AI時代に会社員が起業で勝つ秘訣|新井一が語る「完璧を捨てて人間らしさで差別化する」逆張り戦略

新井一

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テーマ:マーケティング

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

みんながAIに走る今、何もしない方が勝てる時代

――新井さん、最近のSNSやYouTube、noteを見ていて、何か感じることはありますか?

新井:正直に言うと、うんざりしてます(笑)。全部同じに見えませんか? AIが作ったサムネイル、Canvaのテンプレート、AIが書いた「それっぽい」文章、AIが読み上げる感情のない音声。もう、どれを見ても同じ。

――確かに、最近そう感じることが増えました。

新井:Instagram開けば完璧すぎるAI美女、YouTubeのサムネはどれも同じようなデザインやAI顔。noteの記事は丁寧で完璧で、そして、つまらない。何より体温がないのです。人は「情報」じゃなくて「人」に反応するのに、みんな忘れてるのですよね。

――AIツールが普及して、誰でも完璧なコンテンツが作れるようになったからこそ、ですか?

新井:そうです。だから今こそ、iPhoneでパシャっと撮った普通の写真が最強なのです。理由は単純で、みんなが同じ方向に走ってるから。

早くも「普通」が希少価値になった理由

供給過多が生む価値の逆転現象

――「普通」が希少価値、というのは面白い視点ですね。

新井:ちょっと想像してみてください。Instagramを開いて、完璧な修正&加工画像が続いた後に、「今日の昼ごはん。会社の近くのラーメン屋」っていう、明らかにスマホで撮っただけの、ちょっとブレてて照明も微妙な写真が出てきたら、見ちゃいませんか?

――確かに、目が止まります。

新井:みんながAIに走れば走るほど、「人間らしさ」の価値が上がる。単純な需要と供給の話なのです。実際、私自身がYouTubeのサムネとか、やっぱり人間が作ったなってやつに目が行ってしまうし、Instagramもそうなのですよね。

新井さんの実践例

――新井さんご自身は、発信でAIをどのように使われているのですか?

新井:恥ずかしい話、実は私、発信にAIを殆んど使いません。画像も加工なし。たまに「あらいさん、もっとちゃんとしたデザインにしたら?」って言われるのですけど... いや、これが狙いなのですって(笑)。

――戦略的に「普通」を選んでいる、と。

新井:そうです。でも誤解してほしくないのは、ただ適当じゃダメだということ。大事なのは「計算された普通さ」なのです。

  • スマホで撮る(でも、ブレブレはNG)
  • 加工しない(明るさは調整する場合あり)
  • 完璧なきれいさ不要(汚すぎるのはNG)

新井:これ、起業でも全く同じで、完璧なビジネスプランより、「ちょっと粗いけど、この人本気だな」って思われる方が、人は付いてくるのです。

会社員の起業にこそ「人間らしさ」が武器になる

AIツールは使っていい、でも最後は人間を残す

――これは会社員が起業を目指す際にも、重要なポイントになりますか?

新井:めちゃくちゃ重要です。特に会社員の方は、時間がない分、つい効率化を求めてAIに頼りがちです。でも、それで全員が同じような発信をしたら、誰も見向きもしない。

――では、どうすればいいのでしょうか?

新井:AIツールを使うのをやめろ、じゃないですよ。AIツールは使っていい。でも、最後は必ず「人間らしさ」を残す

  • note文章なら、ちょっとした誤字(わざとじゃないやつ)
  • 写真なら、iPhoneでパシャっと
  • 動画なら、たまに噛む

新井:それだけで、「この人、頑張ってるな」って思われるのです。

AI時代に人間が勝つ構造

――なぜそれが効果的なのでしょうか?

新井:構造は単純です。みんながAIに走る。だから、AIコンテンツが溢れる。溢れるから、価値が下がる。価値が下がるから、見られなくなる。で、どうなるか? 普通の人間が撮った、普通の写真が、逆に目立つのです。逆張り、最強説ですね。

――会社員の方が起業を考える時、この視点をどう活かせばいいでしょうか?

新井:まず、完璧を目指さないこと。多くの会社員の方は、「起業するなら完璧なビジネスプランを」「SNSで発信するなら完璧なコンテンツを」と考えがちです。でも、それが逆効果なのです。

――完璧を目指すことが、逆効果?

新井:はい。ビジネスは、結局「人」なのです。会社員のまま起業準備をするなら、時間がない中で無理に完璧を目指すより、「この人、本業がある中で頑張ってるな」という人間らしさが伝わる方が、よっぽど共感を得られます。

AI時代だからこそ、人間らしさが最大の差別化

――最後に、これから起業を目指す会社員の方へメッセージをお願いします。

新井:AI時代だからこそ、人間らしさが最大の武器になります。完璧なAI画像より、スマホで撮った素朴な写真。完璧なAI文章より、ちょっと粗削りでも想いが伝わる文章。そういう「普通」を大切にしてください。

――新井さんご自身も、それを実践されているのですね。

新井:noteのヘッダでも、「記事に合う画像を選ぶ」ってありますけど、AIで作ったなって思う画像ばかりで、つまらなくないですか? 本当に撮った写真だったり、人の手が入ったキャラクターとかの方が、素敵だと思いません?

――確かに、心に残るのは人間らしさがあるコンテンツかもしれません。

新井:会社員として働きながら起業を目指すなら、時間がない分、効率化は必要です。でもその中でも、最後の1%は必ず人間らしさを残す。それが、AI時代に勝つ秘訣です。AI時代だからこそ、ね。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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