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緒方リサコ

幸せなパートナーシップを築ける自分をつくるカウンセラー

緒方リサコ(おがたりさこ) / 夫婦カウンセラー

ピリアロハカウンセリング

コラム

ストレス・不満を感じる子どもとの関係改善へ

2019年11月6日 公開 / 2023年1月31日更新

テーマ:夫婦カウンセリング事例

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 子育て悩み相談退職 手続き

ストレス・不満を感じる子どもとの関係改善へ
【夫に対するイライラのせいなのか、子どもに対してもイライラしてしまいます。】
(東京都 Aさん[40歳])

こんにちは、夫婦カウンセラーの緒方リサコです。

前回に引き続き、「イライラ」に関するAさんのお話。

今回は、親子間のコミュニケーションを悪化させてしまう恐れのあるお子さんの【トラウマ】についてです。

Aさんは4年前、当時1才のお子さんと共に子連れ再婚されています。

最近ではご主人に多大なストレスを感じていたAさん。

前回(コラム:ストレス・不満を感じる夫との関係改善へ)、ご主人とのより良いパートナーシップを築くため大きな第一歩を踏み出されたAさんでしたが、もうひとつ気に掛けなければいけない問題がありました。

それは子どもに対してもイライラしてしまうことがあり、一度怒ってしまうと気持ちの切り替えができないことです。

子育てをしていく中で、叱ることは必要なことです。

しかし問題は、叱った後のフォローができているかどうか。

Aさんのようにずっと怒ったままでは、《なぜ叱られたのか》を小さな子どもに理解させるのが難しくなってしまいます。

それどころか叱られたことがトラウマになり、親子関係を悪化させる恐れさえあるのです。

ここで少しだけ【トラウマ】についてお話しましょう。

ピリアロハカウンセリングでは、トラウマの定義を以下のように捉えています。

《人の行動を規制するもの》
《人が自分らしく生きることを阻むもの》

では、どのような事が子どものトラウマになるのでしょうか?

例えば…

・バカにしたような言葉で叱る
・自身の価値観を押し付ける
・無理に命令に従わせる
・失敗させないようにする

など

普段の何気ない親の態度や言動は、子どもの人格形成に大きく影響します。

特にまだ自我が成長していない幼いお子さんの場合は、母親の影響力は大きいでしょう。

実は今回、お悩みを抱えているAさん自身もトラウマの影響を受けている可能性が…。

しかし当初は、Aさん自身がトラウマを認識していませんでした。

イライラに対する根本的な解決として、Aさん自身のトラウマ問題を改善させることも重要ですが、現状を考えるとお子さんとの関係が最優先です。

そこでまずは、Aさんとお子さんの関係を詳しく伺ってみました。

Aさんは数か月前まで就業していましたが、現在は専業主婦をされています。

在職当時は、ベビーシッターさんを雇うなどして働かれていました。

キャリアアップのため仕事を続けてきましたが、仕事量やストレスが膨大に。

お子さんとの時間がとれなくなったため、退職されたといいます。

仕事によるストレスや家庭のことを考え、退職を選んだはずでしたが、最近では家庭内でイライラすることが増えてしまったAさん。

Aさん
「最近は、子どもに対してもイライラしてしまい、辛く当たってしまいます。子どもは、元夫に似ているのか、かなりマイペースな子で…そのマイペースな部分が出てくると、私はイライラが抑えられません。」

カウンセラー緒方
「このままの親子関係が続いてしまうとお子さんにトラウマを与えてしまう恐れがありますよ。」

Aさんは、この一言にハッとされました。

カウンセラー緒方
「一番身近な母親の存在は、子どもに影響しやすいの。Aさん自身にも小さい頃の記憶として、思い当たるようなことはないかしら?」

Aさん
「子どもの頃、ピアノ教室をしている母から、『ママは先生なのだから、Aちゃんはいい子でいてくれなきゃ困る』と言われた記憶があります。それに、母の口癖は『早くしなさい』でした。」

カウンセラー緒方
「同様に今のAさんの態度や言葉が、お子さんの記憶に残る可能性があるの。」

ご自身がお子さんにしてしまっている態度や言動がお子さんのトラウマになってしまうということに気づき、ショックが大きかったようです。

カウンセラー緒方
「これから対処できれば大丈夫。今のうちに気付けたことはラッキーなことなのよ。」

とお話しすると、Aさんはホッとされていました。

全ての物事には見方があり、イライラしてしまう物事でも視点をほんの少し変えるだけで全く違った見方ができます。

例えば、子どもに「そのコップを『こぼさないように』持ってきて」と言った場合、こぼすことに焦点がいってしまいます。

そういう時ほどこぼしてしまい、『こぼさないように』と言ったのに〜とイライラしませんか?

では、「そのコップを『気をつけて』持ってきて」と言った場合、受ける印象はどうでしょうか?

例えこぼしてしまったとしても、『子どもなりに気をつけていた』となればイライラも抑えられませんか?

否定的なものの言い方をした場合、その言葉の裏では《それをしなさい》という意味を伝えたのと同じになります。

私たちの体は自分の思考に一瞬で左右されるものだと認識し、肯定的な思考を持つことが大切なのです。

イライラの起因は外にあるとしても、それに対する根本的な原因は自分の中にあるということをまずは冷静に心を落ち着かせて理解しなければなりません。

《心を落ち着かせて自分の存在を100%「ここ」にいさせる》

これをセンタリングといいます。

Aさんにはこの【センタリング】を実際に体験してもらいました。

肯定的・否定的な言葉によってセンタリングが変化することも体感できたようです。

センタリングを体験したAさんは、『ちょっと意識を変えるだけでこんなにも冷静になれるなんて』と驚かれました。

心を落ち着かせた状態だと《怒り》をイメージしても怒れないことも実感できたようです。

ただ、とっさにできるかどうかは不安と仰っていましたが、日々のトレーニングを重ねればできるようになります。

―センタリング体験から数日後、Aさんから以下のような報告がありました。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

・この1週間一度も子どもを叱らずに済んだ。結果、子どものおねしょもなくなった。

・子どもにも《説得》ではなく、時間をかけてでも《納得》させると自ら動くようになってきた。

など

ーーーーーーーーーーーーーーーー

お子さんに対するイライラは減少し、良い方向へと向かっているようです。

今後もカウンセリングを継続し、少しずつ意識を変えていくことで徐々にAさんの心のバランスを整えてストレス全体が軽減されていくことと思います。

ストレス・不満を感じる夫との関係改善へ

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合わせてご参考ください。

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