起業に必要なのは「勇気」じゃない。 続けた人だけが勝つ、シンプルな真実

新井一

新井一

テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

「勇気が出ない」は、起業とは関係ない

――新井さん、「起業したいけど勇気が出なくて」という声は本当によく聞きます。今日はその「勇気」の問題についてお話を聞かせてください。

新井:正直に言いますね。起業に必要なのは、勇気じゃありません。

――え! いきなり断言ですね(笑)

新井:お金の不安、失敗の恐怖、「自分にできるのか」という自己否定。それが全部、勇気の問題に見えているだけのです。本当に大事なことは、たった1つ。続けるか、やめるか。それだけですよ。

――「続けるか、やめるか」……ものすごくシンプルですね。

新井:成功か失敗か、才能があるかないか、そういう話じゃない。この視点で捉え直すだけで、「勇気を出さなきゃ」という呪縛からスッと解放されます。60,000人以上の起業支援をしてきて、これは本当に確信していることですよ。

勇気が出ない理由の正体は「思い込み」

――でも実際、起業しようとすると頭の中でいろんな声が鳴り響きますよね。

新井:鳴り響きますね。「失敗したらどうしよう」「お金がなくなったら終わりだ」「自分みたいな普通の人間に、起業など無理だ」。これがぐるぐる、ぐるぐると続く。

――聞いているだけで苦しくなってきました(笑)

新井:でもこの声の正体は、「失敗への誤った恐怖」なのです。エジソンって知ってますよね。電球を発明した人。彼はこう言っています。「私は失敗したわけじゃない。電球が点かない、1万通りの方法を見つけただけだ」と。

――有名な名言ですね。

新井:ビジネスって、1勝9敗が普通です。うまくいかないほうが、圧倒的に多い。でも多くの人は「1回失敗したら終わり」と思い込んでいる。だから怖くなる。だから動けなくなる。「失敗=学習」です。うまくいかない経験が積み重なって、初めてうまくいく方法が見えてくる。これを腹に落とすだけで、半分は怖くなくなりますよ。

動機を正直に認識することが鍵

――では「勇気」より大事なものとは何でしょうか?

新井:起業しようとする人の動機には、大きく2種類あります。やりたいことがある「ポジティブ動機」と、今の状況から抜け出したい「ネガティブ動機」。

――どちらが正しい動機なのですか?

新井:どちらも正解です。どちらが良い悪い、という話じゃない。大事なのは、自分の動機を正直に認識すること。「なんとなく起業したい」ではなくて、「なぜ起業したいのか」を自分に問いかけてみてください。そこに答えが出れば、勇気を奮い起こさなくても、自然と体が動くようになります。

――自分の心の奥にある「本当の理由」を見つけることが、最初の一歩なのですね。

新井:そうです。動機が明確になれば、悩んでいる時間が減る。そして、行動のハードルがぐっと下がります。それだけで、「怖い」という感覚がかなり薄れてくる。

「ない」より「ある」に目を向ける

――でも「自分にはこれといった才能がない」という方も多いと思います。

新井:そういう声、本当によく聞きます。ここで冷蔵庫の話をしますね。冷蔵庫を開けて「あ、材料が揃っていない。料理できない」と思う人がいます。でも「ある材料で何が作れるか」を考える人もいる。

――発想の転換ですね!

新井:起業も同じです。「ない」ものを嘆くより、今自分に「ある」ものに焦点を当てる。会社員時代の経験、スキル、人間関係、趣味、好きなこと。全部、起業の素材になります。新しいアイデアなんて要らない。「新しいことに挑戦する必要はない。自分の才能に気づく。まずはそれだけでいい」というのが、60,000人以上の起業支援を通じて繰り返し確認してきた事実です。

――会社員としての経験そのものが武器になるのですね。

新井:そうです。特に「その会社員経験×自分の好きなこと」の組み合わせが、意外と希少価値になる。それに気づいた人から動き始められますよ。

小さく始めて、続けた人が勝つ

――では今日から具体的に何をすればいいのでしょうか?

新井:コンフォートゾーンを無理に抜け出そうとしなくていい。モチベーションが下がってもいい。頑張りすぎると続かない。小さく、小さく始める。2割の完成度でいい。完璧じゃなくていい。

――「2割の完成度で」というのは、かなり思い切った言葉ですね(笑)

新井:続けた人が、起業で結果を出す。才能でも、アイデアでも、勇気でもなく、「続けた人」が勝つ。今日、1つだけやってほしいことがあります。自分に「ある」ものを紙に書き出す。それだけです。

――それだけ?

新井:それだけです。起業への第一歩は、そんなに大きくなくていい。「何歳から始めても遅くないですか?」とよく聞かれますが、30代・40代・50代からでも成功した事例はたくさんあります。「会社を辞めてから起業すべきですか?」には、「辞める必要はない」と答えます。会社員のまま起業の土台を作るのが、一番リスクが低くて成功率が高いやり方ですよ。

――「続けること」こそが最大の武器。今日はとても大事なお話を聞かせていただきました。ありがとうございました!

新井:ありがとうございました。会社員のまま、小さく始めてみてください。応援しています!

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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