「社員を壊す」経営者
配偶者の年収に関して
よく耳にするいくつかの「壁」
みなさんは
すらすらと答えられますか?
“この手の話”を
立て続けに質問されたので
今日はその辺のところを
コラムにしてみたい
6つの壁
①100万円の壁(A)
住民税の納付義務発生
②103万円の壁(A)
所得税の納付義務発生
③106万円の壁(B)
社会保険料の納付義務発生 [*注 ]
④130万円の壁(B)
社会保険料の納付義務発生
⑤150万円の壁(C)
配偶者特別控除が減り始める
⑥201万円の壁(C)
配偶者特別控除が「ゼロ」になる
*注(以下4つの項目に全て該当する際)
□従業員数501人以上
(10月から101人以上)
(24年からは51人以上)
□週20時間以上勤務
□雇用が1年以上
□学生ではない
複数の壁やばらけた数字(金額)で
混乱するところだが
(A)税金に関する壁
(B)社会保険に関する壁
(C)配偶者控除に関する壁
といった3段階のフェーズなんだと
いったん整理
社会保険のメリデメ
「扶養の範囲で働きたいので・・・」
といったフレーズには
《A:税制上の扶養》or《B:社会保険上の扶養》
といった二つの側面がある訳だが
税制上のデメリットは小さいため
一般的には社会保険料の負担といった
③or④を超えるか否かがある意味論点(かと)
ザックリ示すと
◇105万円/年だと社会保険料負担:0円
◇110万円/年だと社会保険料負担 ≒16万円
→年収が5万円増えても
実質手取は94万円(マイナス11万円)
故に社会保険料負担が発生する手前で
収入を抑えたいという考え方に
何ら問題は見受けられない
厄介なのは『長生きリスク』だ
上記の事例を50歳女性に置き換えてみよう
(年収:110万円で50歳~60歳まで働く)
・デメリット⇒「ー11万円」×10年間=▲110万円
・メリット⇒「+6万円/年の年金受給」(65歳~終身)
→83歳時点でプラスに転じる
→社保負担による保障の充実もある
(傷病手当/遺族年金/障害年金等)
さらに大きく壁を越えてみると
◇年収160万円だと社会保険料負担は≒30万円
⇒よって実質手取額+25万円(←年収105万円との対比)
⇒老齢年金受給額:8.8万円/年(65歳~終身)
このケースで女性の平均寿命:87歳にフォーカス
・増えた手取額:250万円(+25万円×10年間)
・87歳時点での年金受給額:193万円
⇒都合:443万円(壁を越えないよりも増)
働きがい
厄介なのは「いつ死ぬか」だ
しかも「必ず死ぬ」という点だ
机上でプラスマイナスを
検証したところで
正解には辿り着かない
「いま」の得・・・
「老後」の安心・・・
ただ言えるのは
「壁を超えると損」と決めつけないこと
「働きがい」や「働き方」の選択肢を
狭めないように気を付けること
世の中のルールも
職場の環境(状況)も変化するということ
どうやら
多面的に最適解を探す以外に方法はなく
柔軟に対応していくしかないということだ
アリとキリギリス
コツコツ働いて
未来に備えた「アリ」の生き方に
その教えと重要性を説いている
・・・のは誰もが知るところ
でもこの話
欧米での解釈は真逆(らしい)
やりたいことも我慢して
コツコツ働いて蓄財するだけの生きざま
⇒「アリ」よりも
例え野たれ死のうとも
唄いたい歌を歌い
やりたいことをやって
思い切り生きた
⇒「キリギリス」こそ
素敵な生き方(と解釈)
この寓話同様
【○○円の壁】に潜む根本は
「どうありたいか」という軸の持ち方次第
・・・なんでしょうね
寓話たち・・
寿命も社会のルールも企業の在り方も・・・
様変わりしているにもかかわらず
古き良き時代の名残のまま
現在(現代)に無理やり数字だけ併せて
体裁を整えていることに
チョイチョイ出くわす
「アリとキリギリス」も
「ウサギとカメ」も
「北風と太陽」も・・・
正しいと思っていた教え
正しいと思っていた考え方の真逆も・・・
どうやら検証しないと
厳しい世の中の到来なのかもしれませんね
いったい
いくつまで生きるのやら・・・
_234_