「社員を壊す」経営者
飲食店のお手伝いをすることがある
そしてどの飲食店経営においても
肝と言われているのが
「FLコスト」の重要性についてだ
FoodとLabor
FとはFood(食材費)
LとはLabor(人件費)
つまりFLコストは
「食材費+人件費」
そのコストが売上全体に対して
どれだけ占めるかが鍵
FL比率=FLコスト/売上
=(食材費+人件費)÷売上額
一般には50%が
その目安と言われ目指すべき指標
(60%以上は危険ゾーンとか⁉)
一日10万円の売り上げ
例えば
F(食材費):90万円/月
L(人件費):40万円/月
という場合
どれだけの売上が必要かというと
[(90万+40万)÷売上=50%]
・・・売上=260万円
FL比率:50%Keepには
260万円/月の売上が必須となる
このお店の稼働日が
26日だとすると
毎日の売上目標は
10万円/日以上となるわけだ
[260万円÷26日]
包丁には自信のある
オーナーシェフさんは
この逆算が意外と苦手だ
味は落したくないから
食材費にはメスを入れず
人件費を削ってしまって
サービスという「品質」を落してしまったり・・・
営業利益率
FL比率の次は
営業利益率だっ‼
営業利益率=利益額÷売上額
売上100%の内訳は
▪F(食材費) : 30%
▪L(人件費) : 20%
▪家賃 : 12%
▪水道光熱費 : 8%
▪減価償却費 : 7%
▪消耗品 : 5%
▪雑費その他 : 10%
って感じ
・・・合計すると「92%」
つまり
利益は8%しか残らない
先程の260万円/月のお店なら
260万円✕0.08
=208,000円/月の利益
一日(稼働日)あたりの利益は
なんと・・・8,000円/日 (たった?)
新規展開や不意なアクシデント
近隣に似通ったお店が出店
材料費の高騰・・・etc
本当に何が起こるかわからない未来
出来るだけ
内部留保を確保したいのは言うまでもない
だからといって
食材の仕入れ値を下げたり
いたずらにメニュー価格を上げたり
無意味に人件費を削ったりすれば
・・・お客様の反応はシビア
売上ダウンは必須
本当に気の抜けない攻防だ
よって
FLコストを軸に
どこをどれだけ抑え込むかで
営業利益率の
パーセンテージはグッと違ったものになってくる
その改善と意識改革をしない限り
8,000円の利益確保のために
「売上げ10万円が必要!」
という店舗体質は
永遠に続いてしまうともいえる
非言語
そんな中
今日のコラムでお伝えしたいのは
上記のような
数値の大切さの部分だけではなく・・・
Labor(人件費)の本質についてだ
先日入った飲食店での出来事
お店の雰囲気・品揃え・価格・味・清潔感
・・・ほぼほぼ「いい感じ」
なのに
ホールの女の子の接客応対が残念だった
オーダーの取り方や
内容の説明不足もさることながら
・・・表情や歩き方や所作・動作
私だけではなく
他のテーブルの方たちも
(ちょっぴり)イライラ感が・・・
店長さんと思しき人が
支払いの際に頭を下げていましたが
それは
「イライラ」や「待たせた」ことに対してであって
そこに潜んでいる
本当の「要因」には気づいておらず・・・
そうなんです
目に見えない態度や表情と言った
「非言語」が
コミュニケーションで
ある意味言語以上に重要とされている
「非言語」が
この店の努力の結晶を
打ち消してしまっているという現実
少なくとも私は
「今一度あのお店に行ってみよう!」
にはならないと思う
オーナーさんや店長さんが
営業利益率捻出の為に
様々な試行錯誤の末に
辿り着いたであろう
「味と価格」だというのに
・・・残念
教育
FLコストが飲食店経営の
肝だとお話してスタートした
このコラム
そのFLコストの
大きな部分を占めるLabor(人件費)
会計上の数字もさることながら
その数字以上に
姿勢やおもてなしの心を
スタッフに教えていくことの重要性
研修やマニュアルが
正しいとか必要だとかを
言いたいのではありません
スタッフひとりの応対が
お店のすべてを語ってしまうのです
しっかり刷り込ませねばなりません
お客様は声に出してくれません
「足を遠のける」という
必殺技を繰り出すことを
心に留めなければなりません
飲食店さんに限らず
お手伝いさせていただいている様々な会社さん
またこれから出会うであろう方々とも
こういった青臭いことを
真正面から向き合って
サポートしていきたい
と
猛暑の中
痛感した次第です