院内における電気安全
CVに輸液ラインを確保している時など、メインのルートの他に側注のルートが使われることがありますよね。この場合メインのルートに輸液ポンプを使用していたとして、側注側は自然滴下というケース、割と多いと思いますが実はこれ事故につながる不適切な使用方法であることは割と知られていることだと思います。
何故不適切なのか?
それは、何らかの原因で側注が接続されている下流側で閉塞が起こった場合、輸液ポンプは閉塞アラームを発動できず、ポンプから送られた薬液は、自然滴下の側注のルートへ抜けて行き側注のルート逆流していきます。
これは、閉塞によって断たれたルートに行けないため抵抗が無い自然滴下のルートに行ってしまうためです。こうなると、患者さんに薬液が投与されずしかもこの状態が放置されることになり、場合によっては危険な状態になり得ます。
これを防ぐにはメイン・側注共にポンプを使用する事です。これにより閉塞が起こった時に閉塞アラームが発動してくれることになります。
しかし、ポンプの数が潤沢でない施設でしたら現実的に不可能です。
安価で逆流を感知するアラートシステムが開発されることを切に願うばかりです。
また、側注側の薬液がガラス瓶の場合エア針を使いますが(このケースは最近は稀かもしれませんが)こちらが空になった場合ポンプに引張られて空気を入ってしまいます。
この状況が長く放置されれば患者さんに空気も一緒に送ってしまうので極めて危険な状況に陥りかねません。
この使用方法は何処の施設でも割と多く見受けられますのでコマメな巡回と注意が必要です。