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田中嘉一

医療ミスを防ぐ医療機器安全コーディネーター(R)

田中嘉一(たなかよしかず) / 臨床検査技師

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コラム

「えっ?故障?」心電図モニター2

2021年11月28日

テーマ:医療安全

コラムカテゴリ:医療・病院

心電図モニター使用中での事例その2です。

ベッドサイドモニターの心拍数の数値と、セントラルモニターの心拍数の数値が合わないとか、とにかくモニターの心拍数がコロコロ変わるとか、そういった経験ありませんか?
病棟を巡回しているとこの問合せ結構受けます。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

これはその患者さんが心房細動である可能性が有ります。

心房細動は絶対性不整脈と言って各拍のQRS(R波)の間隔(R-R間隔)がバラバラです。

モニターは心拍数を解析する時、一定の時間(例えば10秒間等)のR-R間隔をサンプリングして、加算平均した物を心拍数として表示しています。これを毎拍行って更新しているため。心房細動の様な絶対性不整脈では心拍数がコロコロ変わることになります。

また、心房細動の有無に関わらずベッドサイドモニターとセントラルモニターの心拍数に整合性が取れない時があるのも各モニターがそれぞれのタイミングで解析を行っているため、同時に立上げでもしない限りタイミングが合うことは有りません。
期外収縮が有った時にはズレることがあります。

よってこの現象は故障では有りません。

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