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医療機器の電源周りの管理について

田中嘉一

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テーマ:医療安全

医療機器の電源周りの管理についてお伝えしようと思います。

このメルマガでも過去似たようなテーマに触れてきたとは思いますが今回も改めて幾つかのポイントをお伝えしたいと思います。

また、この話は医療機器にかかわらずPCや家電にも通じる話でも有りますのでご家庭での電源周りに置き換えて考えて見ていただいてもよろしいかと存じます。

1,電源周り
テーブルタップ:別名延長コードなどと呼ばれているケースが多いですが正式にはテー ブルタップといいます。このテーブルタップにかかわる主なNGな使い方は以下の通り。
1)たこ足配線
2)アースを取らない
3)床に直置き
4)差し込み口が上向き
です。

1)はテーブルタップには容量が有りま。規定の電流値を超えて使用するとブレーカーが落ちたりしますが、テーブルタップも加熱・発火を起こす危険性もあります。必ず規定の電流値以内で使用するようにし、原因となるたこ足配線をやめましょう。

2)は3P(三又のコンセントプラグ)であればそのまま3Pコンセントに差し込むだけでアースが取れます(但し、コンセントがアースに接続されている場合に限る)しかし、3Pプラグと3Pコンセントの間に無意味に2P変換プラグを噛ましアース線の断線状態になっているケースを大変よく見かけます。三又プラグの長いピンは保護接地線といい、漏れ電流をこの線を通って地球に逃がす役割を持っています。JISの規定を超える漏れ電流が有るような故障がある場合、患者さんへの電撃のリスクが上がる可能性が有ります。これを防ぐのがアースの役目です。
家電でも洗濯機や電子レンジやエアコン等ににアース線が付いているのも漏電が大きくなった場合の逃げ道を確保するために付いています。
電気機器の安全使用のためにアースを取ることは意識することは病院や事務室、家庭においても大切なことです。また、脳波計等の微弱な生体信号を取るためのアンプを搭載している機器はアースをきちんと取らないとノイズが混入して検査にならないことがありますのでアースは大切ですね。

3)はテーブルタップを床に直置きにして使用しているケースです。これも割とよく見るケースです。病室によっては部屋の構造上直置きにせざる負えない場合も有りますが、足元にテーブルタップが有ると蹴とばしてしまったり、カートなどの車輪をぶつけてしまったり、人の動線上にコードが有って足で引っかけてしまったり、液体を被りやすかったりとロクなことがありません。
テーブルタップはマグネット付きのものを使用しベッドなどの金属部分に貼り付けて使用すると安全です。

4)は差し込み口が上向きになっていると液体や埃などが侵入する危険があります。
埃が被っているとそこに水分がたまるとショートする危険がありますし、差込口に液体が掛かるとやはりショートして発火する危険があります。3)のようにベッドの金属部分に差込み口が横向きになるように取り付けて使用すると安全です。

コンセント:テーブルタップの1)2)と同じです。コンセントは3Pであった場合に時折見かけるのがコンセントプラグのアースピンが折れてコンセントの中に刺さったまま残っていることがあります。これは取り扱いにご注意くださいとしか言いようがありません。また、すべてのコンセントに言えることですが埃の溜まり具合は注意が必要です。
ご存じの通り溜まった埃に水分が吸収されますと2枚のブレードをショートさせ発火するトランス現象を引き起こす危険があります。ご家庭でも同じことがいえるので特に目立たない場所のコンセントを使っている場合は埃の堆積がないか注意が必要です。

テーブルタップやコンセントは割れなどの破損、ゆるみ、ガタツキがある場合は交換の処置が必要です。寿命のある製品と思っておく必要があります。

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田中嘉一
専門家

田中嘉一(臨床検査技師)

MEテック・ラボラトリー合同会社

医療機器保守点検・安全管理のエキスパート。300床以下の病院を対象に、「医療機器安全管理と運用」「コストダウン」「丁寧な病院内研修・指導」の3本柱で、病院の医療ミス防止の一翼を担っている。

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