事業承継と経営者保証の解除⑤
「融資のしくみ 本部決裁とは」
支店長に届けられるまでの経路は支店長決裁と同じですが、支店長の決裁を経ると、稟議書はさらに本部へ回ります。
そして、審査部や融資部の担当者が内容を確認し、支店における融資課長に相当する上席調査役の決裁を経て、最終的に審査部長(融資部長)の決裁を仰ぐというルートをたどります。想像するだけでも遠い道のりですが、実際には稟議書が本部から支店へ差し戻されるケースもある少なくないため、最終的な決裁を得るまでにはかなりの時間を要します。
慎重な審査を必要とするだけあって、このパターンに該当するのは融資額が支店長の権限を超える案件です。そして、信用格付も低いランクに区分されている場合が多く、さらには担保の評価額が不足していたり、営業戦略的な観点から支店が優遇金利の適用を求めるケースなど、特別な配慮を要する案件が含まれます。もし、融資を申し込んでから長い間、待たされているとすれば、本部での決裁を必要とするパターンに該当したのかもしれません。
こういった審査のプロセスを一般的に「ライン審査体制」と呼んでいます。特定の役職者が単独で融資の可否を判断するのではなく、必ず複数の役職者で構成される「ライン」で審査を行うという意味です。そのねらいは、当然ながら、立場の異なる役職者が繰り返し稟議書をチェックし、融資の妥当性を判断することにより、倒産による貸し倒れを防ぐことにあります。
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