猫を爪切りに慣れさせる5つの方法❘嫌がる理由や嫌がらないようにするコツも解説

猫さんと共に生活している方なら、一度は爪切りに苦労した経験があるのではないでしょうか。
「暴れてしまってうまく切れない」
「噛みつかれてケガをしてしまった」
「怖がって逃げ回るから諦めてしまった」
という声は、よく聞かれます。
爪切りを放置してしまうと、爪が伸びすぎてソファやカーペットに引っかかりやすくなるだけでなく、猫さん自身が自分の体を傷つけてしまうリスクも高まります。
また、巻き爪になって肉球に刺さってしまうこともあり、定期的なケアは猫さんの健康や身体を守るうえでとても大切なことです。
しかし無理に押さえつけて嫌がる猫さんに爪切りをしても、ストレスを与えるばかりか、飼い主さんへの信頼感を損なうことにもつながります。
大切なのは猫さんが「爪切りは怖くない」と感じられるよう、嫌がる理由を理解したうえで、猫さんに合った体勢やタイミングで爪切りを行うことです。
この記事では猫さんが爪切りを嫌がる理由から、初心者の飼い主さんでもできるストレスを与えにくい体勢のコツ、爪切りを上手に進めるためのポイントまでをわかりやすくご紹介します。
猫さんとの爪切りの時間が、少しでも穏やかなものにするヒントを見つけていただければ幸いです。
猫が爪切りを嫌がる理由

猫さんの爪切りをスムーズに行うためには、まず「なぜ嫌がるのか」を理解することが大切です。
爪切りを嫌がる理由を無視して無理やり行えば、さらに苦手意識を強めてしまう可能性があります。
猫さんは本来爪切りそのものを理解しているわけではなく、痛みや不安、恐怖を感じることで抵抗していることがほとんどです。
爪切り嫌いな猫さんにしないためにも、まずは理由を知り、適切な対策を考えていきましょう。
過去の嫌な経験
猫さんが爪切りを嫌がる原因のひとつに、過去のネガティブな経験が考えられます。
たとえば、以下の経験をさせたことはありませんか。
- 以前の爪切りで、深爪をしてしまい痛い思いをさせた
- 逃げるからといって、無理に押さえつけて怖い思いをさせた
このような経験が記憶に残っていると、「爪切り=嫌なこと」という印象が猫さんに定着してしまいます。
私たち人間も痛いことや怖いことは、避けたいものですよね。
猫さんも同様で一度怖いと感じた出来事はよく覚えているため、爪切りでネガティブな経験をしていると警戒したり、逃げようとしたりします。
爪切りの道具を見せただけで逃げ出す猫さんは、過去のネガティブな経験が影響していることが多いです。
対策としては爪を切ることに対して急がず、まずは道具に慣れさせるところから始めましょう。
道具のニオイを嗅がせたり、触れさせたりして「怖いものではない」と少しずつ学ばせていきます。
焦らず時間をかけることが、爪切り嫌いを克服する第一歩になります。
足に触れられることへの不快感
猫さんにとって足先は非常に敏感な部分です。
野生では足に怪我を負えば獲物を捕まえられなくなったり、外敵から逃げられなくなったりするので、本能的に足を守ろうとする習性があります。
そのため、どれだけ飼い主さんに懐いている猫さんでも、足に触れられることを嫌がることは珍しくありません。
特に普段から肉球や指先に触れる習慣がない猫さんは、突然足をつかまれることに強い抵抗を示す傾向があります。
爪切りを成功させるためには、日頃から少しずつ足に触れる練習を行うことが大切です。
リラックスしているときに軽く足先に触れ、嫌がらなければ褒めたりおやつを与えたりすると、徐々に慣れてくれるでしょう。
少しずつ触れる時間を延ばしていくことで、足に触れられることへの抵抗感を和らげられます。
足に触れられることに慣れさせる方法は、以下のコラムで解説していますのでご覧ください。
猫を爪切りに慣れさせる5つの方法❘嫌がる理由や嫌がらないようにするコツも解説
環境やタイミングの問題
猫さんがリラックスできていないときや、環境が落ち着かない状況で爪切りをしようとすると、嫌がることが多くなります。
たとえば、猫さんが遊びたい気分のときや興奮しているときや、テレビの大きな音や工事の騒音など、周囲が騒がしい環境のときです。
じっとしていられず、逃げたり暴れたりしやすくなりますし、猫さんは音に敏感なので騒がしい環境はストレスとなり、爪切りどころではなくなってしまいます。
爪切りに適したタイミングは、次のようなときです。
- 猫がウトウトとしているとき
- 食後ゆったりしているとき
静かな場所で猫さんが落ち着いた状態のときに行うよう意識するだけでも、爪切りのしやすさが大きく変わるでしょう。
飼い主の不安感
飼い主さんが爪切りに対して緊張や不安を感じていると、その気持ちを猫さんが察し、猫さん自身も不安になってしまうことがあります。
猫さんは人の表情や声のトーン、体の力の入り方などを敏感に感じ取る動物です。
飼い主さんが「深爪しないか心配」「暴れたらどうしよう」と不安そうにしていると、猫さんは「何か危険なことが起きるのかもしれない」と感じ、警戒心を高めます。
結果として猫さんが暴れたり逃げたりしようとして、さらに飼い主さんが焦るという悪循環に陥りやすいです。
爪切りを上手く行うためには、飼い主さん自身がリラックスして、落ち着いた動作・声で猫さんに接することが大切です。
爪切りに慣れていないうちは、緊張してしまうのも仕方のないことです。
解決方法は実践して経験を積み、自信をつけていくしかありません。
初めから完璧を目指さずに焦らず、ゆったりとした気持ちで取り組みましょう。
まずは爪切りの真似だけをして、爪切りという行為に飼い主さん自身が慣れることをおすすめします。
猫にストレスを与えない爪切りの体勢3選

無理に押さえつけて行うのは、爪切り嫌いにしてしまうので逆効果です。
猫さんが安心できる爪切りの体勢を工夫すれば、爪切りのしやすさが大きく変わります。
ここでは猫さんへのストレスを最小限に抑えてできる爪切りの体勢を、3つご紹介します。
猫さんの性格や爪切りのときの反応に合わせて、試してみてください。
膝の上で抱える体勢
膝の上で抱える体勢は、抱っこが好きな猫さんに向いている方法です。
飼い主さんの体温や心音を感じられるため、安心してくれる猫さんも多くいます。
手順は次のとおりです。
- 椅子や床に飼い主さんが座り、猫さんを後ろ向きにして膝へ乗せる
- 優しく猫さんの足を持ち、1本づつ爪を切る
比較的、初心者の方でも挑戦しやすい方法です。
猫さんが膝の上で横になってリラックスしているなら、その体勢のまま行うとよいでしょう。
無理に体勢を直そうとする必要はありません。
もし途中で猫さんが膝から下りたら、そこで爪切りは終わりにしましょう。
再度、膝に乗せて続けようとすれば、爪切りに対して嫌な印象を与えかねません。
股に挟む体勢
爪切りの際に逃げようとする猫さんなら、股に挟む体勢がよいでしょう。
猫さんが後ずさりして逃げるのを防げますし、前へ飛び出して逃げようとするときも軽く猫さんの胸を抑えれば逃走を止めやすいからです。
手順は次のとおりです。
- 床に正座し、自分の足の間に猫さんを後ろ向きにして座らせる
- 軽く猫さんの足を持ち、1本づつ爪を切る
股に猫さんを座らせたときに、両膝で強く猫さんを押さえつける必要はありません。
力ずくで猫さんを挟むと、嫌がる原因になるので注意してください。
あくまでも力を使わずに逃げ道を塞ぐための体勢ですので、嫌がる様子が見られたら無理をしないようにしましょう。
寝ているときに切る
爪切りを極端に嫌がる猫さんには、寝ているタイミングで行うのがおすすめです。
特に食後の満腹状態や日向ぼっこで眠くなっているタイミングを狙うと、成功しやすくなります。
コツとしては全部の爪を一度に切ろうとせず、1〜2本程度に留めましょう。
猫さんが起き上がってしまったら、無理に続けないでください。
飼い主さんの都合ではなく、猫さんのペースを最優先にして何日かに分けて完了させるつもりで取り組みましょう。
爪切りを行うときのポイント

体勢だけでなく、爪切りの進め方にもポイントがあります。
ちょっとしたポイントを意識して行えば、猫さんの負担をさらに減らしスムーズな爪切りができるようになります。
猫さんにできるだけストレスを与えず、安全に爪切りを行うためのポイントを確認しておきましょう。
猫を落ち着かせる
爪切りを始める前に、まず猫さんをリラックスした状態にすることが何より大切です。
いきなり爪切りを始めようとすると、猫さんは身構えてしまいます。
始める前に次のことを行い、猫さんをリラックスさせましょう。
- 穏やかなトーンで呼びかける
- 猫さんが好きな場所を優しく撫でる
猫さんが落ち着いているかどうかは、耳の向きや尻尾の動きで確認できます。
次のような状態のときに、始めるとよいでしょう。
- 耳が前を向いてリラックスしている
- 尻尾の動きがゆったりしている
焦らず準備の時間を十分に取ることが、スムーズな爪切りへの近道になります。
全ての爪を切ろうとしない
爪切りをするとき、「一度で全部切らなければ」と思う必要はありません。
猫さんが嫌がり始めたら、その日は途中でやめましょう。
無理に全部切ろうとすると、猫さんに「爪切り=長時間我慢しなければならない嫌なこと」という印象を強く植え付けてしまうことになります。
猫さんは拘束されることを嫌う傾向があります。
爪切りは一度切れば、しばらくは行う必要がないケアです。
今日は右前足の2本、明日は残りの2本を切るといった流れで全く問題ありません。
「今日はここまで」と小さなゴールを設定し、切った後はたっぷり褒めてあげてください。
少しずつ積み重ねることで、猫さんも徐々に爪切りへの抵抗感が薄れていくでしょう。
猫の嫌がるサインを見逃さない
爪切り中に猫さんが嫌がるサインに気づいたら、すぐに手を止めましょう。
無理に続けることは猫さんのストレスを増大させるだけでなく、飼い主さんへの信頼感を損なうことにもつながります。
嫌がるサインとして、以下の仕草があります。
- 尻尾をパタパタと激しく床に打ち付けるように振る
- 耳を後ろに倒す
- 作業している箇所を睨むように見る
- 低い声でうなる
- 体をよじって逃げようとする
これらのサインが出たら、爪切りをいったん中断し、猫さんが落ち着くまでそっとしておいてあげましょう。
特に上3つのサインは見過ごしやすいので、注視してください。
3つのサインを無視し続けると、4つ目5つ目と嫌がるサインがあからさまになってきます。
サインを見逃して作業を続けてしまうと、最終的に引っ掻きや噛みつきにつながりやすいです。
爪切りは猫さんとの「信頼の積み重ね」で成り立つものです。
つい「あともう少しやっておきたい」と、爪切りをやり続けたくなりますよね。
しかし「今日はここで終わり」と割り切る勇気も、長い目で見れば爪切りを上手くするための重要なスキルです。
2人で行う
爪切りに慣れていないうちや、特に暴れやすい猫さんの場合は、2人で行うと格段にやりやすくなります。
1人が猫さんの体を優しく固定してなだめ役に徹し、もう1人が爪切りに集中するという役割分担ができるためです。
固定役の人は猫さんに優しく声をかけたり、好きなおやつを見せたりして気をそらすのが効果的です。
爪切り役の人は猫さんの動きに注意しつつも、爪を切ることに集中しやすくなります。
1人でやるよりも猫さんへの負担が少なく、ケガのリスクも下がるため、特に初めて猫さんの爪切りに挑戦する飼い主さんにはおすすめの方法です。
家族やパートナーと協力して行うことで、猫さんにとっても飼い主さんにとっても、よりストレスの少ない爪切りをができるでしょう。
あなたの猫に合う爪切りの体勢を見つけよう
爪切りを行うにあたって「絶対にこれが正解」というものはありません。
猫さんの性格や体の大きさ、爪切りへの慣れ具合などによって、合う体勢はそれぞれ違います。
最初はうまくいかなくても、焦らず少しずつ試しながら、あなたの猫さんが一番リラックスできる体勢とタイミングを探してみてください。
爪切りが「怖い時間」ではなく「飼い主さんと過ごす穏やかな時間」になるよう、日々のスキンシップを大切にしながら取り組んでいきましょう。


