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AI時代に活躍できる人材とは?思考力を鍛え、人間ならではの価値を高める

AI時代の経営人材育成の専門家

杉井要一郎

杉井要一郎 すぎいよういちろう
杉井要一郎 すぎいよういちろう

#chapter1

コーチングの手法を取り入れた対話形式で思考力を育む

 「AIが進化すると、戦略立案やマネジメントの多くは代替される時代が来るかもしれません。だからこそ、人間にしかできない力を今から磨く必要があります」

 そう話すのは、「グレディス」代表の杉井要一郎さん。10社以上の経営に関わり、30年以上エグゼクティブコーチングを手掛けてきた経験をもとに、経営者や管理職向けに、経営のための思考力を鍛えるトレーニングを提供しています。“人間とは何か”を探究する人間学をベースに、非認知能力や潜在意識に加え、脳腸相関や迷走神経の働きにも着目しながら、考え方や行動の変容を促す独自プログラムを構築しました。

 「知識量や情報処理のスピードでは、すでに人はAIにかないません。これからの時代の人材育成に頭を悩ませる経営者は多いでしょう。求められるのは、知識ベースのIQではなく、MQ(Meaning Quotient=意味や意義を見いだす力)や、意思決定を支えるWisdom(知恵)です。さらに、固定観念や過去の成功体験を見直すアンラーニングの姿勢も欠かせません」

 杉井さん自身はトレーナー育成に携わり、人間学のエッセンスを伝える講義やコーチングセッションを行う人材を育てています。肩書きや実績などを一度脇に置き、自分を見つめ直すことから始め、対話を通して、気づきが得られるよう導きます。

 また、無から有を生み出す力を育てるため、デッサンなどアートにも取り組みます。

 「私も生け花をしていますが、正解のない問いに向き合うことで創造性が養われます。AI時代だからこそ、人間ならではの力を磨くことが大切です」

#chapter2

企業経営の実務経験をベースにAI時代の人材育成を考える

 杉井さんの強みは、企業経営の実務経験です。これまで、IT企業をはじめ、10社以上で代表を務め、5社でIPOを経験。経営者として成功と失敗を重ねてきたことがベースにあります。

 「理論だけでなく、経営者としての実践をもとに、『未来にどうありたいか』を模索している経営者に伴走できます。実際、エグゼクティブコーチングで関わった企業が上場を果たすなど、事業が成長していく姿も見てきました」

 また、大学と連携した活動も行い、毎年経営学の講義を担当するほか、「シンギュラリティ研究所」の立ち上げにも関わりました。人工知能が人類の知能を上回るとされる転換点、シンギュラリティの時代は迫っていると話します。

 「欧米に比べ、日本は生成AIの開発だけでなく、倫理や規制に関する議論においても遅れをとっています。私はシンギュラリティを脅威ではなく、大きな可能性だと考えています。AIは壁打ち相手であり、学びを深めるパートナーです。人間とAIが互いの強みを生かしながら共創する視点が大切ではないでしょうか」

 AIの進化に伴い、知識の量よりも人間ならではの思考力や判断力が重要になると指摘します。

 「これからの経営者には、人間学やアンラーニング、シナリオ思考、レジリエンスなどがより重要になります。私は脳腸相関や迷走神経の働きにも関心を寄せていますが、知識だけでなく、人間本来の感性や直感を磨くことも大切だと考えています。AIを使いこなす若い世代が会社の中核を担う一方で、上の世代も過去の成功体験にとらわれず学び続けなければなりません。人間も変化し続ける必要があります」

杉井要一郎 すぎいよういちろう

#chapter3

グローバルな環境で培った経験を糧に、経営者に伴走

 音響・映像機器メーカーでキャリアをスタートさせた杉井さん。アメリカやヨーロッパなど海外支社を担当し、経営を学びました。

 「当時の社長がよく言っていた『何でもいいから世界で一番になりなさい』という教えが心に残っています。仕事だけでなく、地域の釣り大会でも、どうすれば一番になれるかを考え、挑戦し、行動する。ここで学んだすべてが役立っています」

 その後、外資系企業を複数経験し、上場支援にも携わりました。そのうちの一社、オランダの中小企業では日本法人の立ち上げを任されました。

 「5年で売り上げ1000億円規模への成長を目指していました。『人生を楽しまなければ、会社経営はやるべきではない』という経営哲学に、日本との価値観の違いを感じました」

 1995年にイギリスでコーチングを学び、コーチングの国際組織でも活動。2004年に、経営コンサルタントとして独立し、数多くのエグゼクティブをサポートしました。その後、ChatGPTの登場を機に、AI時代の人材育成に着目しました。

 「人を育てることは面白いです。特に若いうちから小さな失敗を何度もすることが大切。失敗するということは挑戦したということです。失敗から学び、変化し続ける力こそが、これからの時代を生き抜くための土台になると思います」

 「AIに負けない人材を育てたい」と話す杉井さん。AIの進化をポジティブにとらえながら、変化の時代と向き合う経営者に伴走し続けます。

(取材年月:2026年5月)

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専門家プロフィール

杉井要一郎

AI時代の経営人材育成の専門家

杉井要一郎プロ

コーチング業

株式会社グレディス

AI時代に活躍できる人材を育てるため、経営に直結する思考力を鍛えるトレーニングを提供。人間とは何かを探究する人間学をベースに、対話を通じて思考の変容や主体的な行動を促します。

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