では暦年課税が約36万4千件に対して精算課税は約4万件と極端
に少ないことから精算課税制度も変更になる可能性が高いと思います。
年代別金融資産残高の図表が説明資料にあるのですが、この20年間で60歳以上
の保有割合が約1.5倍に増加していることや個人金融資産約1,900兆円のうち60歳
以上が65%の約1,200兆円の資産を保有していることからも現在の超高齢化社会
が資産の移転を妨げている要因の一つでしょう。
尚、財務省の説明資料は、内閣府のホームページで公開していますので、詳細を
知りたい方は、税制調査会の第2回相続税・贈与税に関する専門家会合会議資料
(2022年10月21日)資料一覧より [相2-1]資産移転の時期の選択に、より中立的
な税制の構築.pdfを参照して下さい。

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三枝秀行(相続コンサルタント)

株式会社三枝エステート

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