遺言書作成のキーポイントとなる『付言事項』とは?
皆様 こんにちは
前回のコラムは本年7月1日に施行された改正相続法の内容でしたが、法律の解釈は難しい点も多かったと思いますので、今回は視点を変えて日本の相続税の高額納税者について調べてみました。
さてここで問題ですが、今まで相続税を最も多く納めたのは誰の相続でしょう?
これを聞いて多くの方が連想するのは経営の神様と崇められた松下電気産業創業者の松下幸之助氏だと思いますが違います。
相続税を一番多く納税したのは社名を名字から取ったStone(石)とBridge(橋)で世界的タイヤメーカーの株式会社ブリヂストン創業者石橋正二郎氏の長男でブリヂストン二代目社長の石橋幹一郎氏が1997年6月に77歳で亡くなった時の遺産総額が約1,646億円で何とその相続の納税額は約1,135億円でした。
従いまして正解はブリヂストン二代目社長の石橋幹一郎氏の相続で納税額は約1,135億円です。
ちなみにこの相続時の相続人は子供3人でブリヂストンとその関連企業の株式を売却して納税資金を調達したようですが、相続税額が1千億円超ともなれば一般庶民の感覚からすると桁違いの凄さですから羨ましいというよりは唯々唖然とするばかりですね!!
また、記録に残っている日本の史上最高額の遺産を残したのは、松下幸之助氏で1989年4月に94歳で亡くなった時の遺産総額は何と約2,450億円です。
この遺産はほぼパナソニックとそのグループ会社の株式でしたが、相続人は妻を含めた合計7人で約854億円を納税したようです。
この松下幸之助氏の相続時の納税額の854億円はランキングではベスト2に入ります。
ここでまた問題ですが、遺産2,450億円で納税額が854億の松下幸之助氏の相続と比較して石橋幹一郎氏の遺産額が1,646億円と800億円以上も少ないにもかかわらず納税額が281億円超の1,135億円にも上っているのは何故でしょう?
本来、史上最高の遺産を残した松下家の相続税がランキングトップにならないのは不思議なことですよね。
これは松下家の相続は奥様が「配偶者の税率軽減の特例」で配偶者控除を受けることができ遺産の法定相続分の約50%が適用されたことにより納税額は軽減されましたが、その一方で石橋家の相続は「配偶者の税率軽減の特例」が受けられなかったために必然的に納税額も多額になったという訳です。
まさに松下幸之助氏の相続は相続税法上の配偶者の税額控除を最大限に活用した事例となるのです。
配偶者の税率軽減の特例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/.../4158.htm
このように史上最高の遺産を残した人物と史上最高の相続税を納めた人物を知っていることだけでも面白いですよね。
次に高額納税者公示制度から相続税高額納税者ランキングを見ていきましょう。
以前、日本では高額納税者公示制度により数千万円から数億円単位の高額納税者の氏名と申告所得額や納税額が公表されていた時代がありましたので、この高額納税者公示制度を基にランキングしましたが、個人情報保護法が2006年に施行されたことや犯罪抑止の観点からこの高額納税者公示制度は2006年に廃止されたので、以降の相続税額の適正なデータがないこともあり正確なランキングにはならないかもしれませんが、参考にしていただければと思います。
第1位 株式会社ブリヂストン 石橋幹一郎氏(創業者石橋正二郎氏の長 男)相続
相続税額 約1,135億円
第2位 パナソニック株式会社 松下幸之助氏(松下電器産業創業者)相続
相続税額 約 854億円
第3位 プロミス 神内英樹氏(元副社長)相続
相続税額 約 540億円
第4位 武田薬品工業株式会社 武田繁子氏(元社長の母)相続
相続税額 約 240億円
第5位 ソニー株式会社 盛田昭夫氏(ソニー創業者)相続
相続税額 約 130億円
以上が相続税納付のランキングベスト5となります。
相続税が増税されてまもなく4年が経過しますが、相続は早めの対策が必要だと思いますので、皆様も資産の棚卸し等の準備を進めてみませんか・・・