アパート経営者が民泊を行うために注意する点はなに?
【当記事の概要】
訪日外国人の増加にともなって、民泊の需要が高まっています。こうした流れを受けて、遊休不動産を民泊に転用する人も増えています。
民泊は、新たな不動産投資として、日本人投資家や不動産オーナーだけでなく、海外の投資家なども熱い視線を送っています。すでに東京などでは、民泊用の物件を購入する外国人投資家も現れています。
今回は民泊投資の現状について、お伝えしてます。
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民泊経営の3つのスタイル
民泊の経営スタイルを大きくわけると、次の3つに分けることができます。
(1)オーナー・ホスト型
(2)オーナー・転貸型
(3)賃貸ホスト型
ここでは、それぞれのタイプを紹介していきましょう。
(1)オーナー・ホスト型(所有or購入・自ら運営)
すでに物件を所有している、あるいは新たに物件を購入した人が、民泊用の宿泊施設にリフォームなどを施し、自らが民泊を運営するスタイルです。
開業の手間やリスクを負う反面、営業の利益は全て自分のものにできます。このスタイルが最もわかりやすいものでしょう。
(2)オーナー・転貸型(所有者が民泊業者に賃貸する)
これは物件オーナー(所有者)が、民泊のホスト(事業者)になりたい個人や法人に物件を貸し出すというスタイルです。
最近は、民泊ホストを行いたいという個人や法人が増えています。そこで、オーナーは民泊施設の運営を他人に委ねて、家賃収入を得るというスタイルです。
(3)賃貸ホスト型(借りて、自ら運営)
これは、自らが物件のオーナー(所有者)になるのではなく、オーナーから転貸許可物件を借りて民泊を経営するスタイルです。
ホスト(事業者)は自分自身で物件を購入しないため、初期投資は安くて済みますが、賃料を払う必要があるため、ホスト側の利益は少なくなります。
民泊運営をする際は、まずは物件の所在地の用途地域の確認を
では、実際に民泊を運営するにあたって、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。
最初に確認すべきことは、用途地域です。都市計画法において、市街地などは下記の13の用途が設定されています。
住居系
「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」
「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」
「第一種住居地域」「第二種住居地域」
「準住居地域」「田園住居地域」
商業系
「近隣商業地域」「商業地域」
工業系
「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」
上記のうち、旅館業許可が可能な用途地域は
「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」の6つでしか営業ができませんので注意してください。民泊新法による届出の場合では、住居専用地域(第一種住居専用地域、第一種中高層住居専用地域など)では、各自治体による上乗せ条例により、週末しか宿泊できないなどの制限が課されている場合があるので注意が必要です。
建物の用途変更も重要なポイント
次に建物の用途変更を行う必要があります。基本的には、建築基準法に基づく「用途変更」を行わなければ旅館業の許可を取得できません(小規模の物件については、建築確認申請を免除されるケースもあります)。そのためには、排煙設備や非常階段、廊下の幅などの基準を満たす必要があります。このあたりが、リノベーション工事などの価格に大きく影響してきます。
この2点をクリアして、初めて旅館業の許可を取得できます。そのため、開業当初の煩わしさを避けるため、賃貸ホスト型を希望する人も多くいます。
一方で初期投資のリスクは高いものの、オーナー・ホスト型は、民泊による収益をすべて手にできるというメリットもあります。
どういうスタイルで運営するかによって、どの程度のリスクを負い、どの程度のリターンを得るのかを考えて、民泊運営のスタイルを判断する必要があります。
旅館業法ではなく住宅宿泊事業法(民泊新法)により運営する方法
こうした旅館業法の許可を取得する方法のほかに、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法に基づいて民泊を運営するという方法もあります。
こちらは、「許可」ではなく、「届出」で開業できるので民泊開業のハードルが下がります。ただ、営業日数が年間180日までと決められているので、収益化は難しくなっています。もし、180日だけの経営で採算が合わない場合は、残る日数をマンスリーマンションとして営業するか、短期賃借の留学生を受け入れるなど別の方策を考えないといけません。
ただ、別に体験プランを提供するなどして収益の補完ができるならば、民泊新法を活用した届け出による開業のハードルの低さは魅力です。
どういった点を重視し、民泊をどういったスタイルで運営するかを考えて、収益化までをスキーム化(計画)したうえで、民泊事業の採算性を判断することが必要です。
民泊投資のメリット、デメリット
訪日外国人の数は毎年、その数を更新しています。そのため、都市部ではホテルの部屋数が不足気味になっています。
東京では普通のビジネスホテルでも、1泊2万円近くになることも珍しくありません。価格が高騰していることもあり、宿泊施設の不足は大きな問題になっています。そのため、民泊を利用する訪日外国人が増えているのが現状です。
この状況は民泊事業を行う上では大きなメリットです。さらに、民泊は日本人旅行客にも広がっていくことが予想されます。
一方で、現在、東京や大阪、京都などの大都市を中心にホテルの新規建設が相次いでいます。これにより、将来的に客室過多になることも懸念されます。そのため、ゆくゆくはホテルが民泊の強力なライバルとして立ちはだかってくる可能性があります。次第にホテルと民泊の境界線が曖昧になっていくかもしれませんね。
そのような状況の中で民泊事業を続けるためには、ただ空き家・空き室を貸すだけではなく、利用者がその民泊を利用したくなるような「売り」「強み」を打ち出すなど、戦略的な運営が民泊事業にも必要になってきます。
民泊は追い風が吹いていますが、勢いで始めても継続が難しいことは他の事業と同じです。
民泊の運営にあたって、どのようなスタイルを選択し、どのような運営スキームを確立していくかをよく考えて事業展開を行ってください。