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あでやかな和の装いで人生の節目を彩り、「着物で良かった」と思える一日を演出

人生の節目に寄り添う出張着付けの専門家

古閑邦子

古閑邦子 こがくにこ
古閑邦子 こがくにこ

#chapter1

出張着付け師として活動し、楽に過ごせて、着崩れしにくい和装を支度

 「あでやかな和の装いで、人生の節目に彩りを添えます」と語るのは、国分寺市を拠点に出張着付け師として活動する「Kimono Kanoko」の古閑邦子さん。東京23区と西部・多摩エリアを中心に、お宮参りや七五三、入学式・卒業式、成人式や結婚式に参列する際に、自宅や指定の場所へ訪問。早朝の式典や急な依頼にも可能な範囲で対応しています。

 「着物で良かったと思える一日をお届けするため、苦しくなく、一日中きれいな状態を保つことを心掛けています。体形やお召しになるシーンに応じて、土台となる長じゅばんの衿合わせを調整したり、胸元や腰回りを補整したり、きつすぎず、ゆるすぎず、着崩れしにくい仕上がりを目指しています」

 和服に慣れていなくても楽に過ごせるように配慮し、利用者からは「長時間着ていても快適だった」「動いても身頃がズレなかった」との声が寄せられ、リピーターも多いそう。希望があれば簡単なヘアアレンジも行い、帯揚げや帯締めなどの小物選びもサポート。歩幅を小さめにするといった和装の所作や、柄を見せる立ち方など撮影時のポーズもアドバイスしています。

 「着物は親から子、孫へと世代を超えて受け継がれる財産ですから、おばあさまやお母さまから譲り受けたものをぜひ、ご活用いただきたいですね。手持ちの着物や帯を生かしながら、お客さまらしさが引き立つコーディネートを提案しますので、お茶会や観劇などにお出掛けください」

 支度にあたっては、リラックスして過ごしてもらえるよう和やかにコミュニケーション。利用者や家族、ペットとのふれあいも大切にしています。

#chapter2

「娘に振り袖を着せたい」という思いが、着付けの道に進むきっかけに

 古閑さんが着付けを習い始めたのは35歳の時。長女の七五三の際、母娘で着物を着たのがきっかけでした。

 「娘の成人式には自分の手で振り袖を着せたいと思い、公民館の着付け教室へ通うようになりました。初めは自分で着るどころか、足袋を洗うのさえ面倒でした」と笑う古閑さん。繊細な美意識や四季折々の装いなど、学びを重ねるうちに、着物の奥深さにひかれていきました。

 師事した講師の引退を機に後を引き継ぎ、会社員として働きながら指導にあたるように。30年以上にわたって教室を主宰する中で、海外にも活躍の場が広がり、トルコやアゼルバイジャン、セルビアなどで着物ショーを開催。現地のモデルがみやびな衣装を披露し、日本文化の魅力を伝えてきました。

 「中でも印象深いのは、ラトビアのルンダーレ宮殿で開いたショーです。『バルトのヴェルサイユ』と称される壮麗な空間で帯結びや着付けを実演し、茶道や邦楽をたしなむ方々と交流を深めました」

 一橋大学では留学生に着物を体験してもらったり、東日本大震災後には宮城県女川町で成人式を支援したり、ボランティアにも積極的に参加。特に女川では着物の力を実感したと言います。

 「新成人のお母さまが、お嬢さまの晴れ姿を目にし、涙ながらに『今までで一番うれしい支援です』と言ってくださり、着付けに取り組んできて良かったと感じ入りました。娘のために始めた習い事でしたが、国内外で数多くの方と出会い、心を通わせる日々は私の宝物になっています」

#chapter3

着物を楽しめるよう、格式や約束事など押さえるべきポイントも伝授

 近年はレンタルサービスが充実。着物に親しめる機会が増えていますが、訪問着や小紋といった種類があり、「選び方が難しい」「マナーやルールが間違っていないか心配」と戸惑う人も。古閑さんは、不安点や疑問点があれば気軽に相談してほしいと呼び掛けます。

 「着物は伝統文化ですから、格式や季節などの約束事もありますが、ポイントさえ押さえたら自由に楽しんでいいと思うんです。分からないことがあれば、ささいなことでも遠慮なくお問い合わせいただきたいですね」

 特別なひとときを演出するため、一人一人に寄り添い、和心を表現する古閑さん。専門書や動画サイトを視聴して新しい知識や技術を取り入れ、着心地がよく美しい着付けを追求しています。

 「お客さまそれぞれに、身に着ける着物も着用する場面も、個性だって違います。うまくいったと思っても完璧はないのが着付けの世界ですから、一生勉強だと心得ています」

 長年連れ添った夫を亡くすという大きな出来事も乗り越え、前向きに研さんを積む古閑さん。支えになったのは、着付けを続けてきたからこそ得られた「ご縁」だと話します。

 「落ち込んでいた時に、生徒さんやお客さま、着物でつながっている長年の友人たちが温かい言葉をかけてくれました。お世話になった皆さまにご恩返しするためにも、元気なうちは仕事を続けることが目標です。日本の方にも海外の方にも和装に興味を持ってもらい、人生を豊かにするエッセンスにしていただければと願っています」

(取材年月:2026年5月)

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専門家プロフィール

古閑邦子

人生の節目に寄り添う出張着付けの専門家

古閑邦子プロ

出張着付け師

Kimono Kanoko

長時間着ても苦しくなく着崩れしにくい着付けに加え、簡単なヘアアレンジや帯・小物選びも提案。体形やシーンに合わせた和装コーディネートで、着物初心者も安心して楽しめるようサポートします。

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