大学院生から「就職してから起業すべきですか?」と聞かれた話|起業支援26年・新井一氏が語る会社員のまま起業する最適ルートの選び方

新井一

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テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

「専門が狭い=起業に不利」は本当か? 大学院生の切実な悩みに答える

――新井さん、今日もよろしくお願いします。今回は、大学院生の方からの相談がテーマだそうですね。

新井:はい、よろしくお願いします。先日、こんなご相談をいただきました。「大学院生です。起業したいのですが、今の専門が狭すぎて将来の起業に役立たないと思っています。退学して起業すべきか、就職して社会を学んでから起業すべきか、それとも在学したまま起業すべきか……」と。

――なるほど。かなり切実な悩みですね。進路選択と起業の両方が絡み合っている。

新井:そうなんです。でも、この方に限らず、実は一番大事なことを見落としているのですよ。

――大事なこと、ですか?

新井:ルートの選択以前に、「自分が本当にのめり込めるフィールドはどこか?」という問いです。就職か起業か、退学かそのまま残るか。その分岐よりも、この問いの方がよっぽど重要なんですね。

――確かに、手段の話ばかりに目が行きがちですよね。

新井:そうです。お気持ちはわかりますよ。大学院で研究していると、自分の専門がものすごくニッチで、「こんなの社会で使えるのか?」と不安になる。でもね、起業で必要なのは「広い知識」じゃないんです。「誰かの困りごとを解決できる力」なのです。

――専門が狭いこと自体は、弱点ではない?

新井:むしろ逆です。専門が狭いということは、裏を返せば、その分野では他の誰よりも深い知見を持っているということ。それ自体が武器になる可能性は十分あります。もちろん、「その専門を続けたくない」というなら話は別ですけどね。

就職してから起業する「本当のメリット」とは?

――では、就職してから起業するという選択肢についてはいかがですか?

新井:就職のメリットは確かにあります。最大のポイントは、お金をもらいながら学べるということ。これ、めちゃくちゃ大きいですよ。

――働きながら起業準備を進められるということですね。

新井:はい。1週間は168時間あります。仕事が40時間だとして、残りの128時間をどう使うかで起業準備はいくらでも進められる。しかも、仕事中にも学べることは山ほどあります。

――たとえば、どんなことが学べるのでしょうか?

新井:営業のスキル、チームワーク、上司とのやりとり、理不尽な会議の乗り越え方……(笑)。特に僕が大事だと思っているのは、「人間関係の痛み」を経験できることですね。

――人間関係の痛み、ですか? 一見ネガティブに聞こえますが。

新井:これ、本当に大事なんです。使われる側の心の葛藤を知っている起業家と、知らない起業家では、人を動かす力がまるで違うのです。お客さまや外注さん、パートナーの気持ちがわかるかどうか。ここに直結するのです。

――社会人経験そのものが、起業家としての「人間力」を鍛えてくれるということですね。

新井:おっしゃる通りです。

大企業とベンチャー、起業を目指すならどちらに就職すべき?

――就職するとして、大企業とベンチャー、どちらが起業に有利でしょうか?

新井:これもよく聞かれるのですが、正直に言います。どっちも一長一短です。

――なるほど。具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?

新井:大企業は全体像が見えにくいですね。歯車の一部になりがち。でも、仕組みや組織の動かし方は学べます。一方、ベンチャーはいろんな仕事を任されるので経験の幅は広がる。でも、経営がカツカツで新しいチャレンジができなかったり、研修制度がなかったりする。

――つまり、環境よりも本人次第だと。

新井:まさにそれです。環境のせいにしたら、どこに行っても同じ。逆に、自分でつかみに行く姿勢があれば、どこでも学べます。料理に例えるなら、最高のキッチンがなくても美味しい料理は作れる。でも、包丁を握らなければ何も始まりませんよね。

「辞めたい」と思う分野は、何年続けても一流にはなれない

――新井さんが今回の相談者に一番伝えたいことは何でしょうか?

新井:大事なのは、のめり込めるフィールドを見つけることです。今の専門を辞めたいなら、辞めていい。無責任に聞こえるかもしれませんが、今の時点で「辞めてもいいかな」と思えるようなことを何年続けても、一流にはなれないのです。これは厳しいようで事実ですね。

――逆に、やりたいことがまだ見えていない場合はどうすればいいのでしょうか?

新井:具体的にやりたいことが見えないなら、就職して視野を広げるのも全然アリです。焦って起業する必要はありません。就職するのも、起業するのも、どちらも素晴らしい経験になりますから。

――どのルートを選んでも、大切なのは同じだと。

新井:はい。どのルートを通っても「人間力」を磨くこと。人を惹きつける力を持った起業家になること。最終的には自分の人生ですから、しっかり考えて、自分で決めてほしい。その覚悟ができた人を、僕は全力で応援します。

起業18フォーラムからのお知らせ

――ありがとうございました。最後に、起業を考えている方に向けたご案内はありますか?

新井:起業18の公式LINEにお友達登録いただき、「診断」と入力していただくと、あなたにどんな起業スタイルが向いているか診断できる「プロンプト」を無料でプレゼントしています。AIにそのまま貼り付けてご利用いただけますので、ぜひ試してみてください!

――ありがとうございました!

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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