ひとり起業は「孤独」じゃない|会社員のまま始めるたった1人のビジネスの作り方を起業26年の専門家・新井一氏が徹底解説

新井一

新井一

テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

「ひとり起業」は孤独じゃない。むしろ、つながりの中で育つビジネスの話

――新井さん、今日はよろしくお願いします。今回のテーマは「ひとり起業」ということなんですが、この言葉を聞くとどうしても「1人で黙々と作業している」というイメージが浮かんでしまって。カフェでMacを開いている人みたいな……。

新井:よろしくお願いします。あ、そのイメージ、めちゃくちゃわかります(笑)。でも、それが一番の誤解なんです。「ひとり起業」の「ひとり」は、孤独という意味じゃない。従業員を雇わないというだけで、チームや仲間がいないということとは全然違うんです。

――なるほど。では、ひとり起業の正確な定義から教えていただけますか?

新井:簡単に言うと、従業員を雇わずに自分1人でビジネスを回す経営スタイルですね。個人事業主としてスタートする人がほとんどです。ただ、ここでよく誤解があって。「1人でやる」は「すべて自分でやる」という意味じゃないんです。

――どういうことでしょう?

新井:たとえば、経理はAIを使ったクラウド会計に任せればいい。デザインは外注すればいい。自分がやるべきは「自分にしかできないこと」だけで十分なんです。だから、ひとり起業の本質は「自分の得意なことに集中する経営スタイル」なんですよ。これを間違えて「全部ひとりでやらなきゃ」と思い込むと、起業する前から燃え尽きてしまう。本末転倒でしょう?

――確かに。それは怖いですよね。ところで、なぜ今これほどひとり起業が注目されているんでしょうか?

新井:理由はシンプルで、3つの大きな流れが同時に来たからです。終身雇用の崩壊、副業解禁、そしてAIやクラウドツールの進化。会社への依存リスクが高まる一方で、1人でビジネスを始めるハードルはどんどん下がっている。以前なら、事務所を借りて、スタッフを雇って、数百万円の初期投資が必要でした。でも今はスマホ1台あれば、ビジネスの種を撒ける時代なんです。

――フォーラムの参加者の方々はどんなきっかけで来られるんですか?

新井:「会社の将来が不安だけど、いきなり辞めるのは怖い」という方が本当に多いですね。その気持ち、実は正しいんですよ。だからこそ、会社員のまま小さく始める。リスクを最小化しながら、自分のビジネスを育てていく。これが今の時代に合った起業のかたちだと、26年間支援してきて確信しています。

失敗する人の共通点と、成功への3つのステップ

26年で見えてきた「失敗パターン」の正体

――新井さんはこれまで延べ60,000人の会社員の起業をサポートされてきた。その経験から、失敗する人の共通点はありますか?

新井:圧倒的に多いのが「完璧主義」です。理屈ばかりで動けない。計画は立派なのに、1年経っても何も始まっていない。なぜかというと、「完璧」なんてそもそも存在しないからです。

――耳が痛い方も多そうです(笑)

新井:次に多いのが、「最初から大きくやろうとする人」。月100万円を目標にしてしまう。気持ちはわかるんですが、ひとり起業は「0から1を作る」ことがまず大事なのです。月1万円を稼ぐ経験が、月30万円への最短距離になる。

――いきなり大きな目標を立てることが逆効果になる、と。

新井:そして、「全部ひとりで抱え込む人」。営業も経理も集客もWebサイトも、全部自分でやろうとする。結果どれも中途半端になって、体まで壊す。ドキッとした方もいるかもしれないけど、気づいたなら半分は解決していますよ(笑)

――(笑)では、実際にどういうステップで進めればいいのでしょうか?

「6カ月で起業する」ロードマップとは?

新井:僕が提唱しているのは、大きく3つのフェーズに分けた6カ月のロードマップです。最初の2カ月は「自分の才能を棚卸しする」こと。

――才能の棚卸し……難しそうに聞こえます。

新井:大げさに聞こえるかもしれないけど、そんなに難しくないんです。あなたが10年やってきた仕事の中に、必ず「人から頼られること」があります。後輩に教えていること、お客さんに感謝されること。それが才能の種です。新しいスキルを学ぶ必要はない。あなたの中に、もうある。

――3〜4カ月目はどうでしょう?

新井:次は「小さく試す」フェーズです。友人や知人に「こういうサービス、どう思う?」と聞いてみる。ここで大事なのは、完璧を求めないこと。20点で出す。反応を見て、修正する。この繰り返しがビジネスを育てるのです。

――最後の5〜6カ月目は?

新井:「修正する」フェーズです。モニター価格でもテスト販売でもいい。とにかく「売ってみる」経験をする。ひどくフィードバックをもらうこともある。でも、この体験があなたの人生を変えます。大げさじゃなく、本当にそうなんです。

ひとり起業に向いているビジネス、向いていないビジネス

――どんなビジネスが会社員のひとり起業に向いているのでしょうか?

新井:初期投資が少なく、在庫を持たないビジネスが鉄則です。たとえばコンサルティング。あなたの専門知識を、困っている人に提供する。必要なのはパソコンと電話だけ。オンライン講座も非常にいい。自分の経験をコンテンツにまとめて、繰り返し販売できる。寝ている間に売上が立つ仕組みを作れるのは、ひとり起業の大きな強みです。

――逆に、向いていないビジネスは?

新井:ライティングやWebデザイン、動画編集のような「労働力×スキル系」は正直きびしい。AI時代には完全に下り坂ですよ。あと、飲食店やカフェのように場所と設備が必要なビジネスも、最初のステップとしてはおすすめしません。リスクが大きすぎる。

――では、最初の目標はどのくらいに設定すればいいでしょうか?

新井:まず月10万円。そこから30万円を目指す。いきなり月100万円ではありません。階段を1段ずつ上がるイメージです。「小さく始めて、大きく育てる」。これがひとり起業の王道です。

不安を消す方法と、「孤独じゃない起業」のつくり方

不安を感じること自体は「正常」

――ひとり起業を考えている方で、不安を感じていない人はほとんどいないと思います。その不安との向き合い方を教えてください。

新井:「お金が稼げなかったらどうしよう」「失敗したら恥ずかしい」「家族に迷惑をかけたら…」これ、全部正常な感情です。むしろ、そう思えるのは真剣に考えているから。

――でも、その不安をどうすれば解消できるのでしょう?

新井:不安の正体は「未知への恐怖」です。やったことがないから怖いだけ。だから解消する方法は、小さく始めること。会社員のままスタートすれば、給料という安全ネットがある。失敗しても、生活は壊れない。

――「ひとり起業」でも、仲間がいる、と最初におっしゃっていましたね。

新井:そうなんです。これが核心で、「ひとり起業」は「孤独に起業する」ことじゃない。同じ志を持つ人とつながることで、不安は驚くほど小さくなります。僕がフォーラムを運営しているのも、そういう理由です。60,000人と関わってきてわかったのは、仲間の存在が、行動の速さを何倍にもするということ。

よくある質問(FAQ)

――最後に、よくいただく質問をいくつか教えていただけますか?

新井:よく聞かれるのが「ひとり起業に必要な資金はいくらですか?」という質問ですね。コンサルティングやオンライン講座なら、初期投資は数万円で始められます。設備投資は、売上が立ってからで全然遅くない。

――副業とひとり起業の違いは何でしょう?

新井:副業は「本業以外の収入を得る活動」全般を指します。ひとり起業はその中でも「自分のビジネスを持つ」こと。アルバイトは副業ですが、ひとり起業ではない。自分で価値を生み出し、自分で価格を決める。そこが大きな違いです。

――「月30万円は現実的か?」という声もよく聞きます。

新井:かなり現実的です。ただし、いきなりは無理。まず月1万円、次に月5万円、月10万円と段階を踏むことが大事。60,000人をサポートしてきた経験から言えるのは、正しいステップを踏めば、月30万円は誰もが十分に到達できるラインだということ。焦らなくていい。6カ月あれば、人生は変わり始めます。

――力強い言葉ですね。今日はありがとうございました!

新井:こちらこそ、ありがとうございました。ひとりで悩まずに、ぜひ一緒に始めましょう。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。自身が運営する起業準備コミュニティ(起業18フォーラム)のセミナー受講者は年間延べ1,000人を超える。

新井一のセミナー日程一覧

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

新井一プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

新井一
専門家

新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

稼ぎ力を引き出す起業支援キャリアカウンセラー

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京の起業・会社設立
  5. 新井一
  6. コラム一覧
  7. ひとり起業は「孤独」じゃない|会社員のまま始めるたった1人のビジネスの作り方を起業26年の専門家・新井一氏が徹底解説

新井一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼