植毛の密度について
植毛とは?
植毛(しょくもう)とは、AGAなどで起こる薄毛や脱毛に対する治療法の1つで、自身の健康な毛髪を移植する自毛植毛(じもうしょくもう)と、合成繊維でつくった毛を頭皮に植え込む人工毛植毛(じんこうもうしょくもう)があります。他のAGA・薄毛治療との違いは、その名の通り「毛髪(自毛or人工毛)を薄毛が気になる部分に植えこむ」という点です。
そんな植毛について、当院公式サイトの「植毛とは?医師が詳しく解説」より簡単にご紹介させて頂きます。まずはそれぞれどのような特徴を持っているのかを見ていきましょう。なお、本記事では自毛植毛を中心に解説していきます。
自毛植毛とは?
自毛植毛は、自身の後頭部にある健康な髪の毛を採取し、薄毛が気になる部分に移植する医療技術です。「自毛植毛とは」でも詳しく解説していますので、興味がございましたらご参照ください。
メリット
- 自然な仕上がり
- 拒絶反応が起こらない
- 永続的な効果
- メンテナンスが容易
デメリット
- 比較的費用が高額
- 傷痕が残る
- 効果を感じる時間がかかる
- 生涯で採取可能な株数に制限
人工毛植毛とは?
人工毛植毛とは、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維でつくった毛を頭皮に植え込む増毛法です。なお、日本皮膚科学会のガイドラインでも記載があるように、薄毛の治療としてはお勧めできない方法です。
メリット
- 効果の即効性
- ドナー採取の必要なし
デメリット
- アレルギーなどの免疫反応が起こるリスクがある
- 定期メンテナンスが必要
- 感染リスク
- 脱毛リスク
自毛植毛の代表的な方法
主流の「植毛」法である「自毛植毛」を更に詳しくみていきましょう。自毛植毛は主にFUT植毛とFUE植毛の2つの方法によって実施されています。
FUT植毛
代表的な自毛植毛法の1つがFUT(Follicular Unit Transplantation)植毛です。FUSS(Follicular Unit Strip Surgery)とも呼ばれます。広範囲の薄毛治療や大量の毛髪の移植、例えば1,500~2,500株のドナー株を一度に移植したい場合には、FUT植毛が向いています。
メリット
- 大量の移植が可能
- 生涯に採取出来るドナー株数が多い
- 高い有効採取率
- 費用
- 手術時間
デメリット
- 後頭部に横方向に走る傷跡が残る
- メスで頭皮を切る
- 採取数は頭皮のゆとりに左右される
FUE植毛
代表的な自毛植毛法のもう1つがFUE(Follicular Unit Extraction)植毛です。「くり抜く植毛FUE」でも紹介しておりますが、少量のドナー株で充分な、眉毛、ヒゲや傷痕などの植毛にはFUEの治療が向いています。
メリット
- 傷跡が目立ちにくい
- 頭皮が硬く可動性が少ない方でも可能
- 手術後の回復期間が比較的短い
デメリット
- くり抜きすぎてしまうと後頭部の髪の密度が下がる
- 生涯で採取可能な株数が少ない
- FUTよりも高額な費用
- バリカン幅が広い
自毛植毛を検討される際に、「FUT植毛とFUE植毛のどちらが良いのか」というお悩みを持たれる方がいらっしゃいますが、どちらが優れているということではなく、上記のようにそれぞれにメリット・デメリットがあり、向き不向きもありますので、無理をせずにケースによって使い分けることをおすすめします。
自毛植毛のプロセス
自毛植毛のプロセスは以下のステップで進行します。基本的な流れをご紹介しますが、クリニックによって違いがある場合がありますので、詳細はご相談されるクリニックにて確認ください。
- 医師によるカウンセリングと診断
- 植毛デザインの最終確認
- ドナー部位の毛根採取
- 株分け
- スリット作成
- ドナー株の移植
- 術後の説明
- アフターケア
自毛植毛の副作用やリスク
自毛植毛は、他の手術と同様に副作用やリスクがないわけではありません。その発生率や程度は、年齢、体質、持病、移植範囲や植毛回数によって個人差があります。大部分が一時的なもので、時間の経過とともに、改善します。ときには、症状の緩和のためにお薬を内服していただく場合もあります。治療を検討される際はこれらについてのご理解をいただいた上で、治療をお受けになるよう心掛けてください。人によっては自毛植毛が適さない場合もありますので、予めご理解ください。
ドナー採取部の傷痕
- FUT:後頭部を横に走る1本の細い線状の縫合痕が残ります。周囲の髪の長さがおよそ2cm以上あれば、傷を隠す事ができます。
- FUE:後頭部に1mm程度の小さな米粒大のくり抜き痕が、採取した数分だけ(1000株採取なら1000個のくり抜き痕)残ります。周囲の髪の長さがおよそ1cm以上あれば、傷を隠す事ができます。
術後すぐに見られる症状
痛み、出血、吐き気、移植部位のかさぶたや赤み
術後、数日経ってから見られる症状
額やまぶたの腫れ、かゆみ、しゃっくり、しびれ、移植毛のくせ
術後、数週間から数ヵ月後の間に見られる症状
一時的な脱毛(ショックロス)、感染症・膿胞、移植毛のくせ
その他
その他、軽症例では抗生物質や消炎鎮痛剤に起因するアレルギーで発疹が出現したり、重症例では麻酔薬のアナフィラキシー・ショック(血圧低下や意識障害など生命に危険が及ぶ過敏反応)などが発生する可能性もあります。これらは、植毛手術のみならず外科手術全般に考えられる事であり、どんな医療施設でもその可能性をゼロにはできません。あお、自毛植毛手術においては、まれに移植株の生着不良例が報告されていますが、その原因は明らかではありません。
自毛植毛の留意点
- 経験豊富な医師及び看護師が在籍しているクリニックを選ぶ事が重要である
- 進行するAGAを見据えた上でのデザイン・施術を行う必要がある
- かつらや人工毛植毛とは違い、手術後に効果が感じられるまでには時間がかかる
- FUT及びFUEいずれの方法を行うにしても、毛根を採取した箇所には線状又は採取した株数分の米粒大の採取痕が残る(2~4cm程度髪を伸ばせば隠す事が可能)
- 自由診療の為、クリニックごとや希望範囲等により異なるが、1回の手術費用は他のAGA治療費に比べて高額である
- 自毛を使うため採取できる株数には限界があり、どう活用していくのかを慎重に検討する必要がある(広範囲に植毛すると密度不足になる可能性があるなど注意が必要)
- 仕上がりや移植先の毛根定着率は手術を担当する医師や医療スタッフの医療技術や自身の体質による
- 手術にはリスクや合併症が存在し、個人の状態によっては適さない場合もある
- 手術は植毛のメリット・デメリット、副作用・リスクなどの説明を受けて納得した上で、ご自身の判断によって決定するよう心掛ける
- そのほか、手術後の経過中にいろいろな症状や副作用が出現する可能性がある
植毛には、自毛植毛と人工毛植毛がありますが、現在では植毛といえば世界的にも自毛植毛を指す事がほとんどです。
植毛(自毛植毛)を検討する際には、必ず医師から植毛についてのメリット・デメリットは勿論、副作用やリスクなどを説明してもらい、ご自身が納得の上で治療をお決めになるよう心掛けましょう。もし可能であれば、FUTとFUEの両方の術式に対応している医療機関を含めて、複数のクリニックで相談をされると、植毛についての理解を深められますし、よりご自身に合ったクリニックを探す事が出来ますのでおすすめです。さらに詳細に興味のある方は、当院公式サイトの「植毛とは?医師が詳しく解説」をご参照ください。
1998年よりAGA治療・自毛植毛専門院としての実績を持つ紀尾井町クリニックは、国内で数少ないFUT植毛とFUE植毛の両方に対応できる植毛クリニックです。長年積み上げてきた植毛デザインと技術・ノウハウで、喜んで頂ける植毛結果となるよう心掛けています。AGA・薄毛でお悩みの方、植毛を検討されていらっしゃる方、植毛の事を更に知りたい方はお気軽にご相談下さい。