心電図モニターにまつわるインシデント(新聞記事になった例)
患者さんからの情報の大切さについて
今回は患者さんから得られる情報の大切さついてお伝えしようと思います。
医療機器管理を担当している臨床工学技士さんなら何度か経験がおありではないかと思いますが、輸液ポンプなど継続的に医療機器を使用している場合で患者さんの意識が明瞭だと、ベッドサイドに点検に行った時に患者さんから「この機械最近やたらとピーピー(アラーム)鳴って調子悪そうなんだけど」などと言われることが有ります。
先日も同様な事が有りまして、輸液ポンプを2台使用している患者さんから「2台の内1台がやたらピーピー鳴るんだけど大丈夫なの?」と言われました。
よく見てみると1台の輸液ポンプの滴下センサーが作動しておらず滴下をカウントできない状態にありました。
即座に問題の無いことが確認できている輸液ポンプに交換し、当該機を詳しく見たところやはり滴下センサーの故障で、新しいセンサーに交換したところ正常動作することが確認できました。
この様に看護師視点、ME視点とは別の視点で医療機器を見つめている患者さんは、自分に使われている医療機器に異変が生じればすぐに分かります。また、医療機器の故障は自分に対する健康被害への不安を感じるためその思いは切実です。
我々医療人はこういった患者さんからの訴えは非常に有難く思う必要が有ると思いますし、チーム医療とは患者さんも含めて成り立つものなんだなと私は感じました。
医療以外の全てのサービスは企業や役所のそれも含めてサービスを提供する側とサービスを提供される側が一体となって初めて良い物ができるのだと改めて痛感した出来事でした。
この患者さんには心から感謝の気持ちでいっぱいです。