倒産とは?倒産処理の選択肢とメリット・デメリットについて紹介【才藤 投稿】
今回は質問も多く関心が高い話題でもある計画倒産と計画的な倒産について【対談形式】でわかりやすく紹介します。
〇経営者A: こんにちは、内藤さん。最近、計画倒産と計画的倒産について調べていたんですが、どちらも倒産に関連する言葉だと聞きました。でも、具体的にはどう違うんでしょうか?
〇内藤: こんにちは、経営者Aさん。確かに、計画倒産と計画的な倒産は似たような言葉ですが、実際には異なる概念ですよ。まず、計画倒産から始めましょう。
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〇経営者A: 了解です。計画倒産って、どんな意味なんでしょう?
〇内藤: 計画倒産は、借金や支払いを踏み倒す形で倒産することを指します。具体的には、資産の移動や不動産の売却などを債権者を害するための意図をもって進め、経営者が得をして従業員や取引先に迷惑がかかる形で倒産するんです。例えば例をあげると、
- もともと支払いの意思がなく、支払いが出来ないことが分かっていなが仕入れを行い、格安で売りさばいたお金を手元に残し倒産をむかえる
- 金融機関へ運転資金へ粉飾決算をもとに返済の意思がないのに運転資金の融資を申込み、得た融資は資金使途のとおり使わず、手元に現金を残して倒産をむかえる
このような行為があげられるでしょう。ただし、この方法は取引先や従業員、金融機関などを騙すことになるため、詐欺罪に問われる可能性があります。
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〇経営者A: なるほど、詐欺罪に問われる可能性があるんですね。それでは、計画的倒産はどう違うんでしょう?
〇内藤: 計画的な倒産は、債務や取引先への支払いなどを済ませたうえで、従業員や取引先に迷惑がかからない形で倒産する方法です。具体的には、債務の返済や取引先への支払いを済ませ、身辺整理をしたうえで倒産するんです。この方法では、取引先や従業員を騙すことも、借金や支払いを踏み倒すこともないため、罪に問われる心配はありません。経営者としても、出来る限り関係者や取引先に迷惑をかけずに倒産できることで、精神的な負担を抑えられます。ただし、詐害行為や、偏頗弁済等の禁じられた行為を行っていると、破産申立後に破産管財人によって否認された場合、返還を求められることがあります。また、申立て代理人となる弁護士に受任を拒否される原因となるので注意が必要です。
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〇経営者A: なるほど、計画的倒産は、従業員や取引先に被害を最小限に抑えつつ倒産できる方法なんですね。精神的な負担も軽減できるという利点がありますね。
〇内藤: そうです。再起に向けてスムーズに進めることができますよ。従業員や取引先への被害を最小限に抑えながら、新たなスタートを切ることができるんです。
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〇経営者A: ありがとうございます。計画倒産と計画的倒産の違いがよくわかりました。大変参考になりました!
〇内藤: どういたしまして。何か他に質問があればお気軽にどうぞ。
いかがだったでしょうか。
計画倒産と計画的な倒産は混同されがちですが実は大きな違いがあり、本質は相反する意味を持ちます。計画倒産については当事務所のホームページにて、詳しく解説しています。こちらの【計画倒産は犯罪なのか】から、ご覧ください。
どうしても経営がうまく行かずやむを得ない事情で会社が倒産したとしても経営者は現実と向き合い、いつどのように倒産処理をするかの経営判断をして、それを実行する責任があります。実は会社は始めるのは簡単ですが終わらせるほうが大変というのはわたくしも経験から実感していることです。会社を終わらせる、これは経営者の最も難しい経営判断であり、最もストレスが生じる一大事であるといえます。しかし、今までお世話になった関係者に掛ける迷惑も最小限に抑えて、再起をするためにも必要なプロセスだと捉えて前向きに取り組んでいただきたい、そして倒産を甘く見ないでいただきたいと切に思うのです。
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