出社回帰で転職を検討?「会計事務所や監査法人のリモート勤務に関する実態調査」から見えた会計人材の本音

吉岡美香

吉岡美香

こんにちは。公認会計士・税理士など会計人材に特化した転職エージェント「レックスアドバイザーズ」のコンサルタント・吉岡です。

コロナ禍を機に、在宅勤務・リモートワークが急速に普及しましたが、昨今では大手企業を中心に「出社回帰」の動きも見られます。では、会計事務所や監査法人の現場では、現在どのような勤務スタイルが主流になっているのでしょうか?

今回は、会計事務所で働く740名と監査法人で働く269名を対象に、「会計事務所や監査法人のリモート勤務に関する実態調査」を実施。その結果をもとに、最新のリモート勤務事情と、それが会計人材の転職意向にどのような影響を与えているのかを解説します。

会計事務所におけるリモート勤務の実態

調査結果によると、会計事務所ではリモート勤務について「週1~2日利用可能」が31%、「週3~4日利用可能」が40%、「フルリモートが可能」は9%となりました。多くの事務所がリモート利用可能な一方で、「原則禁止」の事務所も20%存在しています。

また過去1年でリモート勤務の頻度が変化したかどうか調査したところ、リモート頻度が増えた事務所が6割、減った事務所が4割で、減った中でも原則禁止になった事務所が10%強あることも判明。とはいえ、全体としてはリモートを拡大する動きがやや優勢のようです。


監査法人におけるリモート勤務の実態

監査法人では、リモート勤務について「週1~2日利用可能」が39%、「週3~4日利用可能」が39%、「フルリモートが可能」は8%となりました。会計事務所と同様に、多くの監査法人でリモート勤務が可能な一方、「原則禁止」の法人も13%存在しています。

過去1年におけるリモート勤務の頻度変化については、リモート頻度が増えた法人が6割弱、減った法人が4割強となっており、減った中で原則禁止になった法人は10%強でした。グラフを見ると監査法人では、「リモート拡大派」と「出社回帰派」が二分する形となっています。



管理職ほどネガティブ?「出社回帰」に対する本音

今回の調査で非常に興味深いのは、世間で進む「出社回帰」の流れに対する働く側の反応です。仮にリモートが減り、出社頻度が増えた場合、「転職を検討する(可能性含む)」と回答した割合は、会計事務所・監査法人の双方で非常に高い水準となりました。

まず会計事務所では、出社回帰をネガティブに捉える割合が管理職で85%、スタッフ職で73%という結果に。管理職・スタッフ職とも出社回帰をネガティブに捉えていますが、管理職のほうがより「出社したくない」という思いが強いようです。実際に管理職では、「出社頻度が増えたら転職を検討する」と答えた人は、54%と高い割合になっています。


一方、監査法人では、出社回帰をネガティブに捉える割合が管理職で89%、スタッフ職で54%という結果になりました。会計事務所以上に、管理職とスタッフ職の差が大きくなっていることがわかります。なお、管理職で実際に「出社頻度が増えたら転職を検討する」と答えた人は51%です。


会計事務所でも監査法人でも、若手スタッフ層よりも組織の中核である「管理職(マネージャー層)」の方が、出社強制に対して強い抵抗感を示しているというのは意外な事実でしょう。これは、育児・介護との両立や、効率的なチームマネジメントを重視するベテラン層ほど、リモートワークの柔軟性を不可欠と捉えている証拠と言えます。

採用成功の鍵は「働き方の柔軟性」

コンサルタントとして多くの会計人材の面談を行っている立場からお話しすると、この調査結果は現在の転職市場の実態を的確に映し出しています。

現在、優秀な公認会計士や税理士の多くが、求人を見る際に「年収」や「業務内容」と並んで「在宅勤務の可否・頻度」を重要視しており、「フル出社」を必須条件とする事務所は、それだけで応募数の獲得が難しくなっているのです。

また「リモート制度あり」と求人に記載されていても、「試用期間中は不可」「繁忙期のみ不可」「週1日のみ」など、運用ルールは組織によってさまざま。求職者側は、ご自身の希望する働き方(フルリモート、ハイブリッド型など)と、求人側の実情にミスマッチがないか事前に把握することが、転職成功の重要ポイントです。

リモート勤務減少で不満を感じたらご相談ください

リモート勤務の維持・拡大は、単なる福利厚生ではなく、今や「優秀な会計人材を引き止め、獲得するための重要な採用戦略」へと変化しています。

「現在の職場が出社前提に戻ってしまい、ワークライフバランスが崩れてしまった」「リモート環境が整った職場で、効率的にキャリアを積みたい」とお考えの公認会計士・税理士の方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

各事務所・法人の「実際の在宅勤務運用ルール」を踏まえたうえで、あなたに最適な求人をご提案いたします。


【調査概要】
調査タイトル:会計事務所や監査法人のリモート勤務に関する実態調査
調査対象:PRISMA社のリサーチパネルより現在会計事務所や監査法人で働いている方
有効回答数:1,009サンプル(会計事務所勤務者740サンプル、監査法人勤務者269サンプル)
調査地域:全国
調査方法:アンケートリサーチ
調査期間:2026年5月22日~5月25日
実施機関:株式会社PRISMA

・参照サイト:株式会社レックスアドバイザーズ「会計事務所や監査法人のリモート勤務に関する実態調査

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吉岡美香
専門家

吉岡美香(人材紹介コンサルタント)

株式会社レックスアドバイザーズ

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