FUT法が再評価される理由

　本コラムの内容は紀尾井町クリニック公式サイトのコラム「FUT法は時代遅れ？FUT法が再評価される理由【医師監修】」のダイジェスト版になります。
　完全版は公式サイトの「FUT法は時代遅れ？FUT法が再評価される理由【医師監修】」にてご確認頂けますので、関心をお持ちの方はぜひご覧ください。

再評価の背景：Haber医師の論考を踏まえて

　FUEが普及する一方で、FUT（ストリップ法）の価値を見直す潮流があります。ISHRS会員誌Forum Vol.35, Issue4（2025年7–8月号）掲載された記事によると、自毛植毛の国際的権威であるHaber医師は、特に若年や進行予測が難しい症例ではFUTを優先すべきと提案しています。将来の薄毛進行への備えやドナー資源の温存を重視し、短期の見た目だけでなく長期計画の観点からFUT優先と位置づけています。

リスク最小化：将来像と最悪シナリオの比較

　「将来スキンヘッドにする人は少数に留まる一方、AGAが進む人は多い」という前提のもと、FUTとFUEの最悪のケースを比較。FUTは線状痕が残る一方で大量移植がしやすいのに対し、FUEは広範採取で将来的に点状痕の露出や密度低下が目立つ恐れがあると指摘。若年では安全域の読み違いが起こりやすく、初回からのFUT選択の合理性が示されています。

手術効率・コストと順番の考え方

　FUTは採取が短時間で済み、移植部のデザイン・植え込みに時間と人員を配分しやすいのが特長。大規模移植ではFUEは採取に時間を要し、後半の精度に影響する懸念が述べられます。費用面でもFUTは同株数で相対的に有利になりやすいとされ、まずFUTで土台を作り、必要に応じて後年FUEで補う“FUT→FUE”の順番が合理的とまとめられています。

日本での留意点とFUEの適応

　坊主率や服薬状況など海外データの単純適用には限界があり、日本では肌色と髪色のコントラストから短髪で傷痕が目立ちやすい点にも配慮が必要です。FUT優先といいつつもFUEは「将来短く刈る可能性が高い」「部分植毛が主眼」「切開に抵抗が強い」などで有効です。結論として、FUTとFUEは「どちらか一方のみ」という対立軸ではなく、年齢・進行度・将来像・個人の状態などに応じた使い分けが重要です。

詳しくは公式サイトの完全版「FUT法は時代遅れ？FUT法が再評価される理由【医師監修】」をご確認ください。
　紀尾井町クリニックでは、AGA・薄毛治療を専門にAGA治療薬から自毛植毛FUT法からFUE法までを取り扱っております。薄毛でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。