会社員のまま起業成功!新井一が語る『孫子の兵法』で学ぶ戦わずして勝つビジネス戦略
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
起業に本当に必要なメンターって、何ですか?
――新井さん、先日の勉強会で興味深い話をお聞きしたのですが、メンターについてのお考えをお聞かせいただけますか?
新井:そうですね。実は、起業18の会員さんから非常に困った事例を聞いたんです。知り合いが「起業にはメンターが必要だ」という営業を受けて、契約金100万円を支払ったそうなんですよ。その後も月額3万円を払い続けているのに、ほぼ何もしてくれないと。それをメンターに言ったら、「月3万円じゃやる気が出ない。5万円のコースにしてくれ」って言われたと(笑)。起業支援って、いやな世界ですね。
――それは大変ですね。でも、実際のところ、メンターというのは何なのでしょう?
新井:ここが大事なんです。メンターって、「偉い人に相談する」とか「一方的にアドバイスをもらう」という関係だと思われることが多いのですが、本来はそうじゃないんです。本物のメンターは、「あなたの判断を一緒に確認し、長期的な視点から見守ってくれる人」なんですよ。
――なるほど。似た言葉に「コンサルタント」もありますが、違うんですね。
新井:そうです。コンサルタントは「望むゴールに達成する確率を上げる方法を教える」人です。でもメンターは「あなたが正しい判断をできるようにサポート」する人なんです。この違い、めちゃくちゃ重要ですよ。
起業初期に「判断ミス」が頻発する理由
――では、どうしてメンターが必要になるのでしょうか?
新井:起業ってね、毎日が決断の連続なんです。顧客を取るか、取らないか。この価格設定でいいのか。ここで投資すべきか。人を雇うべきか。そういう判断ばっかりなんですよ。
――かなりハードですね。
新井:ほとんどの起業初心者は「正しい判断の基準」を持っていません。だから、不安なまま決めちゃう。周囲の意見に左右されちゃう。目先の利益や金額で判断しちゃう。理屈をこねまわして永遠に決めなかったり、逆に直感だけで判断しちゃったりするんですよ。その結果、あとで「あ、これ間違ってた...」って気づくんです。
――その時点では、もう遅いんですか?
新井:そう。その時点では、ほぼ遅い場合が多いんです。だからこそ、起業準備段階での判断が重要になってくるんですよ。
メンターを持つ3つの確実なメリット
1.「判断の質」が圧倒的に高くなる
新井:メンターは、あなたより先に起業したり、同じ失敗を見てきたりしてる人なんです。あなたが「これ、大丈夫ですか?」って持ってきたアイデアに対して、「いや、これはこういう理由で危ないよ」って指摘できるんですよ。自分では気づかなかった盲点が、一瞬で見えるんです。
2.メンタルが保たれる
新井:起業ってね... 孤独なんです。本当に孤独なんです。判断は自分でしなきゃいけないし、責任も全部自分。その中で「あ、俺失敗してるのかな」「このまま進んでいいのかな」って... 不安が押し寄せてくるんですよ。
――ツライですね。
新井:そこで「よし、メンターに相談しよう」ってなると... 心強いんですよ。「その不安は気にしなくて大丈夫」って言ってくれたり、「その判断は正しい」って背中を押してくれたり。そういう心理的なサポートって... 実は、成功と失敗の分岐点になることが多いんです。
3.時間の短縮ができる
新井:メンターを持たない場合、試行錯誤に時間がかかります。1年かかることを、メンターがいれば3日で済んだり... そういうことがザラにあるんですよ。これって、会社員が起業を考えるときに... すごく重要な要素です。だって、少しでも早く進めたいじゃないですか。本業もあるし。
――本当にそうですね。
新井:だからこそ、効率的に進める必要があって、メンターの存在ってめちゃくちゃ価値があるんです。
会社員のうちにメンターを見つけるべき理由
――では、メンターはいつ見つけるべきなんですか?
新井:これが重要なポイントなんですが... 起業してからメンターを探すより、会社員のうちに探す方が... 圧倒的に有利です。なぜかって? 起業してからだと、時間がないから。悩んで精神的に忙しくなるので、メンター探しなんてできません。
――つまり、余裕がなくなるってことですね。
新井:そう。その結果、「適当に選んだ人に100万円取られて、その後、月3万円」みたいなことになるんです(笑)。でも、会社員のうちなら... 少しだけ余裕をもって、自分に合ったメンターを見つけることができるんですよ。その結果、「判断の質」がグッと上がります。
――なるほど。では、メンター選びのポイントはありますか?
本物のメンターを見分ける3つのチェックポイント
1.「正解を教えてくれる人」は要注意
新井:完全に正解を教えてくれる人ってね... 実は、あんまり良くないんです。なぜなら、起業には「正解」がないからです。その時々で、最適な判断が変わります。
――確かに、環境も時代も変わりますね。
新井:そう。だから、一応の基準、基本は持っていて、そこから人に合わせて展開を考えられる人がベストなんです。ただ、ビジネスの基本は、様々な経験値がないとわからないので、そこは見極めてほしいところです。
2.「自分の経験を押し付ける人」は要注意
新井:メンターの中には、自分の経験を「これが唯一の道だ」みたいに押し付ける人もいるんです。でもね、環境は変わるんです。時代も変わるんです。
――それでは応用が利きませんね。
新井:そう。だから、メンターの経験をベースに、「あなたに合った道」を一緒に探してくれる人がいいんですよ。ただね、趣味ではないので、我流で楽しめればいいという世界ではありません。基本から外れると成功しにくいのも事実なので、お互いに向き合って進めるといいですね。
3.「あなたの立場になって考えてくれる人」が本物
新井:これが本物のメンターの条件なんです。あなたのビジネス、あなたの背景、あなたの不安... そういったものを理解した上で、「では、どうすればいいか」って一緒に考えてくれる人。
――そういう人は、貴重ですね。
新井:本当に貴重なんです。こういう人に出会えたら、起業の成功確率は大きく上がるんですよ。
起業準備段階でのメンター活用が最も効果的な理由
――では、実際のところ、メンターはいつの段階で役に立つのですか?
新井:ここが非常に重要なんです。メンターは、起業してからより、「起業準備の段階」にいる時点で出会う方が... めちゃくちゃ有効なんですよ。その時点で「判断を確認する」ってことができるからです。
――具体的には、どのような判断ですか?
新井:「このビジネスモデルで、本当に成立するのか」「この市場選び、大丈夫か」「この起業準備、漏れがないか」こういった重要な判断を、起業前にできるんです。その結果、起業してからの判断ミスって... 劇的に減らせるんですよ。
――それは大きな違いですね。
新井:本当にそうなんです。会社員の時点で、メンターと一緒に準備を進めていく。そうすることで、起業後の意思決定の質が全く違ってくるんですよ。
よくある質問に答えます
メンターは必ず有料でつけるべき?
――新井さん、メンターは有料でなければいけませんか?
新井:いいえ。世界的な起業家の中には、有料のメンターを持たず、信頼できる起業家仲間をメンターとして見てる人もいます。大事なのは「有料か無料か」ではなく、「その人が本物のメンターか」ってことなんです。
メンターが見つかるまで、起業準備は待つべき?
――では、メンターが見つかるまで待つべきですか?
新井:いいえ。準備は進めておくべきです。その中で「あ、ここは相談したい」ってポイントが出てくると思います。その時に「メンター的な人に相談する」ってやり方でいいと思いますよ。
同業他社の経営者をメンターにすることは可能?
――同業者の経営者はどうでしょう?
新井:慎重に。同業だからこそ、競争意識が働く場合があるんです。その場合、完全に正直に相談できなくなることもあります。信頼できる関係が作れれば大丈夫ですが、注意は必要ですね。
メンターは「必須」ではなく「最適な判断」のためのツール
――最後に、メンターについてのお考えをお聞かせください。
新井:起業家には、メンターが必要です。ですが、「メンターをつけなきゃ起業できない」ってことではありません。大事なのは、「判断の質」を高くすること。その方法が「メンター」だったり、「メンター的な起業家仲間」だったり、いろいろあります。ただ、AIはダメかな… 何でも肯定するからね(笑)
――確かに(笑)。では、最後の助言として?
新井:まずは「自分は今、何が必要か」って考えてみてください。判断に自信がないのか。心理的なサポートが欲しいのか。ビジネスモデルの検証がしたいのか。その上で、「メンター」を探すのが、本物の使い方です。会社員の時点で、そういう関係を作ることができれば、起業後の成功確率は大きく変わりますよ。
――本日はありがとうございました。
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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