YouTube5年・登録者6000人・弱小チャンネルでもビジネスで結果は出せる!

新井一

新井一

テーマ:マーケティング

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

YouTube運営の現状と向き合う

登録者6000人、再生回数200~300でも諦めない理由

――新井さん、YouTubeチャンネルを運営されていますが、現在の状況について教えていただけますか?

新井:はい。現在、チャンネル登録者数は6000人ほどです。再生回数も正直なところ、200とか300という動画も少なくありません。数字だけ見れば、決して華々しい結果とは言えないかもしれませんね。

――チャンネル開設は10年以上前とお聞きしましたが?

新井:そうなんです。実は10年以上前にアカウントは作っていたのですが、当時はほとんど活用していませんでした。本格的に力を入れ始めたのは、ここ数年のことです。

――その間、何か転機があったのでしょうか?

新井:やはり時代を感じたからですね。文字を読む人、本当に減っていますし。

なぜYouTubeだったのか?

対面セミナーの限界と動画メディアの可能性

――なぜ、今YouTubeに力を入れているのでしょうか?

新井:理由は明確です。対面セミナーでは、伝えられる人数に限界があったんです。会場の広さもそうですし、オンラインでも開催できる回数、準備時間...。制約がどうしても付きまといます。

――確かに、限界がありますね。

新井:でも、私が25年間向き合ってきた起業希望者の悩みは、日本中に、いや世界中にあるはずなんです。その人たちに届けるには、どうしても動画という手段が必要だったんです。

「誰でも簡単に稼げる」系YouTuberへの違和感

――他にもYouTubeを選んだ理由はありますか?

新井:実は、これが大きいんですが、副業推奨系のYouTuberが多すぎるという問題があったんです。

――どういうことでしょうか?

新井:「誰でも簡単」「今すぐやらないと損」「マインドが大事」...。確かに、正論です。でも、私が25年間見てきた現実は違うんですよ。

――新井さんが見てきた現実とは?

新井:良いこともあれば、リスクもあります。悪いこともあるんです。でも、そういうメッセージを発信している人がほとんどいなかった。

――それで、ご自身が発信しようと?

新井:はい。正直にすべて伝えるべきだと気づいたのです。

25年間の経験がYouTubeで活きた理由

コンテンツの深みが違う

――25年間の実績が、YouTubeでどのように活きているのでしょうか?

新井:まず、伝えたいことが明確です。YouTubeを始める人の多くが「何を話そうか」と悩みます。でも、私の場合は逆で、「これを伝えたい」ことが山ほどある。むしろ、どれから伝えようかと選ぶのが大変なくらいです。

――25年分の引き出しがあるということですね。

新井:そうなんです。具体的な事例、失敗談、成功パターン、よくある誤解...。全部、実際に起こったことです。机上の空論ではなく、60,000人以上の方々と向き合ってきた生のデータがあります。

――それが視聴者にも伝わるのでしょうか?

新井:視聴者の方から「他の起業系YouTuberと全然違う」というコメントをいただくことがあります。それは、私が実際に現場で見てきたリアルな話をしているからだと思います。理想論や綺麗事だけでは終わらない。

他の起業系YouTuberとの差別化が自然にできる

――差別化は意識されていますか?

新井:実は、意識しなくても自然に差別化できているんです。これが25年間やってきた強みですね。

――どういうことでしょうか?

新井:多くの起業系YouTuberは、「成功するにはこうしろ」という話をします。でも私は、「実は、こうすると失敗しますよ」「みんなここで躓きますよ」という話ができる。

――失敗パターンを知っているということですね。

新井:はい。そして、その失敗パターンから抜け出す方法も知っています。だから、「簡単に稼げる」の逆を行く「着実に準備しよう」というメッセージに説得力が生まれるのだと思います。

YouTubeを続けられる理由

ネタ切れの心配がない

――YouTube運営で挫折する人も多いと聞きますが、新井さんが続けられている理由は?

新井:3つあります。1つ目は、先ほどもお話しした通り、伝えたいことが明確だということです。ネタ切れという状態になったことがありません。

――25年分のストックがあるからですね。

新井:そうです。2つ目は、25年分の引き出しがあること。同じテーマでも、違う角度から、違う事例で話すことができます。

自然な差別化が続けるモチベーションになる

――3つ目は何でしょうか?

新井:他の起業系YouTuberとの差別化が自然にできることです。これは本当に大きいですね。

――どのように大きいのでしょうか?

新井:多くのYouTuberは、「他と違うことを言わなきゃ」と無理に差別化しようとして疲弊します。でも私の場合、自分の経験を話せば、それが自動的に差別化になる。無理がないのです。

――精神的な負担が少ないということですね。

新井:まさにその通りです。YouTubeは継続が命です。でも、無理して続けるのは苦しい。私の場合、自分の経験を話しているだけなので、ストレスなく続けられています。

見極め期間の重要性

「YouTubeやれば稼げる」は嘘

――YouTubeを始めようとしている人へのアドバイスはありますか?

新井:まず知っておいてほしいのは、「YouTubeやれば稼げる」は嘘だということです。

――厳しいお言葉ですね。

新井:でも、これが現実なんです。YouTubeは手段であって、目的ではありません。大切なのは、自分に合っているかどうかの判断をすることなんです。

――自分に合っているかどうか、どう判断すればいいのでしょうか?

新井:まず、3ヵ月は続けてみることです。そして、その間に自分に問いかけてみてください。「これ、苦しくないか? 」「続けられそうか? 」「伝えたいことは本当にあるか? 」と。

25年間の実践があったから迷わなかった

――新井さんの場合は、どうだったのでしょうか?

新井:私の場合は、25年間の実践があったから迷わなかった。伝えたいことは山ほどある。だから、YouTubeという器が合っているかどうかだけを見極めればよかった。

――逆に、経験がない人はどうすればいいのでしょうか?

新井:まず、経験を積むことです。何でも実際にやってみて、失敗も成功も経験する。その上で、YouTubeという発信手段を考える。順番が大切なんです。

――つまり、YouTubeから始めるのではなく、実践から始めるということですね?

新井:その通りです。YouTubeは、あなたの経験を増幅させるツールです。経験ゼロの状態でYouTubeを始めても、すぐにネタ切れになって苦しむだけです。

――ありがとうございました!

新井:こちらこそ、ありがとうございました。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一
専門家

新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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