事業承継と経営者保証の解除⑰

川居宗則

川居宗則

テーマ:事業承継



「時間がかかる案件は実現可能性が低い」

 融資課長をクリアした稟議書は、さらに副支店長と支店長のもとで精査されることになりますが、よほどの問題が浮上しないかぎり、融資課長によって問題がないと判断された案件に物言いがつくことはありません。それだけに融資課長の判断は慎重で、仮に稟議書の内容に不備や不足があれば、繰り返し担当者のもとへ差し戻されます。ただし、差し戻される回数はせいぜい3回が限度でしょう。それ以上、差し戻しが必要になる案件は、融資不可と判断されたも同然といえます。

 また、繰り返し担当者のもとへ差し戻され、修正されても、融資課長が判断しかねる場合には「融資会議」が開かれます。この会議には、支店長をはじめとする関係者のほか、営業課長など、ライン審査体制には参加していない役職者が加わるケースもあり、支店の営業戦略も含めた総合的な観点から融資の可否が検討されます。

 このように、融資に関する審査の過程は慎重な検討を要する案件ほど関係者の数が増えて、結論が出るまでに時間がかかります。したがって、審査に時間がかかる場合は、融資が行われる可能性は低いと考えてよいでしょう。一般的に、融資を申し込んでから3か月を経ても結論が出ていない場合は、その金融機関から融資を受けることは難しいと判断してよいと思います


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川居宗則
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川居宗則(資金調達コンサルタント)

経営デザインコンサルティングオフィス株式会社

メガバンクで約30年、融資審査や支店長経験に基づく「資金調達セミナー」で豊富な実績を誇ります。金融機関との付き合い方や事業計画書の作り方など、具体的なノウハウを伝え、スムーズな資金調達を導きます。

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