医用テレメータの電波管理に関して
輸液ポンプでの事例です。
これからご紹介する事例は極めて稀な、そしていくつかの条件が揃わないと発生しない「えっ!?故障!?」という例です。
まずどの様な現象かというと、使用している輸液ポンプは滴下制御型(輸液セットの滴下チャンバーに落滴センサーを取り付けるタイプの輸液ポンプ)で昼間のみ滴下アラームが出て使い物にならないというものでした。
夜間は正常動作するとの事。
私が当該機器を点検した時には異常はありませんでした。
では何が原因かというと、使用環境が原因でした。
季節は冬で、よく晴れた日、当該機器を使用した部屋は南側に窓があり、当該機器は窓際に置かれて使われておりました。
そうです。直射日光が当該機器である輸液ポンプの滴下センサーに当たった為、乱反射を起こし誤動作していたのです。
カーテンを閉めた所問題は解決しました。
冬の晴れた日中は日光が横から入ってくるため、日の当たる場所に滴下制御型の輸液ポンプを置くとこの様な現象を引き起こします。
輸液ポンプの滴下センサーは常時赤外線を発光LEDから受光LEDに向けて飛ばしていて、滴下が有った時受光側で赤外線が遮られた時に受講できなかった事をカウントして滴下をコントロールしています。
直射日光が当たることでこのコントロールが効かなくなっていたのです。
医療機器の動作と安全はその使用される環境にも大きく左右されることがありますので注意が必要です。
PMDAの二層バッグ製剤の取扱いに関する注意記事です
https://www.pmda.go.jp/files/000245542.pdf
PMDAシリンジポンプセット時の注意についての記事です
https://www.pmda.go.jp/files/000216908.pdf