50代起業が続かない本当の理由とは? 「嫌なことはしない」起業で月商50万円を実現した会社員の新常識
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
AIスキルの"溝"が生まれている2026年の起業事情
――新井さん、最近「AIで起業」という話をよく耳にしますが、実際の現場ではどんな変化が起きていますか?
新井:率直に言うと、2026年に入ってから変化のスピードが異常ですね。AIを使いこなせる人と使えない人の間に、もう埋められないくらいの差ができ始めています。しかも面白いことに、その"勝ち組側"にいるのはITエンジニアじゃないですよ。普通の会社員。これが僕も驚いたところで。
――えっ、エンジニアではなく会社員のほうが有利だと?
新井:そうです。理由はシンプルで、会社員は「現場の課題」を肌感覚で知っているから。26年以上、延べ60,000人を超える方々の起業をサポートしてきましたが、ここ1年の変化は正直すさまじい。「AIで業務改善の提案をしたら、それだけで仕事の依頼が来た」なんて報告が続々と届いているのです。つまり、AIスキルは「学ぶもの」じゃなくて「使うもの」。使う場所を知っている会社員が、今いちばん有利なポジションにいますよ。
中小企業の80%が「やりたいけどできない」という巨大チャンス
――具体的には、どんなところにビジネスチャンスがあるのでしょうか?
新井:地方の中小企業や自治体で「AIを入れたいけど、社内に詳しい人がいない」という声が急増しています。経済産業省の調査でも、中小企業のAI導入率はまだ20%程度。つまり80%の企業が「やりたいけどできない」状態。ここに巨大なチャンスがあるわけです。
――エンジニアに頼めばいいのでは? と思う方もいそうですが。
新井:エンジニアに外注すると月額数十万円ですからね。でも、ChatGPTやClaudeを使いこなせる会社員が「御社の業務、こうやって効率化できますよ」と提案したら、それだけで立派なコンサルティングになる。起業18フォーラムの受講生にKさんという方がいて、大手メーカーの営業職でITの専門知識はゼロ。でも自社の営業報告書を生成AIで自動化したら、取引先から「うちでもやってほしい」と言われて、月5万円の副収入が生まれた。本業の延長線上でですよ。
AI副業で失敗する人の3つの共通点
――とはいえ、うまくいかない人もいますよね?
新井:もちろんです。正直に言いますね。失敗パターンは大きく3つあります。まず、「AIの技術そのもの」を売ろうとする人。プロンプトエンジニアリングとかファインチューニングとか、専門用語を並べても中小企業の社長には響かない。社長が知りたいのは「で、うちの売上は上がるの?」それだけですから(笑)
――確かに、経営者目線だとそうなりますね。
新井:2つ目は「完璧な準備」を待つ人。AIの進化は速くて、半年前の知識はもう古い。「もっと勉強してから」と言ってるうちに、隣の席の同僚が先に始めちゃいますよ。そして3つ目、これがいちばん多いのですが、「自分の経験を過小評価する人」。10年営業をやってきた人が持っている「顧客の本音を引き出すスキル」は、AIには絶対にマネできない。そこにAIを掛け合わせるから価値が爆発するわけです。
明日からできる「AI起業」3ステップ
――では、具体的に何から始めればいいですか?
新井:ステップは3つ。まず、自分の業務で「めんどくさいな」と思っていることを3つ書き出す。議事録作成、データ整理、メール対応……何でもいいです。次に、それをChatGPTかClaudeに「これ、自動化できる?」と聞いてみる。驚くほど具体的な答えが返ってきますよ。そして3つ目、実際にやってみて「30分の作業が5分になった」みたいな成果が出たら、それをSNSで発信する。LinkedInでもnoteでも、Xでもいい。
――それだけで本当に仕事につながるものですか?
新井:つながりますね。受講生のMさんは、noteで自社の業務改善事例を週1回発信し続けた結果、3ヵ月後に「AI活用のセミナーをやってほしい」という依頼が来ました。地味でしょう? でも起業ってそういうもので、派手なローンチイベントより地道な発信の積み重ねのほうが、よっぽど確実です。
「AIはすぐ変わるから学んでも無駄」は本当か?
――「AIの進化が速すぎて、今学んでもすぐ使えなくなるのでは?」という不安もありますが。
新井:セミナーで毎回聞かれる質問ですね。答えは「半分イエス、半分ノー」。確かに特定のツールの使い方はすぐ変わる。でも「AIに何をさせるか」を考える力は、ツールが変わっても一生使えます。料理に例えるなら、フライパンの種類が変わっても「おいしい料理を作る感覚」は変わらないのと同じ。大事なのは特定のツールのマスターになることじゃなくて、「自分の仕事×AI」という掛け算の感覚を身につけることです。これは使えば使うほど磨かれるので、早く始めた人が圧倒的に有利ですよ。
完璧を待たずに、小さく始める
――最後に、起業を考えている会社員の方々にメッセージをお願いします。
新井:AIの時代に起業で成功する会社員は、特別な天才じゃありません。「自分の仕事の中にある"困った"をAIで解決して、それを誰かに教えられる人」。それだけです。26年間見てきた中で、うまくいく人にはひとつ共通点がある。「完璧を待たずに、小さく始める人」。AIという新しい武器が手に入った今、一歩を踏み出すハードルはかつてないほど低くなっています。ぐだぐだ悩んでいる暇があったら、今日ChatGPTを開いて、自分の「めんどくさい業務」をひとつ投げてみてください。その5分が、あなたの起業の第一歩になるかもしれませんよ。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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